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第7話 こちらが理由です~予定通りと小さな予想外~ マリー視点(1)
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「あの噂を広めていた元凶は、ロドルフ様しかできない勘違いをしてしまっていました。ですので私は即座に、確信を抱いていたのですよ」
該当する人物は、一名のみ。それがここまで早く特定できた理由。
「私の悪評を広めて得をする人は、多数いると思います。けれど大きなミスを犯してしまっていたため、簡単に絞り込めたのですよ」
「……………………」
「ロドルフ様。こちらが、貴方様が知りたがっていた証拠でございます。ご理解いただけましたでしょうか?」
「……………………。ああ、ああ、理解できたさ。だが違う!! 俺は犯人なんかじゃないっっ!!」
唇や肩を、無言で震わせていたロドルフ様。彼は3度頷き、すぐに大きく大きく首を左右に振った。
「ロドルフ!! 見苦しい真似はよさないか!!」
「ちがうっ、それも違います!! 俺としか思えない状況ですがっ、俺ではありません! 濡れ衣ですっ!! だっ、だから!! 時間をください!! どうにかしてっ、真犯人を突き止めますので!!」
ここで認めてしまったら、廃嫡が確定してしまう。きっとそんな理由で、決死の否定を始めた。
「2日っ、いや1日っ! 時間をもらえれば真犯人を見つけ――見つけられなくてもっ、それらしき痕跡くらいは手に入るはずっ!! 父上お願い致します!! 俺に時間を与えてくださいっ!!」
「…………貴様は…………。この段階に至っても、素直に認めることができんのだな……‼」
「誤認誤解を認めることなんてできませんよ!! どこかに同じような勘違いをできる人間がいるかもしれないじゃないですかっ!! いやっ、かもではなくっ、いるのですよ!! でぇだから!! 探すに行くのですよ!!」
滅茶苦茶な言い分と、焦りで綺麗に回らなくなっている舌。何も知らない人がここだけを見たとしても、必死な言い訳だと分かるのでしょうね。
「1日だけっ、お時間をください!! そうすれば必ずや何かしらをお見せできますからっっ!! 父上っ! どうかっ、どうかお願いします!!」
「馬鹿者! 許可を出せるはずがないだろう!! お前は――」
「父上。兄上がそこまで言うのですから、本当に真犯人がいるのかもしれません。1日で必ず見つけられると断言していますし、許可を出すべきだと僕は思いますよ」
失礼致します――。無礼をお許しください――。そんなお声と共に扉が開き、落ち着いた雰囲気を持つ男性が現れた。
腰まで伸びた銀髪を後ろで緩く束ねた、大人びた容姿を持つ綺麗な人。この方は、アーロン・ニザック様。ニザック侯爵家の次男、ロドルフ様の弟様です。
該当する人物は、一名のみ。それがここまで早く特定できた理由。
「私の悪評を広めて得をする人は、多数いると思います。けれど大きなミスを犯してしまっていたため、簡単に絞り込めたのですよ」
「……………………」
「ロドルフ様。こちらが、貴方様が知りたがっていた証拠でございます。ご理解いただけましたでしょうか?」
「……………………。ああ、ああ、理解できたさ。だが違う!! 俺は犯人なんかじゃないっっ!!」
唇や肩を、無言で震わせていたロドルフ様。彼は3度頷き、すぐに大きく大きく首を左右に振った。
「ロドルフ!! 見苦しい真似はよさないか!!」
「ちがうっ、それも違います!! 俺としか思えない状況ですがっ、俺ではありません! 濡れ衣ですっ!! だっ、だから!! 時間をください!! どうにかしてっ、真犯人を突き止めますので!!」
ここで認めてしまったら、廃嫡が確定してしまう。きっとそんな理由で、決死の否定を始めた。
「2日っ、いや1日っ! 時間をもらえれば真犯人を見つけ――見つけられなくてもっ、それらしき痕跡くらいは手に入るはずっ!! 父上お願い致します!! 俺に時間を与えてくださいっ!!」
「…………貴様は…………。この段階に至っても、素直に認めることができんのだな……‼」
「誤認誤解を認めることなんてできませんよ!! どこかに同じような勘違いをできる人間がいるかもしれないじゃないですかっ!! いやっ、かもではなくっ、いるのですよ!! でぇだから!! 探すに行くのですよ!!」
滅茶苦茶な言い分と、焦りで綺麗に回らなくなっている舌。何も知らない人がここだけを見たとしても、必死な言い訳だと分かるのでしょうね。
「1日だけっ、お時間をください!! そうすれば必ずや何かしらをお見せできますからっっ!! 父上っ! どうかっ、どうかお願いします!!」
「馬鹿者! 許可を出せるはずがないだろう!! お前は――」
「父上。兄上がそこまで言うのですから、本当に真犯人がいるのかもしれません。1日で必ず見つけられると断言していますし、許可を出すべきだと僕は思いますよ」
失礼致します――。無礼をお許しください――。そんなお声と共に扉が開き、落ち着いた雰囲気を持つ男性が現れた。
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