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第3話 作戦開始。そして ジュリア&俯瞰視点(3)
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「お姉様、お疲れ様です。これから全身に浸透してゆきますので、そのまま3~4時間ほどベッドでお休みください」
「え、ええ……。そう、するわね……。…………と、ところで、エマ……。1回で治る可能性は……」
「残念ながら、性質上あり得ませんね。最低でも10回は必要で、場合によってはあと3~4回追加する必要があるかもしれません」
ふらふらしながら容器を返していたら、即答された。
そう、よね……。1度で治る薬なんて、聞いたことがないものね……。
((わたしは『治らない』と言わないといけないから、最低でも4回追加の計14回飲まないといけない。………………))
無理! そんなの無理だわっっ!!
だって1回飲んだだけで、コレなんですもの!! 味覚と嗅覚が生ゴミに支配されてしまって、全身の毛穴から吐瀉物が出そうになってるんだもの!! あり得ないことが人体に起きそうなくらいにダメージを受けているんだもの!!
((そんなのを2週間も続けたら、死んでしまう……! 死ななかった場合でも、精神が崩壊してしまうわ……!!))
だから、あの作戦は撤回する! 最低数の10回飲んだ時点で回復したと宣言して、仮病はやめる!
だって、プラス4回は大きすぎる……。4は『たった』のはずなのに、全然『たった』ではなくって……。あまりにも危険な、数字なんだもの……。
((ダラダラできなくなるし、扱き使えなくなる。それは嫌だけど、死んだり精神が崩壊したりするよりはマシ……!))
なので涙を呑んで諦め、作戦を変えて10回耐えるようにした。
「お姉様? 大丈夫ですか?」
「……ええ、大丈夫よ。……じゃあわたしは、少し休むわね。おやすみなさい……」
少しでも早く、生ゴミの汚染から逃れたい。そこで大急ぎでベッドに入って目を閉じ、自分を励ました後、眠りの世界へと逃げたのでした――。
((あと9回なら、なんとか耐えられるはず。……仮病だとバレたら、大変なことになるから……。頑張りましょう、わたし……‼))
〇〇
そうして眠りについたジュリアでしたが――彼女は眠っているが故に、気付きませんでした。
デスクの中にある、ペン。お気に入りの筆記用具に、たった今、不自然なヒビが入ってしまったことに――。
「え、ええ……。そう、するわね……。…………と、ところで、エマ……。1回で治る可能性は……」
「残念ながら、性質上あり得ませんね。最低でも10回は必要で、場合によってはあと3~4回追加する必要があるかもしれません」
ふらふらしながら容器を返していたら、即答された。
そう、よね……。1度で治る薬なんて、聞いたことがないものね……。
((わたしは『治らない』と言わないといけないから、最低でも4回追加の計14回飲まないといけない。………………))
無理! そんなの無理だわっっ!!
だって1回飲んだだけで、コレなんですもの!! 味覚と嗅覚が生ゴミに支配されてしまって、全身の毛穴から吐瀉物が出そうになってるんだもの!! あり得ないことが人体に起きそうなくらいにダメージを受けているんだもの!!
((そんなのを2週間も続けたら、死んでしまう……! 死ななかった場合でも、精神が崩壊してしまうわ……!!))
だから、あの作戦は撤回する! 最低数の10回飲んだ時点で回復したと宣言して、仮病はやめる!
だって、プラス4回は大きすぎる……。4は『たった』のはずなのに、全然『たった』ではなくって……。あまりにも危険な、数字なんだもの……。
((ダラダラできなくなるし、扱き使えなくなる。それは嫌だけど、死んだり精神が崩壊したりするよりはマシ……!))
なので涙を呑んで諦め、作戦を変えて10回耐えるようにした。
「お姉様? 大丈夫ですか?」
「……ええ、大丈夫よ。……じゃあわたしは、少し休むわね。おやすみなさい……」
少しでも早く、生ゴミの汚染から逃れたい。そこで大急ぎでベッドに入って目を閉じ、自分を励ました後、眠りの世界へと逃げたのでした――。
((あと9回なら、なんとか耐えられるはず。……仮病だとバレたら、大変なことになるから……。頑張りましょう、わたし……‼))
〇〇
そうして眠りについたジュリアでしたが――彼女は眠っているが故に、気付きませんでした。
デスクの中にある、ペン。お気に入りの筆記用具に、たった今、不自然なヒビが入ってしまったことに――。
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