あこがれチェンジ!

柚木ゆず

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11 あたし達が調査! (1)

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「私は左方向を探す。陽上さんは右方向をお願いするわ」
「らじゃーっ。こっちは任せてよーっ」

 7階――レストラン街についたあたしたちは、階の端っこから出発をする。
 この階をぐるーっと1周して、ここに戻って来たらこの階はお仕舞い。これを繰り返していけば、トラヒコくんはきっと見つかるのですっ。

「今日は黒のTシャツと茶色の長ズボンな、ニキビのある男の子……。近くに、いるかないるかなぁ……?」
「いてくれると、いいわね。この階は全てがレストラン街だから、店内ではなく通路や出入口付近に注意して進みましょう」

 レストランは、こども1人じゃ入れないもんね。7階は、そーゆートコをチェックだ。

『いらっしゃいーっ。ただいまタイムサービス中でーすっ!』
『数量限定の特製ラーメン、本日分は残り僅かとなりましたー! 是非お立ち寄りくださーい!!』

 店員さんの明るい声と美味しそうな匂いがする道を、スタタタタタタ。色んな誘惑に負けずに、トラヒコくんをさがす。

『パパー、食べ放題がいーっ。ここにしよーよーっ』
『やったっ、今日はお寿司だ~。いっぱい食べるぞーっ』
『ママっ、お腹すいたー。どこで食べるのー?』

「…………にゅぅぅ。子どもはどっさりだけど、この辺りにはいないねぇ」
「ええ、そうね。進みましょう」

 人が多い場所だから止まって確認をしていたあたしたちは、再出発。また、進みながら首を右に左に動かす。

「お店の前にあるメニューを見てる人たちの中にも、いない。隅っこでお喋りをしてる人たちの中にも、いない。モミジちゃん、そっちはどーですかー?」
「こちらにも、笹本虎彦さんは見当たらないわね。他の場所をさがしましょう」
「そ、だね。先に進んで――ぁっ。モミジちゃんモミジちゃん、その先にあるおトイレはどうしよっか?」
「人間である以上、そこは必ず利用する。いる可能性はじゅうぶんにあるから、出入りする人に尋ねてみましょう」

 なのであたしたちは、おトイレに寄り道。あたしもモミジちゃんも男の人用には入れないから、ちょうど入ろうとしていたおじーちゃんさんに見てきてもらうようにしました。
 ドキドキ。ドキドキ。
 トラヒコくん、いるかな?

「黒いTシャツを着たニキビの子は、どこにもいなかったよ。それとトイレにいた他の人にも聞いてみたけど、その子を見た人はいなかったね」
「そう、なのですか。他の方にまで、わざわざありがとうございました」
「このくらいお安い御用だよ。力になれなくてすまないね」
「いいえ、そんな。ご協力ありがとうございました」
「あたしたちは入れないから、とっても助かりましたーっ。ご親切にありがとうございます、だよですー」

 モミジちゃんとあたしは優しいおじーちゃんさんに頭を下げて、通路に戻ってトラヒコくんをさがす。
 黒のTシャツの、小学生……。ニキビのある小学生は……。いるかないるかな……?

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