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第3話 わたしは怒っている アルマ視点(3)

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「そっ、そんな!? たっ、確かに弱かったがちゃんとやったんだよ! も、もういいじゃないかっ!」
「駄目です。……あんな弱弱しいものは、やったに値しませんよ」

 あんなことが起きる前のわたしだったらここでお仕舞にするし、そもそもこんなことをやれと言わない。でも今のわたしは、この人達には一切遠慮しない。
 だから、認めない。

「殿下はその手で行ったのですから、加減が分かりますよね? 陛下や妃殿下や第二第三王子殿下、神殿長様やその他の皆様は、嗤いながら間近で見ていたので分かりますよね? その通りに行ってください」
「あっ、アルマっ。待ってくれ! あんなことをされると、いっ、痛いんだ! 頼むっ、許してくれっ!」
「ええ、分かっていますよ。マイユールとお父様の表情や音を見て聞いていますし、この手で治療をしているのでよく分かっています。……ですから、やってください、と申し上げているんですよ」

 あんな理由であんな真似をする。それを咎めない。それどころか楽しげに眺める。
 そんなの王族や聖職者以前に、人としてやってはならないこと。
 自分達がどれほどの悪行を働いたのかを、しっかりと理解させる。

「殿下、皆様。お願いします」
「……………………」
「殿下、皆様。お願いします」
「……………………わっ、分かったっ。やるっ、やるよっ!」

 これに関してもようやく、食い下がっても意味はないと感じたみたい。やっと殿下達は向き直り、目の前にいる相手に対して平手打ちを放った。

 ぱちん!
 ぱちん!
 ぱちん!

 でも――はぁ。ひとには平気でやるくせに、自分がやられるのは嫌。
 釘を刺したのにもかかわらず、威力はせいぜい3分の2程度しかなかった。

「アルマっ、やったっ、ちゃんとやったよ! これでいいよね!?」
「いいはずがありませんよね? 殿下、皆様も、わたしは『同じ力で』という条件をつけています。……あの時と同じ力加減で3回叩き合わない限り、いつまでも続けてもらいますよ」

 と睨みつけたら、やっと――。今度こそ、ちゃんした平手打ちが出るようになった。

 バチン!「ぎゃあ!?」
 バチン!「ぐあぁ!?」
 バチン!「いたいぃぃ!!」

 全員が大騒ぎをしながら3回の平手打ちを受け、全員が頬を押さえながら『終わった』『もういいですよねっ?』を繰り返し始めた。

「アルマっ。こっ、これで終わりだよねっ?」
「はい、終わりです。ですので、次に移りますね」

 また全員が驚いた顔や『これ以上はやめてくれ!』という顔をしているけれど、何度も言及しているので無視をして進める。
 三つ目の、言いたいこと。それは――
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