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16 あたし達が推理! (5)
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「けどヒントなんだから、どこかに命令があるはず……。どこだろどこだろ……」
「周りに看板は、ないね。そういう感じのお店も、ない。工事は……」
「工事も、してないですー」
工事をしてたら、ここは通れません、とかあるけど、どこにもなし。
こういうのじゃ、ないみたい。
「立ち入り禁止になってる場所は………………そういう場所も、ないか。この周辺にも、ないね」
ナツキちゃんさんが少し走って見てきてくれたけど、残念。それも違うみたい。
「強く命令されるのが、大嫌い……。ナツキちゃんさんナツキちゃんさん。命令って、他の意味もあるのかなぁ?」
「ううん、これ以外の意味はないよ。アタシは習ってないし、辞書にもない」
念のためにスマートホンで調べてくれて、あたしにも画面を見せてくれた。
漢字のコトがのってる本に、ないんだもん。絶対にないよね。
「だったらやっぱり、普通の命令、なのかぁ。他に命令なのは……」
「………………」
「命令なのは……。命令なのは……」
「………………」
「んーと……。んーと……。んーと……」
「………………」
真剣に考えてるけど、思い浮かばない。
ナツキちゃんさんも一生懸命で、考えながら近くを見回してるけど何も見つからない。
ぁぅぅ。その4も難しいなぁ。
「命令……。めいれい……。命令……」
「400メートル進んだ地点で出された、ゴールへのヒントなんだから……。ここから見える景色に、必ず答えがあるはず……」
「はいだよ、ですー。ぅにゅにゅ……。うにゅにゅにゅ……っ」
「今この目で見てる、どこかに……。その4の答えがある……」
どんなに難しくっても、諦めちゃいけない。
あたしたちはそれぞれ、必死に考える。
「んっと……。んっと……」
「どこに……。どこにあるの……?」
「ここから見える、命令は……。近くにある道路で、命令されるのは……」
「………………ん? 道路で、命令……?」
呟いていたら、ナツキちゃんさんの眉毛が寄った。
「ふぇ? ナツキちゃんさん?」
「道路で、命令……。道路で、命令…………。命令というのは……………指示でも、ある……。だったら、道路で指示で………………………………オッケーっ。わかっちゃったっっ!」
パチンッ。
お隣で、勢いよく指が鳴った。
「陽上ちゃん、あそこを見て。てっぺんに赤い丸いマークがついた柱みたいなのが、道路から立ってるでしょ?」
「ん、です。立ってますー」
赤い丸のなかに、白の横線が書かれているマーク。それが、ある。
「あれは標識といって、それがある場所ではそのルールを守らないと怒られちゃうんだよ。んで、○○しなさいって標識は命令でもある。つまり、車両進入禁止――見える範囲で一番強い命令をしてる標識がある、斜め右方向に進めばいいんだよ」
「そっか! ナツキちゃんさんすごーいっ! さすが中学生だよーっっ!」
「こないだ中学で交通安全の授業があって、それを思い出したんだ。ついさっき『道路で命令』って、口に出してくれたおかげだよ」
ナツキちゃんはあたしの頭を撫でて、親指を立ててくれた。
ぅにゅぅ。少しでもお役に立てて、よかったぁ。
「これでどうにか、その4もクリア。いよいよ残り1つ、だね」
「ヒントその5は、『分かれた道を、はじまりの方角に進め。そうすればゴールとなる』。とりあえず、道がわかれるまで進みましょー」
あたしたちは強い命令がある標識の横を通って、スタスタスタ。ヒントを使える場所に向かったのでしたっ。
○○○
「周りに看板は、ないね。そういう感じのお店も、ない。工事は……」
「工事も、してないですー」
工事をしてたら、ここは通れません、とかあるけど、どこにもなし。
こういうのじゃ、ないみたい。
「立ち入り禁止になってる場所は………………そういう場所も、ないか。この周辺にも、ないね」
ナツキちゃんさんが少し走って見てきてくれたけど、残念。それも違うみたい。
「強く命令されるのが、大嫌い……。ナツキちゃんさんナツキちゃんさん。命令って、他の意味もあるのかなぁ?」
「ううん、これ以外の意味はないよ。アタシは習ってないし、辞書にもない」
念のためにスマートホンで調べてくれて、あたしにも画面を見せてくれた。
漢字のコトがのってる本に、ないんだもん。絶対にないよね。
「だったらやっぱり、普通の命令、なのかぁ。他に命令なのは……」
「………………」
「命令なのは……。命令なのは……」
「………………」
「んーと……。んーと……。んーと……」
「………………」
真剣に考えてるけど、思い浮かばない。
ナツキちゃんさんも一生懸命で、考えながら近くを見回してるけど何も見つからない。
ぁぅぅ。その4も難しいなぁ。
「命令……。めいれい……。命令……」
「400メートル進んだ地点で出された、ゴールへのヒントなんだから……。ここから見える景色に、必ず答えがあるはず……」
「はいだよ、ですー。ぅにゅにゅ……。うにゅにゅにゅ……っ」
「今この目で見てる、どこかに……。その4の答えがある……」
どんなに難しくっても、諦めちゃいけない。
あたしたちはそれぞれ、必死に考える。
「んっと……。んっと……」
「どこに……。どこにあるの……?」
「ここから見える、命令は……。近くにある道路で、命令されるのは……」
「………………ん? 道路で、命令……?」
呟いていたら、ナツキちゃんさんの眉毛が寄った。
「ふぇ? ナツキちゃんさん?」
「道路で、命令……。道路で、命令…………。命令というのは……………指示でも、ある……。だったら、道路で指示で………………………………オッケーっ。わかっちゃったっっ!」
パチンッ。
お隣で、勢いよく指が鳴った。
「陽上ちゃん、あそこを見て。てっぺんに赤い丸いマークがついた柱みたいなのが、道路から立ってるでしょ?」
「ん、です。立ってますー」
赤い丸のなかに、白の横線が書かれているマーク。それが、ある。
「あれは標識といって、それがある場所ではそのルールを守らないと怒られちゃうんだよ。んで、○○しなさいって標識は命令でもある。つまり、車両進入禁止――見える範囲で一番強い命令をしてる標識がある、斜め右方向に進めばいいんだよ」
「そっか! ナツキちゃんさんすごーいっ! さすが中学生だよーっっ!」
「こないだ中学で交通安全の授業があって、それを思い出したんだ。ついさっき『道路で命令』って、口に出してくれたおかげだよ」
ナツキちゃんはあたしの頭を撫でて、親指を立ててくれた。
ぅにゅぅ。少しでもお役に立てて、よかったぁ。
「これでどうにか、その4もクリア。いよいよ残り1つ、だね」
「ヒントその5は、『分かれた道を、はじまりの方角に進め。そうすればゴールとなる』。とりあえず、道がわかれるまで進みましょー」
あたしたちは強い命令がある標識の横を通って、スタスタスタ。ヒントを使える場所に向かったのでしたっ。
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