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第三十三話 正輝と倉敷ダンジョンを攻略開始
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朝四時半に起床し、とりあえず台所に行く。母さんに今日は何を出せばいいか聞き、言われた通りに収納から食材を出し、ついでに新しく弁当箱も出しておく。
五時前に正輝と綾芽が起きてきたが、どちらもかなり眠そうだ。朝の挨拶を交わし、それぞれが動き出す。正直、綾芽は一人でも鍛練をするとは思っていなかった。
「綾芽、一人で大丈夫か?」
「お兄ちゃんは過保護だね。私も強くなりたいんだよ。継続は力なりでしょ」
五時からいつもの鍛練を始めた。
「正輝、朝御飯を食べよう。五時半出発だから少し急ごう」
朝御飯を食べて、弁当を貰い、歯磨き、着替えそして荷物のチェックをしてから予定通りに家を出発した。
電車で倉敷駅に、そこから徒歩で十分も歩かずに倉敷ダンジョンに到着。六時頃だと土日でもないのでガラガラだった。これでウサギも狩り放題だ。
バトルスーツに着替えて装備品を身につけてからいつも通り受付に行く。昨日の宝箱から出た刀を今日から使うので、封印を解いてもらう。そして、武器ケースと着替えのバッグを正輝の物と二人分預ける。
「今日は大量のドロップアイテムが出ると思います。部屋での買取りをお願いします」
「はい、買取りの受付もこちらに来てください。準備してお待ちしておきます」
ダンジョンに入る前に忘れずにパーティ登録をしてから一階層に転移する。草原型のダンジョンだ、見晴らしは良い。それ程人は多くないようだ。
「正輝、見える範囲で別々に行動しながら奥の階段を目指そう。出てくる魔物は頭突きラビットとホーンラビット、それとビッグラビットだ。七階層までラビット系しか出てこない。僕は魔法の練習もしたいから討伐数は稼げないかもしれない」
「了解、魔力枯渇には気をつけろよ。最初は調子に乗ってやってしまうんだよ。俺は経験者だからな」
少し距離を取りながら攻略を開始する。
最初に出会うのは頭突きラビット、15メートル程離れている。手の平を向けて「ファイヤーボール」と唱える。正輝の魔法に比べてスピードが遅いがしっかりと発動した。突然の事に反応出来ない頭突きラビットに命中して、魔石だけを残して消えていった。なんとも呆気なく発動した初めての魔法に暫し感動する。
どうも威力が少し弱いように感じるが、これが理解を深めると威力が上がるという話に繋がるのかな?魔石を回収し次の獲物に向かう。
今日はもう一つ、刀の性能チェックもしなければならない。自動修復はいいとして、飛ぶ斬撃の効果を確認しよう。またまた頭突きラビットに接敵、距離は20メートル程離れている。こちらから接近し、5メートルの距離まで近付いて袈裟斬り。しかし、斬撃は飛んで行かない。頭突きをして来るところを躱して首をはねる。魔石とお肉を残して消えていった。
周りを確認して誰もいない所に向かって素振りをする。斬撃が飛ぶように強く思うことで発動するようだ。威力と射程距離の確認を実践で確かめよう。人がいる所では今のところ使用しないほうが良いようにも思う。間違って斬ってしまったら洒落にならない。
正輝の位置を確認しながら人が周りにいないラビットに向かって飛ぶ斬撃を放つ。楽しくなってきた。刀を振る威力で飛ぶ斬撃の威力も決まるようだ。5メートル以内にいれば一撃で倒せる。10メートル程が射程だろうか、倒し切るまでいかない事もあるがダメージは与えられる。かなり有効な攻撃を手に入れたようだ。
階段で一度正輝と合流する。
「なあ正輝、魔法の発動に詠唱は必ず必要なのか?」
「まさかお前、中二病的な詠唱をしているのか?」
「そうそう、『火の精霊よ、我の魔力を使い…』って、違うわ!『ファイヤーボール』って言うやつだよ!」
「ああ、分かってた」
「……………」
「慣れて来ると言葉にしなくても発動するが、パーティ戦だと言った方が良いぞ。周りに何をしているのか分からせないとな。それに人が見える範囲でも同じだな、何も言わないと怖いだろう」
「じゃあ声は常に出した方が良いな。ありがとう」
「使っていれば技も増えていくし威力も上がる、がんばれよ」
