貴方は人を愛せなくなっていたはずですよね?

柚木ゆず

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第14話 再婚? マエリス視点

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「……急に再婚などと聞かされて、驚いているだろう? 実はな、オスカーくんはつい先週に離婚しているのだよ」
「は、初耳です……。り、理由を、ご存じですか……?」
「ああ。マエリス、お前とほぼ同じさ。相手方の浮気が原因だ」

 結婚相手であるローズ・ラズヴァ様は、完全に自分のものにしてしまったら冷める方だったそうです。
 他の女性との接触に口出しするほどにオスカーに夢中だったのに、結婚直後から段々と興味を失っていって……。その最中(さなか)に夜会で好みの男性を見つけ、ずっと内緒で関係を持っていたそうです……。

「そんな……。酷い……」
「しかも、本人も両親もまったく悪びれていなかったそうだ。謝るどころか、興味を抱かせ続けられなかった方が悪い、そのせいでローズは隠しながら過ごさないといけなくなったんだぞ、などと開き直ったそうでな。慰謝料は出たものの、相当に不愉快な思いをする別れ方をしたそうだ」

 ウチと似ていて、ロッズルン家よりラズヴァ家の方が格上だった。そのせいで強く出られず、悔しい思いをしたみたいです……。

「…………オスカーの父ランダーはわたしのように、後悔していたよ。夢を奪った上に、最悪な相手と結び付けてしまったことを、な」
「お父様や、おじ様のせいではありませんよ。当主として当然の判断です」
「そう言ってもらえると、救われるよ。だがな…………だから……。だから、だ」

 お父様はごくりと唾を飲み込み、テーブルの上に置いてある両手が固く握り締められました。

「いずれ再婚せねばならんのなら、今度はせめて最高の相手と。そう、思っていたのだよ」
「おとう、さま」
「確かに、両家が繋がるメリットはあまりない。だが幸いにもウチは強力なパイプが残ったし、あちらもなんだかんだタダでは転ばなかったようだ。それに加えて」

 お父様は引き出しを開け、古いノートを――かつて結婚を認めてもらうために勉強をした際のノートを、取り出しました。

「あの時のマエリスとオスカーくんは、確かに夢への力を原動力として急成長していた。ふたりが共鳴すれば、予想だにしない両家の発展に繋がる『武器』を作り出してくれる可能性が非常に高い。この状況下でその点を強調すれば、両家共に親族達を納得させられるのだよ」
「…………そう、なの、ですね」

 オスカーと、わたしが……。結婚……。

「お互い子どもを引き取っているなど、当時とは多くが変わっているからな。もちろんすぐに答えを出す必要はないし、どんな返事してくれていい。まずは一度久しぶり会って、ゆっくり話しをしてみないか?」
「はっ、はい! したいです! お父様!」

 ずっとずっと、何年も、純粋にオスカーと会いたいという思いがありました。ですので即答をして、なんと1日に彼がお屋敷に来てくれることになって――




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