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??? ~リナス、終わりの始まり~ 俯瞰視点
「………………なんだと。それは事実なのか?」
とある場所。機能的かつシンプルにまとめられた部屋、そこの最奥にある大きなデスク。そこに座っていた大男の表情が、一変。自身のもとへと届いた報告を聞くや、鋭さを持つようになりました。
「相手が相手、事が事だ。誤情報に翻弄されていたら、大問題に発展するものだぞ。確かな情報なんだな?」
「ええ、間違いございませんよ。なにせ――」
目の前の男より一回りほど体が小さく、へらへらとした軽い印象を抱く長髪の男。しかしながら彼の瞳には『冷静』と『聡明』の色があり、必要な情報を的確にまとめて伝えました。
「以上の点から、このように判断いたしました。……この件に関し、あちら側に嘘を吐くメリットは何もありません。そういうこと、なのでしょうね」
「……うむ、そのようだな。そちらヨリはマシ――。マイナス100になる可能性とマイナス200になる可能性を比べた結果、ということらしいな」
大男は頷き、大きく息を吐いて肩を竦めます。そうして呆れをたっぷりと表した後は、静かに立ち上がりました。
「とはいえ、ソレだけではどうにもならん。俺は4人連れて、あの御方――もう、敬意を払う存在ではなかったな。アレのもとに行き、詰めの作業を行っておく」
「了解しました。では、新たなご指示を。僕はどのように動けばよいのでしょうか?」
「お前は、あちらの情報収集を任せる。円滑に進めるためには、そっちの情報も必要だからな」
「今一度、了解しました。そちらはお任せください」
「ああ、任せたぞ。…………それにしても――。完璧な工作が、こんな形で露見してしまうとはな。過ぎたるは尚、そいつは本当だったのだな」
大柄な男性と、目の前にいるもう一人の男性。2人は揃って微苦笑を浮かべ、揃って部屋をあとにしたのでした――。
ケヴィンの暴走により発生した窮地を、最小限のダメージで切り抜けたリナス。ですが、呑気に笑っていられるのもあと数時間。
今日――ケヴィンと別れた日から、1か月後。安心しきっていたリナスを、予期せぬ事態が襲うのでした――。
とある場所。機能的かつシンプルにまとめられた部屋、そこの最奥にある大きなデスク。そこに座っていた大男の表情が、一変。自身のもとへと届いた報告を聞くや、鋭さを持つようになりました。
「相手が相手、事が事だ。誤情報に翻弄されていたら、大問題に発展するものだぞ。確かな情報なんだな?」
「ええ、間違いございませんよ。なにせ――」
目の前の男より一回りほど体が小さく、へらへらとした軽い印象を抱く長髪の男。しかしながら彼の瞳には『冷静』と『聡明』の色があり、必要な情報を的確にまとめて伝えました。
「以上の点から、このように判断いたしました。……この件に関し、あちら側に嘘を吐くメリットは何もありません。そういうこと、なのでしょうね」
「……うむ、そのようだな。そちらヨリはマシ――。マイナス100になる可能性とマイナス200になる可能性を比べた結果、ということらしいな」
大男は頷き、大きく息を吐いて肩を竦めます。そうして呆れをたっぷりと表した後は、静かに立ち上がりました。
「とはいえ、ソレだけではどうにもならん。俺は4人連れて、あの御方――もう、敬意を払う存在ではなかったな。アレのもとに行き、詰めの作業を行っておく」
「了解しました。では、新たなご指示を。僕はどのように動けばよいのでしょうか?」
「お前は、あちらの情報収集を任せる。円滑に進めるためには、そっちの情報も必要だからな」
「今一度、了解しました。そちらはお任せください」
「ああ、任せたぞ。…………それにしても――。完璧な工作が、こんな形で露見してしまうとはな。過ぎたるは尚、そいつは本当だったのだな」
大柄な男性と、目の前にいるもう一人の男性。2人は揃って微苦笑を浮かべ、揃って部屋をあとにしたのでした――。
ケヴィンの暴走により発生した窮地を、最小限のダメージで切り抜けたリナス。ですが、呑気に笑っていられるのもあと数時間。
今日――ケヴィンと別れた日から、1か月後。安心しきっていたリナスを、予期せぬ事態が襲うのでした――。
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