二階層から五階層まで魔法と飛ぶ斬撃の練習を常にしながら魔物を倒す。楽しくてしょうがない。六階層の転移の柱で正輝が登録する。
「少し人が増えたようだな」
「六階層に転移する人が多いんじゃないかな。このダンジョンは本当に人気があるからね。八階層からのウルフ系が出てくる所まで行けば人は少なくなるから」
僕が練習のために時間を使いすぎたようだ。魔法と飛ぶ斬撃の攻撃はお休みにして八階層を目指していこう。
六階層からは近接戦闘で倒していく。前の刀よりも間違いなく切れ味も良くなってる。流石に三十倍の価格の違いがあるわけだ。
魔石と肉と毛皮と角を手に入れながら八階層に到着した。
「ここから十五階層まではウルフ系のエリアだ。群れて出てくるからその分稼ぎが凄い。色によっての買取り金額の差は無いけど、角が有るか無いかで多少値段が変わる。角がドロップしたら大きいぞ」
「ホーンラビットも角をドロップしてたけど何に使うんだ」
「薬に使われるらしいよ。魔力が込められているから良いんだって。ラビットで一万円、ウルフで一万五千円だったはずだ」
正輝がやる気になっている。ここからは魔法と飛ぶ斬撃の解放だ。まあ周りはよく見て行動するけどね。
正輝も派手にやっているが、こちらも負けていられない。ウルフを見つけて突っ込んで行く。
ちょっと調子に乗りすぎたようだ。途中で気持ちが悪くなって魔力ポーションのお世話になった。途中の階段で正輝に聞いてみる。
「魔力って増えていくものなのか?」
「魔力枯渇になったのか?」
「少し気持ちが悪くなってポーションを飲んだよ」
「早めにポーションは飲むようにしろよ。もしも完全に魔力がなくなって動けなくなったら危険だからな。魔力は増えていくと思うよ。俺は最初のころに比べるとかなり弾数が増えたから、間違いない。ただ効率的な増やし方となると分からないな。異世界もののラノベのように魔力枯渇を繰り返した方が増えるとか言う奴もいるけど本当かどうかは分からない。まあ、今のままでも十分だしな」
先輩の話はためになるね。さあ攻略を続けよう。
正輝は僕と違って本物のAランカーだからね。流石に【風林火山】、ウルフの討伐スピードがハンパない。僕も負けないように魔法と飛ぶ斬撃を取り入れながら最適解を見つけるように努力する。あっという間に十六階層に到着した。
五時前に正輝と綾芽が起きてきたが、どちらもかなり眠そうだ。朝の挨拶を交わし、それぞれが動き出す。正直、綾芽は一人でも鍛練をするとは思っていなかった。
「綾芽、一人で大丈夫か?」
「お兄ちゃんは過保護だね。私も強くなりたいんだよ。継続は力なりでしょ」
五時からいつもの鍛練を始めた。
「正輝、朝御飯を食べよう。五時半出発だから少し急ごう」
朝御飯を食べて、弁当を貰い、歯磨き、着替えそして荷物のチェックをしてから予定通りに家を出発した。
電車で倉敷駅に、そこから徒歩で十分も歩かずに倉敷ダンジョンに到着。六時頃だと土日でもないのでガラガラだった。これでウサギも狩り放題だ。
バトルスーツに着替えて装備品を身につけてからいつも通り受付に行く。昨日の宝箱から出た刀を今日から使うので、封印を解いてもらう。そして、武器ケースと着替えのバッグを正輝の物と二人分預ける。
「今日は大量のドロップアイテムが出ると思います。部屋での買取りをお願いします」
「はい、買取りの受付もこちらに来てください。準備してお待ちしておきます」
ダンジョンに入る前に忘れずにパーティ登録をしてから一階層に転移する。草原型のダンジョンだ、見晴らしは良い。それ程人は多くないようだ。
「正輝、見える範囲で別々に行動しながら奥の階段を目指そう。出てくる魔物は頭突きラビットとホーンラビット、それとビッグラビットだ。七階層までラビット系しか出てこない。僕は魔法の練習もしたいから討伐数は稼げないかもしれない」
「了解、魔力枯渇には気をつけろよ。最初は調子に乗ってやってしまうんだよ。俺は経験者だからな」
少し距離を取りながら攻略を開始する。
最初に出会うのは頭突きラビット、15メートル程離れている。手の平を向けて「ファイヤーボール」と唱える。正輝の魔法に比べてスピードが遅いがしっかりと発動した。突然の事に反応出来ない頭突きラビットに命中して、魔石だけを残して消えていった。なんとも呆気なく発動した初めての魔法に暫し感動する。
