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7 あたし達が、見つけた!(1)
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「いたっ! ヨツバちゃんさん、いたよっ!」
本屋さん――前山田書店さんの、雑誌をたくさん置いてあるコーナー。そこの奥にヨツバちゃんさんがいて、何かの雑誌を読んでいた。
すごいっ。モミジちゃん大正解だよっ。
「予想が当たっていて、安心したわ。おかげで説得もできる」
「間違いなく解決できる、だったよねっ。モミジちゃん、お願いします、だよっ」
「ええ、任せておいて。……大原四葉さん、ですよね」
モミジちゃんが先頭になって、ヨツバちゃんさんに話しかける。
さっきお話ししたヨツバちゃんさんと、この世界にいるヨツバちゃんさんは違う人。なのでまずは、はじめましてのご挨拶をしないとだよね。
「はじめまして。五年の、月下紅葉と申します」
「はじめまして、です。おんなじクラスの、陽上花美ですっ」
「キミらは有名だし、ここで見てたからよく知ってるよ。アタシは6年の大原四葉、ヨロシクね」
ヨツバちゃんさんはニッカリと、爽やかに笑ってくれた。
ふぇー、これがほんとのヨツバちゃんさん。リョーコちゃんと一緒で、本物さんは全然違うなぁ。
「まさか、ここに入ってこれる人がいるとは思わなかったよ。もしかして2人は不思議な力を持つ人で、アタシをもとに戻しに来た、のかな?」
「はい、そうです。この状態はアコヘンと呼ばれる現象でして、私達は――」
「ゴメンだけど、それはできないよ。だってアタシは――」
「私達は貴方の状況、心境を理解した上で、ここにいます。その証拠に今から今回の経緯と動機を当てますので、お聞きください」
遮られたのを遮り返して、モミジちゃんが一歩前に出た。
頑張れ、モミジちゃんっ。あたしはここから応援してますっっ。
「…………ふーん、そうなんだ。だったら、言ってみてよ」
「はい。まず、この書店にいる理由ですが。貴方は初めてであり最後である最終オーディションで合格する為に、ここを訪れて雑誌を読んでいた。すでに活躍しているモデル達――過去の合格者を、研究していたんです」
ヨツバちゃんさんが開いているページを、指差した。
にゅぅう。確かに、過去の合格者特集、って書いてる。
「大原四葉さん。ここまでの経緯に、違う点はございますか?」
「……ないよ。じゃあ次、動機を話してよ」
「はい。そうしたら過去の合格者は、大人しく控えめな人ばかり。自分とは真逆の性格だった」
「………………」
「だからは貴方はそういう人に憧れを持ち、もうあとがないから、そうなりたいと強く願ってしまった。そう、ですよね?」
「………………ほぼ初対面の人に、ここまで見抜かれちゃうとはね。そうだよ。アタシはそういう性格に憧れて、この性格になったんだよ」
ヨツバちゃんさんは、驚きながら大きく息を吐いた。
はやぁっ、モミジちゃん当てちゃった。ほんとすごいっ。
本屋さん――前山田書店さんの、雑誌をたくさん置いてあるコーナー。そこの奥にヨツバちゃんさんがいて、何かの雑誌を読んでいた。
すごいっ。モミジちゃん大正解だよっ。
「予想が当たっていて、安心したわ。おかげで説得もできる」
「間違いなく解決できる、だったよねっ。モミジちゃん、お願いします、だよっ」
「ええ、任せておいて。……大原四葉さん、ですよね」
モミジちゃんが先頭になって、ヨツバちゃんさんに話しかける。
さっきお話ししたヨツバちゃんさんと、この世界にいるヨツバちゃんさんは違う人。なのでまずは、はじめましてのご挨拶をしないとだよね。
「はじめまして。五年の、月下紅葉と申します」
「はじめまして、です。おんなじクラスの、陽上花美ですっ」
「キミらは有名だし、ここで見てたからよく知ってるよ。アタシは6年の大原四葉、ヨロシクね」
ヨツバちゃんさんはニッカリと、爽やかに笑ってくれた。
ふぇー、これがほんとのヨツバちゃんさん。リョーコちゃんと一緒で、本物さんは全然違うなぁ。
「まさか、ここに入ってこれる人がいるとは思わなかったよ。もしかして2人は不思議な力を持つ人で、アタシをもとに戻しに来た、のかな?」
「はい、そうです。この状態はアコヘンと呼ばれる現象でして、私達は――」
「ゴメンだけど、それはできないよ。だってアタシは――」
「私達は貴方の状況、心境を理解した上で、ここにいます。その証拠に今から今回の経緯と動機を当てますので、お聞きください」
遮られたのを遮り返して、モミジちゃんが一歩前に出た。
頑張れ、モミジちゃんっ。あたしはここから応援してますっっ。
「…………ふーん、そうなんだ。だったら、言ってみてよ」
「はい。まず、この書店にいる理由ですが。貴方は初めてであり最後である最終オーディションで合格する為に、ここを訪れて雑誌を読んでいた。すでに活躍しているモデル達――過去の合格者を、研究していたんです」
ヨツバちゃんさんが開いているページを、指差した。
にゅぅう。確かに、過去の合格者特集、って書いてる。
「大原四葉さん。ここまでの経緯に、違う点はございますか?」
「……ないよ。じゃあ次、動機を話してよ」
「はい。そうしたら過去の合格者は、大人しく控えめな人ばかり。自分とは真逆の性格だった」
「………………」
「だからは貴方はそういう人に憧れを持ち、もうあとがないから、そうなりたいと強く願ってしまった。そう、ですよね?」
「………………ほぼ初対面の人に、ここまで見抜かれちゃうとはね。そうだよ。アタシはそういう性格に憧れて、この性格になったんだよ」
ヨツバちゃんさんは、驚きながら大きく息を吐いた。
はやぁっ、モミジちゃん当てちゃった。ほんとすごいっ。
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