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第4話 ルイーズ&俯瞰視点(2)
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「5……。そんな金は……。ないぞ……」
「わ、わたくしも……。ですわ……」
必ず5億ルピオスを支払わないといけない。それを理解したお二人は、揃って頭を抱えました。
イザック様のリトラン家は、借金の姿が気になって仕方がない伯爵家。マイリス様のタユレス家は、地位財力共に平均的な男爵家に近い子爵家。そのためお家の財をかき集めても、その額には到達しません。
「む、無理……。無理だ……。どうすれば、いいんだ……!?」
「家具や絵を売っても、用意できませんわ……。どうすれば、いいんですの……!?」
「イザック様、リトラン様。簡単なことですよ。貴方がたにお金はなくとも、お体があるではありませんか」
この状況下でのこの台詞は、下品な意味に捉えられてしまう場合がありますので。そういう意味ではありませんと補足を行い、続けます。
「お体があれば、労働ができますよ。リトラン家の皆様とタユレス家の皆様で必死になって働けば、いずれは用意できますよ」
南部にある『サテルス鉱山』は過酷な職場ではありますが、そうであるが故に多くの賃金を得られます。リトラン家は3人、タユレス家も3人。合計6人もの働き手がいますから、10億ルピオスは充分到達できる額です。
「ば、バカを言え……!! 肉体労働で5億だと……!? 滅茶苦茶だ!!」
「一家総出で行っても、何十年もかかりますわ!! それをやれと言うんですの!?」
「端的に言えば、そのようになります。ですがそれは、仕方のないこと。自らが蒔かれた種なのですからね」
努力ではなく他力で、大金を手に入れようとした。楽に入手しようと悪行に手を染めたから、そうなってしまったのです。
「その過程では、色々な困難があると思いますが――。イザック様、タユレス様。支払いをよろしくお願い致します」
「い、いやだ……。いやだ……。た、頼む……!! 罪は、収監にしてくれ……!!」
「お願い致します……っ。連行をっ! 連行をしてくださいまし……!!」
「残念ですが、そのご要望には応じられません。法に則り、毎年少なくとも全額の5パーセントのお支払いをお願い致しますね」
お二人へとお辞儀を行い、これでお仕舞い――ではありません。大事なことが残っておりますので、
「イザック様。こういったことを企まれている方と縁を持ち続けるほど、私は酔狂ではございませんので。貴方様との婚約は、この瞬間を以て破棄させていただきます」
はっきりと、こう告げたのでした。
〇〇
こうして金に目が眩んだ者達は自身がお金を用意しなければならなくなり、ですが――。どうやらそんな彼らは、なにやら考えていることがあるようです。
それは一体、なんなのでしょうか……?
「わ、わたくしも……。ですわ……」
必ず5億ルピオスを支払わないといけない。それを理解したお二人は、揃って頭を抱えました。
イザック様のリトラン家は、借金の姿が気になって仕方がない伯爵家。マイリス様のタユレス家は、地位財力共に平均的な男爵家に近い子爵家。そのためお家の財をかき集めても、その額には到達しません。
「む、無理……。無理だ……。どうすれば、いいんだ……!?」
「家具や絵を売っても、用意できませんわ……。どうすれば、いいんですの……!?」
「イザック様、リトラン様。簡単なことですよ。貴方がたにお金はなくとも、お体があるではありませんか」
この状況下でのこの台詞は、下品な意味に捉えられてしまう場合がありますので。そういう意味ではありませんと補足を行い、続けます。
「お体があれば、労働ができますよ。リトラン家の皆様とタユレス家の皆様で必死になって働けば、いずれは用意できますよ」
南部にある『サテルス鉱山』は過酷な職場ではありますが、そうであるが故に多くの賃金を得られます。リトラン家は3人、タユレス家も3人。合計6人もの働き手がいますから、10億ルピオスは充分到達できる額です。
「ば、バカを言え……!! 肉体労働で5億だと……!? 滅茶苦茶だ!!」
「一家総出で行っても、何十年もかかりますわ!! それをやれと言うんですの!?」
「端的に言えば、そのようになります。ですがそれは、仕方のないこと。自らが蒔かれた種なのですからね」
努力ではなく他力で、大金を手に入れようとした。楽に入手しようと悪行に手を染めたから、そうなってしまったのです。
「その過程では、色々な困難があると思いますが――。イザック様、タユレス様。支払いをよろしくお願い致します」
「い、いやだ……。いやだ……。た、頼む……!! 罪は、収監にしてくれ……!!」
「お願い致します……っ。連行をっ! 連行をしてくださいまし……!!」
「残念ですが、そのご要望には応じられません。法に則り、毎年少なくとも全額の5パーセントのお支払いをお願い致しますね」
お二人へとお辞儀を行い、これでお仕舞い――ではありません。大事なことが残っておりますので、
「イザック様。こういったことを企まれている方と縁を持ち続けるほど、私は酔狂ではございませんので。貴方様との婚約は、この瞬間を以て破棄させていただきます」
はっきりと、こう告げたのでした。
〇〇
こうして金に目が眩んだ者達は自身がお金を用意しなければならなくなり、ですが――。どうやらそんな彼らは、なにやら考えていることがあるようです。
それは一体、なんなのでしょうか……?
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