あこがれチェンジ!

柚木ゆず

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16 あたし達が推理! (1)

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「うにゅ。まずは、ヒント1」

 ここを間違っちゃうと、絶対にたどり着けない。
 しっかり考えなきゃだっ。

「陽上ちゃんが休日によく行く場所を目指せ、か。心当たりはある?」
「お休みの日に行くのは、ユーカとユーナのお家、商店街にある駄菓子屋さん、学校のグラウンド、公園、です。どれが正解なのかぁ……?」

 よく行くっていうのはやっぱり、この中で1番行く、って意味だよね。
 だとしたら……。

「ユーカとユーナのお家っ。ナツキちゃんさん、向かいましょーっ」
「うん、行こうっ。ヒントその2は『歩いて進め』になってるから、自転車はここに置かせてもらうね」

 まずは駐車場の端に自転車を止めて、出発。
 ナツキちゃんさんもあたしも運動は得意だから、スタタタタタ。12分くらい走って、ユーカとユーナのお家の前に着いた。

「にゅ、ヒント1にとうちゃくっ。次は、その2……」
「『猫が見守る道を真っ直ぐ歩いて進め』、だね。この近くに猫の像があったり、猫が集まる場所はない?」
「ネコちゃんの像はどこにもなくって、そーゆートコも聞いたコトがないです。だけど住んでる人なら詳しいと思うから、そんな場所があるかをユーカとユーナに聞いてみますだよー」

 門の右横にあるボタンを、ポチッ。いつものようにチャイムを押して、今日は2人に出てきてもらった。

「ハナちゃんと、月下ちゃんのお姉さんも一緒なんだね~。おはよ~」
「……この組み合わせは、珍しい。今日はどうしたの?」
「んっとね。あたしとナツキちゃんさんは、モミジちゃんを見つけるゲームをしててね。この近くにネコちゃんが集まるトコはないかなって、聞きたかったんだよー」

 アコヘンのお話は、内緒だもんね。
 ユーカ、ユーナ。嘘をついちゃってゴメンナサイ。

「……なるほど、納得。ネコが集まる場所、だね」
「どーかなどーかな? あるのかな?」
「ニャンコちゃんが沢山いる場所は、この近くにはないよ~。野良ニャンコちゃんも滅多に見ないからね~」

 にゃぅぅ。だったら、猫が集まる、は関係ないのかぁ。


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