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4 あたしが調査!? (1)
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「陽上さん。校内でアコヘンの発生が確認されたわ」
はじめてのお仕事から8日後の、火曜日のお昼休み。生徒の異変ありなしチェックをしていたモミジちゃんが、手帳を持って教室に戻ってきた。
アコヘンは、普段はええっと……。各学校でだいたい3~4週間に1回起きるみたいだけど、この時期はこのくらいに1回のペースになるんだって。
「にゅんっ。あたしにとっては、2回目の事件だね。気合を入れていくよーっ!」
「頼りに、させてもらうわ。前回から少し空いてしまったけれど、この前お話した仕事の内容は覚えているかしら?」
「アコヘンした人を調べて、その原因と説得をできる情報を集めるんだよね? 忘れてないよー」
その部分は、とっても大切なところ。暗記が苦手なあたしでも、しっかりと覚えているのですっ。
「モミジちゃんモミジちゃん。今回のターゲットさんは、どんな人なのかな?」
「6年3組所属の、大原四葉(おおはらよつば)さん。これまで活発で明るかった性格が、大人しく控えめなものに変わっているわ」
「ふむふむ。アコヘンしたのは、先輩さんかぁ。…………いよいよ、密かに考えていた作戦を使う時が来たんだね……!」
あたしは大きく胸を張って、ポケットからトランプを取り出す。
モミジちゃんはまだ他の学校のお仕事はしてなくって、この前から8日も時間があったんだもん。あたしはその間に、ちゃーんとアレコレ考えていたのですっ。
「実はね。ユーカとユーナにパソコンを触らせてもらった時に、お悩みを当てられる占いを見つけたんだー。1枚引いたカードのマークと数字の組み合わせによって、悩みがわかるらしーんだよ」
「…………。陽上さん、とても言い難いのだけれど……」
「んや? なーに?」
「その占いは、いわゆるお遊びのもの。こういう時には役に立たないのよ」
ふえ?
「その占いの結果は、ジョーカーと数字13×4種で53通り。人の悩みが53通りしかないはずはないのよ」
あ。
ほんとだ。
「…………モミジちゃん、ゴメンねぇ……。あたし、ちっともお役に立てなかったよぉ……」
「いいえ。貴方のその気持ちが、私はとても嬉しいわ。ありがとう陽上さん」
「モミジちゃん……っ。あたし、汚名…………ばん…………ばん…………へんじょう、できるように頑張るよっ。まずは、ヨツバちゃんさんに会いに行けばいーのかな?」
「そうなるわね。とりあえず、本人と話してみましょう」
あたしは頬っぺたをぺしぺし叩いて、気合をちゅーにゅー。今度こそお役に立てるように力を込めて、借りていたトランプをユーカとユーナに返してから教室を出たのでした。
はじめてのお仕事から8日後の、火曜日のお昼休み。生徒の異変ありなしチェックをしていたモミジちゃんが、手帳を持って教室に戻ってきた。
アコヘンは、普段はええっと……。各学校でだいたい3~4週間に1回起きるみたいだけど、この時期はこのくらいに1回のペースになるんだって。
「にゅんっ。あたしにとっては、2回目の事件だね。気合を入れていくよーっ!」
「頼りに、させてもらうわ。前回から少し空いてしまったけれど、この前お話した仕事の内容は覚えているかしら?」
「アコヘンした人を調べて、その原因と説得をできる情報を集めるんだよね? 忘れてないよー」
その部分は、とっても大切なところ。暗記が苦手なあたしでも、しっかりと覚えているのですっ。
「モミジちゃんモミジちゃん。今回のターゲットさんは、どんな人なのかな?」
「6年3組所属の、大原四葉(おおはらよつば)さん。これまで活発で明るかった性格が、大人しく控えめなものに変わっているわ」
「ふむふむ。アコヘンしたのは、先輩さんかぁ。…………いよいよ、密かに考えていた作戦を使う時が来たんだね……!」
あたしは大きく胸を張って、ポケットからトランプを取り出す。
モミジちゃんはまだ他の学校のお仕事はしてなくって、この前から8日も時間があったんだもん。あたしはその間に、ちゃーんとアレコレ考えていたのですっ。
「実はね。ユーカとユーナにパソコンを触らせてもらった時に、お悩みを当てられる占いを見つけたんだー。1枚引いたカードのマークと数字の組み合わせによって、悩みがわかるらしーんだよ」
「…………。陽上さん、とても言い難いのだけれど……」
「んや? なーに?」
「その占いは、いわゆるお遊びのもの。こういう時には役に立たないのよ」
ふえ?
「その占いの結果は、ジョーカーと数字13×4種で53通り。人の悩みが53通りしかないはずはないのよ」
あ。
ほんとだ。
「…………モミジちゃん、ゴメンねぇ……。あたし、ちっともお役に立てなかったよぉ……」
「いいえ。貴方のその気持ちが、私はとても嬉しいわ。ありがとう陽上さん」
「モミジちゃん……っ。あたし、汚名…………ばん…………ばん…………へんじょう、できるように頑張るよっ。まずは、ヨツバちゃんさんに会いに行けばいーのかな?」
「そうなるわね。とりあえず、本人と話してみましょう」
あたしは頬っぺたをぺしぺし叩いて、気合をちゅーにゅー。今度こそお役に立てるように力を込めて、借りていたトランプをユーカとユーナに返してから教室を出たのでした。
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