どうも威力が少し弱いように感じるが、これが理解を深めると威力が上がるという話に繋がるのかな?魔石を回収し次の獲物に向かう。
今日はもう一つ、刀の性能チェックもしなければならない。自動修復はいいとして、飛ぶ斬撃の効果を確認しよう。またまた頭突きラビットに接敵、距離は20メートル程離れている。こちらから接近し、5メートルの距離まで近付いて袈裟斬り。しかし、斬撃は飛んで行かない。頭突きをして来るところを躱して首をはねる。魔石とお肉を残して消えていった。
周りを確認して誰もいない所に向かって素振りをする。斬撃が飛ぶように強く思うことで発動するようだ。威力と射程距離の確認を実践で確かめよう。人がいる所では今のところ使用しないほうが良いようにも思う。間違って斬ってしまったら洒落にならない。
正輝の位置を確認しながら人が周りにいないラビットに向かって飛ぶ斬撃を放つ。楽しくなってきた。刀を振る威力で飛ぶ斬撃の威力も決まるようだ。5メートル以内にいれば一撃で倒せる。10メートル程が射程だろうか、倒し切るまでいかない事もあるがダメージは与えられる。かなり有効な攻撃を手に入れたようだ。
階段で一度正輝と合流する。
「なあ正輝、魔法の発動に詠唱は必ず必要なのか?」
「まさかお前、中二病的な詠唱をしているのか?」
「そうそう、『火の精霊よ、我の魔力を使い…』って、違うわ!『ファイヤーボール』って言うやつだよ!」
「ああ、分かってた」
「……………」
「慣れて来ると言葉にしなくても発動するが、パーティ戦だと言った方が良いぞ。周りに何をしているのか分からせないとな。それに人が見える範囲でも同じだな、何も言わないと怖いだろう」
「じゃあ声は常に出した方が良いな。ありがとう」
「使っていれば技も増えていくし威力も上がる、がんばれよ」
二階層から五階層まで魔法と飛ぶ斬撃の練習を常にしながら魔物を倒す。楽しくてしょうがない。六階層の転移の柱で正輝が登録する。
「少し人が増えたようだな」
「六階層に転移する人が多いんじゃないかな。このダンジョンは本当に人気があるからね。八階層からのウルフ系が出てくる所まで行けば人は少なくなるから」
僕が練習のために時間を使いすぎたようだ。魔法と飛ぶ斬撃の攻撃はお休みにして八階層を目指していこう。
六階層からは近接戦闘で倒していく。前の刀よりも間違いなく切れ味も良くなってる。流石に三十倍の価格の違いがあるわけだ。
魔石と肉と毛皮と角を手に入れながら八階層に到着した。
「ここから十五階層まではウルフ系のエリアだ。群れて出てくるからその分稼ぎが凄い。色によっての買取り金額の差は無いけど、角が有るか無いかで多少値段が変わる。角がドロップしたら大きいぞ」
「ホーンラビットも角をドロップしてたけど何に使うんだ」
「薬に使われるらしいよ。魔力が込められているから良いんだって。ラビットで一万円、ウルフで一万五千円だったはずだ」
正輝がやる気になっている。ここからは魔法と飛ぶ斬撃の解放だ。まあ周りはよく見て行動するけどね。
正輝も派手にやっているが、こちらも負けていられない。ウルフを見つけて突っ込んで行く。
ちょっと調子に乗りすぎたようだ。途中で気持ちが悪くなって魔力ポーションのお世話になった。途中の階段で正輝に聞いてみる。
「魔力って増えていくものなのか?」
「魔力枯渇になったのか?」
「少し気持ちが悪くなってポーションを飲んだよ」
「早めにポーションは飲むようにしろよ。もしも完全に魔力がなくなって動けなくなったら危険だからな。魔力は増えていくと思うよ。俺は最初のころに比べるとかなり弾数が増えたから、間違いない。ただ効率的な増やし方となると分からないな。異世界もののラノベのように魔力枯渇を繰り返した方が増えるとか言う奴もいるけど本当かどうかは分からない。まあ、今のままでも十分だしな」
先輩の話はためになるね。さあ攻略を続けよう。
正輝は僕と違って本物のAランカーだからね。流石に【風林火山】、ウルフの討伐スピードがハンパない。僕も負けないように魔法と飛ぶ斬撃を取り入れながら最適解を見つけるように努力する。あっという間に十六階層に到着した。
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