復縁して欲しい? 嫌です

柚木ゆず

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第5話 元婚約者が考えること ヒューゴ&俯瞰視点(2)

「……デレアス家とアニエスは、一切交流はなかったはずだ……。なのに……。どうして、こんなところを訪れているんだ……?」

 呆然と呟いた、疑問。その答えは、すぐに理解した。……それしか、有り得なかった……。

「そうか……! デレアス家の、シャルル……!! その男と交際をしているんだ……っ!!」

 それ以外あり得ない!! アニエスの隣の席には、シャルル・デレアスが座っていたんだ……!!

「目が覚めるまでアニエスの情報を集めていなかったから、知らなかった……! そうか、そうだったのか……っ! アニエスには相手がいて…………。ソイツのせいで、一切振り向こうとしなかったのか……!!」

 ようやく、腑に落ちたぞ……!
 やはり俺の作戦は、完璧だったんだ! 本来なら真摯な言葉と大量のプレゼントによって、アニエスの心は動いて復縁できていたんだ!
 今回あのように失敗してしまったのは、夢中になっている輩がいたからなんだ!!

「……くそ……っ、俺の邪魔をしやがって・・・・・・・・・・……!! すぐに、アニエスの隣から引きずり降ろしてやる……!!」

 デレアス家なんかにっ、男爵家なんかにっ。アニエスを幸せにできるはずがない!
 彼女を幸せにできるのは、今の俺! 真の愛に気が付いた、このヒューゴ・ノズエルズただ一人だ!!

「…………男爵家ならば、簡単に操れる。アニエスの帰りを待って……。挨拶を、行おうじゃないか……!!」


 〇〇


「シャルル様、ご報告がございます。道中、一台の馬車が――警戒対象のものではなく、ノズエルズ侯爵家の馬車が、一定の距離を保ってついてきておりました」
「ええ、分かっていますよエイン。その理由は、アニエス様より伺いました」

 紅茶とお菓子の用意をするべく、1階へと移動したシャルル。カップとソーサーの準備を行っていたら、いつの間にか、背後に一人の美男が立っていました。

「ヨリを戻すべく、アニエス様の行動を追っていたのでしょうね。そんな事をしても、意味はないのに――。愚者らしく、愚に愚を重ねますね」
「シャルル様。如何なさいましょう?」
「ちょうどいい機会ですし、僕が直接お相手を致しましょう。アニエス様が去られたあと、いらっしゃるでしょうしね」

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