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第3話 真意 アネッサ視点
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「アネッサ。ちょっといい?」
当分、会話もしたくない人間がやって来た。
無視したかったけれど、そうしたらお父様達がうるさく言ってくる可能性がある。だから付き合ってあげることにしたら――案の定。わたくしは後悔する羽目になるのだった。
「…………あのねアネッサ、気付いて欲しいの。これだけではなくて、ずっと前から。自分勝手な振る舞いをしていると」
あの人がココにやって来たのは、しょうもない説教をするため。
「自分が『欲しい』『やりたい』と思ったら、すぐに行動に移す。それって、相手の気持ちや都合を考えていないよね? 貴方がそうであるように、他の人だって生きているの。もう少し相手の立場になって考えれるようになって欲しいのよ」
は?
他の人間だって生きている?
それがどうしたんですの?
わたくしだって今まさに、一度しかない人生を歩んでいるんですのよ? 後悔しないようにしているのが、何が悪いんですの?
「そうじゃないとね、貴方はいずれ居場所をなくしてしまう。何もかにも失う羽目になってしまうのよ」
親族が五月蠅い? そんなの放っておけばいいでしょう?
放っておけない? だったら恐怖を植え付けて抑えつければいいでしょう?
言うことを聞かないヤツには力ずく。痛い目に遭わせておけば大人しくなるのだから、さっさとやればいいんですのよ。
十数年しか生きていないわたくしがポンと最適解を出せるというのに、はぁ。お父様もお母様も本当にお間抜けで、本当に腹が立ちますわ。
((でも))
それ以上に腹が立つ言葉が、その直後にやって来た。
「貴方が最近もっとも不愉快になる原因を間接的に作っているわたしから言われて、余計に不愉快になっていると思うわ。それでもね、もうあとがないから分かって欲しかったの」
不愉快? 当たり前でしょう!!
アンタさえいなければわたくしがジルアール様と婚約できていたのだから!!
「わたしにとって――お父様もお母様も、使用人達だって、みんなアネッサが好き。少しでも多くの幸せを感じられる人生を歩んで欲しいと思っているの。……まずはじっくり、自分の過去の行動を見つめ直してみて欲しい」
好き!? 幸せを感じられる人生を歩んで欲しい!?
ふざけるな!!
だったら言うことを聞きなさいよ!!
((……腹が立つ。腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ。許せない許せない許せない許せない許さない!!))
ふざけた発言のオンパレードだったから、あっという間だった。苛立ちは激しい怒りへと姿を変え、激しい怒りは殺意へと変貌した。
((よく考えたら、エヴァネアが居なくなれば何もかも上手くいくんですわ))
そう気が付いたら即座に実行したくなって、そうできるアイディアもパッと浮かんできた。とはいえいくら自然な形で仕留められると言っても、このタイミングだと怪しまれかねない。
そこでしばらく寝かせ、適切なタイミングで実行しようとしたのだけれど――
((……駄目……。抑えきれませんわ……!!))
――従っているフリが激しいストレスを生んで、居ても経ってもいられなくなってしまった。だから、決行する。
「お部屋に忘れ物をしてしまいました。すぐ取ってまいりますっ」
まずは、階段の手前で立ち止まらせる。
「お姉様、お待たせいたしましたっ」
次にこちらに振り向かせ、階段に背を向けるようにする。
「そういうわけにはいきませんわっ。少しでもっ、待っていただく時間を減らさないと――きゃあ!?」
最後にハプニングに見せかけて、真後ろに倒れるようにして突き落とす。
こうすることで後頭部を強く打って死ぬようになる――のだけど、チッ。運悪く死にはしなかった。
((続けて仕掛けたら流石に怪しまれてしまう。とはいえ、いつまでも猫を被っていたらストレスで死んでしまう。できるだけ早く、次の手を打たないといけませんわね……!!))
当分、会話もしたくない人間がやって来た。
無視したかったけれど、そうしたらお父様達がうるさく言ってくる可能性がある。だから付き合ってあげることにしたら――案の定。わたくしは後悔する羽目になるのだった。
「…………あのねアネッサ、気付いて欲しいの。これだけではなくて、ずっと前から。自分勝手な振る舞いをしていると」
あの人がココにやって来たのは、しょうもない説教をするため。
「自分が『欲しい』『やりたい』と思ったら、すぐに行動に移す。それって、相手の気持ちや都合を考えていないよね? 貴方がそうであるように、他の人だって生きているの。もう少し相手の立場になって考えれるようになって欲しいのよ」
は?
他の人間だって生きている?
それがどうしたんですの?
わたくしだって今まさに、一度しかない人生を歩んでいるんですのよ? 後悔しないようにしているのが、何が悪いんですの?
「そうじゃないとね、貴方はいずれ居場所をなくしてしまう。何もかにも失う羽目になってしまうのよ」
親族が五月蠅い? そんなの放っておけばいいでしょう?
放っておけない? だったら恐怖を植え付けて抑えつければいいでしょう?
言うことを聞かないヤツには力ずく。痛い目に遭わせておけば大人しくなるのだから、さっさとやればいいんですのよ。
十数年しか生きていないわたくしがポンと最適解を出せるというのに、はぁ。お父様もお母様も本当にお間抜けで、本当に腹が立ちますわ。
((でも))
それ以上に腹が立つ言葉が、その直後にやって来た。
「貴方が最近もっとも不愉快になる原因を間接的に作っているわたしから言われて、余計に不愉快になっていると思うわ。それでもね、もうあとがないから分かって欲しかったの」
不愉快? 当たり前でしょう!!
アンタさえいなければわたくしがジルアール様と婚約できていたのだから!!
「わたしにとって――お父様もお母様も、使用人達だって、みんなアネッサが好き。少しでも多くの幸せを感じられる人生を歩んで欲しいと思っているの。……まずはじっくり、自分の過去の行動を見つめ直してみて欲しい」
好き!? 幸せを感じられる人生を歩んで欲しい!?
ふざけるな!!
だったら言うことを聞きなさいよ!!
((……腹が立つ。腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ。許せない許せない許せない許せない許さない!!))
ふざけた発言のオンパレードだったから、あっという間だった。苛立ちは激しい怒りへと姿を変え、激しい怒りは殺意へと変貌した。
((よく考えたら、エヴァネアが居なくなれば何もかも上手くいくんですわ))
そう気が付いたら即座に実行したくなって、そうできるアイディアもパッと浮かんできた。とはいえいくら自然な形で仕留められると言っても、このタイミングだと怪しまれかねない。
そこでしばらく寝かせ、適切なタイミングで実行しようとしたのだけれど――
((……駄目……。抑えきれませんわ……!!))
――従っているフリが激しいストレスを生んで、居ても経ってもいられなくなってしまった。だから、決行する。
「お部屋に忘れ物をしてしまいました。すぐ取ってまいりますっ」
まずは、階段の手前で立ち止まらせる。
「お姉様、お待たせいたしましたっ」
次にこちらに振り向かせ、階段に背を向けるようにする。
「そういうわけにはいきませんわっ。少しでもっ、待っていただく時間を減らさないと――きゃあ!?」
最後にハプニングに見せかけて、真後ろに倒れるようにして突き落とす。
こうすることで後頭部を強く打って死ぬようになる――のだけど、チッ。運悪く死にはしなかった。
((続けて仕掛けたら流石に怪しまれてしまう。とはいえ、いつまでも猫を被っていたらストレスで死んでしまう。できるだけ早く、次の手を打たないといけませんわね……!!))
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