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第9話 おかしなことだらけ~追撃と~ クレア視点(1)
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「手を繋ぎキスをした位置の、不自然さ。ここもかなり違和感があるけれど、まあどうにか納得はできる。けれどそちらは、どうやっても納得できない。やはり全てが、嘘だったようだね?」
「ちっ、違っております!! こっ、こちらはっ!! 勘違いでございます!!」
「勘違い? 何が勘違いなんだい?」
「見間違えておりました!! カップの模様はユリではなくコスモスでした!! ユリとコスモスは非常に似ておりまして!! わたしは花には疎い故にっ、コスモスとユリの違いが分からず大きな間違いをして――なっ、なぜ笑うのですか!? 治安局の方もっ! なぜ笑うのですが!?」
それは、ファビオ様の言い分が支離滅裂だから。
追い詰められていること、治安局員がいらっしゃること、即答しなければならないこと。それによって、同じ台詞の中で矛盾を生んでしまったから。
「ユリとコスモスは似ていると言っているのに、花に疎くてコスモスとユリの違いが分からないなんて。面白いね、君は」
「ぁ!! ぁっ!! ぁぁっ!!」
「うん、適当に言ったのだと瞭然だ。昨日クレアと時間を共にしていないことは、よく分かったよ」
『『『『『我々も、そう確信いたしました』』』』』
調子に乗って沢山語ってくれたので、一気に沢山の嘘が生まれた。そのため治安局員の方々も、そのように断言された。
「ということは、浮気も嘘になる。クレアと君が交際した事実はなく、彼女の主張通り敷地に立ち入ったさえもないようだね」
「ちっ、違いますわ!! わたくしは確かにっ、目にしましたの!! 昨日この場所でキスを交わしてお屋敷に入っていく2人を見ましたの!!」
「はっ、はい!! 確かにキスをして入りました!!」
このまま進んでしまうと、作戦は頓挫してしまう。だから2人は必死になり、大きな声を張り上げた。
「オレは――わたくしはクレア様と浮気をしていました!! しているんです!! 秘密裏に時間を共有しておりました!! 後ろめたいことを、行ってしまっていたのです!!」
「へぇ」
「半月前にクレア様にご提案をいただきっ!! 気持ちが揺らいでしまって!! 関係をっ、持ってしまったのですっっ!! 一線こそ超えてはおりませんがぁ!! 様々なことを行ってきたのです!!」
「…………なるほど。ところでファビオ様」
「はっ、はい!! 何でございましょうっ!?」
我武者羅に口を動かしていたファビオ様は、前のめりになって返事を行う。そうして是が非でも認めさせようとしていた彼に、とある言葉が――更に状況を大きく悪化させてしまう言葉が、かけられることになるのでした。
「ちっ、違っております!! こっ、こちらはっ!! 勘違いでございます!!」
「勘違い? 何が勘違いなんだい?」
「見間違えておりました!! カップの模様はユリではなくコスモスでした!! ユリとコスモスは非常に似ておりまして!! わたしは花には疎い故にっ、コスモスとユリの違いが分からず大きな間違いをして――なっ、なぜ笑うのですか!? 治安局の方もっ! なぜ笑うのですが!?」
それは、ファビオ様の言い分が支離滅裂だから。
追い詰められていること、治安局員がいらっしゃること、即答しなければならないこと。それによって、同じ台詞の中で矛盾を生んでしまったから。
「ユリとコスモスは似ていると言っているのに、花に疎くてコスモスとユリの違いが分からないなんて。面白いね、君は」
「ぁ!! ぁっ!! ぁぁっ!!」
「うん、適当に言ったのだと瞭然だ。昨日クレアと時間を共にしていないことは、よく分かったよ」
『『『『『我々も、そう確信いたしました』』』』』
調子に乗って沢山語ってくれたので、一気に沢山の嘘が生まれた。そのため治安局員の方々も、そのように断言された。
「ということは、浮気も嘘になる。クレアと君が交際した事実はなく、彼女の主張通り敷地に立ち入ったさえもないようだね」
「ちっ、違いますわ!! わたくしは確かにっ、目にしましたの!! 昨日この場所でキスを交わしてお屋敷に入っていく2人を見ましたの!!」
「はっ、はい!! 確かにキスをして入りました!!」
このまま進んでしまうと、作戦は頓挫してしまう。だから2人は必死になり、大きな声を張り上げた。
「オレは――わたくしはクレア様と浮気をしていました!! しているんです!! 秘密裏に時間を共有しておりました!! 後ろめたいことを、行ってしまっていたのです!!」
「へぇ」
「半月前にクレア様にご提案をいただきっ!! 気持ちが揺らいでしまって!! 関係をっ、持ってしまったのですっっ!! 一線こそ超えてはおりませんがぁ!! 様々なことを行ってきたのです!!」
「…………なるほど。ところでファビオ様」
「はっ、はい!! 何でございましょうっ!?」
我武者羅に口を動かしていたファビオ様は、前のめりになって返事を行う。そうして是が非でも認めさせようとしていた彼に、とある言葉が――更に状況を大きく悪化させてしまう言葉が、かけられることになるのでした。
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