愛さえあれば他には何も要らない? 貴方の新しい婚約者は、そう思ってはいないみたいですよ?

柚木ゆず

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第14話 再会と再会 俯瞰視点(2)

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「あ、あれは……。あそこに、いるのは……」
「…………オデット……」

 掴み合いをしていた2人が、急に大人しくなってしまった理由。それは、対岸に見覚えがある人がいたから。
 十数人もの護衛に囲まれた、男性と女性。そのあまりにも場違いな光景が気になってしまい、二人揃って注視してみると…………そこに居た女性は、あのオデットだったのです。

「ど、どうしてあんなにも護衛を引き連れているんだ……!?」
「それに……っ。どうして、あんなにも綺麗になってるの……!?」

 何十メートルも離れていても、感じることの出来る存在感。あの頃にあった『可愛さ』『可憐さ』は『美しさ』へと姿を変えていて、気品に満ちた顔が作る高貴な微笑み。キラキラと輝いていると感じる、数ランク上の貴族然とした雰囲気。
 それを目の当たりにした2人は、仲良くポカンと口を開けてしまいます。

「な、なにが起きているの……? なんであんな風になってるの……?」
「わ、分からない……。何がどうなっている――ぁ、ぁぁ……! ぁぁぁぁぁ……!!」

 戸惑っていたジルは更に戸惑い始め、オデットの横を震える指でさしました。
 その先にいるのは、男性。彼の名前は、ロジェ・エワテリア。この国で侯爵の爵位を持つ、有力貴族だったのです。

「分かった……。分かったぞ……。オデットは、あの御方と結婚したんだ……。毎日が幸せだから、あんな風に輝いて見えるんだ……」
「そ、そんな……。あのエワテリア家の人間と、結婚していただなんて……」

『わたくしが集めていた情報によると、リッカズス家は財力がS。周辺ではエワテリア家やローニック家、ニッドエル家に次ぐ財を持つ家。伯爵家や侯爵家の中では――わたくしが手を出せそうな安易では4番手につけているお金持ちで、おまけに即侯爵夫人となれてしまう点』。

 かつてリリアンが口にしていた、財の序列。その中でトップに君臨していたのが、彼ロジェ・エワテリアだったのです。

「………………」
「………………」

「………………」
「………………」

 自分達はこんな風になっているのに、あちらはあんな風になっていただなんて。そのショックによって2人は固まってしまい、そうして立ち尽くしていると――2人は更に、ショックを受けてしまう光景を目撃することになりました。

 仲良く微笑み合っていた、ロジェ。彼は懐から、小さなケースを取り出して――

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