15 / 28
第4話 復讐をする ソリーヌ視点(3)
しおりを挟む
(違う、のね。じゃあ、なに? 勿体ぶらずにさっさと答えなさい)
(……承知いたしました)
まただわ。ライナスはごくりと、大きく唾を飲み込み――
(本当に、実行してもよろしいのですね?)
――妙なことを言い出した。
(実行って。アリアンの顔に大怪我をさせていいのか、よね? なぜそんな確認をするのよ)
(……お嬢様は、嫌な思いをされました。重々承知しております。ですが、そのですね……。アリアン・ファザーナに悪意はなかったみたいですし……。悪意のなかった人間に仕返しをするというのは……。その……よろしくないこと、だと思うのですよ……)
(はあ!? なんですって!?)
一瞬で血圧が跳ね上がったのが分かった。
こいつ……。なにを言って……!
(今し方申し上げましたように、お嬢様が傷ついたと重々承知しております。ですが、ですが! 一度冷静になって、振り返っていただきたく思います)
(………………)
(アリアン・ファザーナは現状を言えと言われてありのままを伝えただけですし、羨ましいかと聞かれて正直に答えただけ。最初は、お嬢様が傷つかないように最大限の配慮をしていました。そのような相手に復讐をするというのは……。言葉を選ばずに申し上げますと……。人道を離れている、のではないかと感じます……)
(………………。ライナス)
(は、はいっ!)
(自我を出すな)
淡々と、ぴしゃりと一蹴した。
(お前は歯車、与えられたことを唯々諾々としていればいい。ご主人様の命令に黙って従っていればいい。余計なことを考えるな)
(……お嬢様……)
(ここに居続けたいなら心を外に出すな。……二度目はないわよ)
腹が立ち過ぎて、逆に怒る気がなくなった。
改めて冷たい目で真っすぐ睨みつけ、生意気な下僕に背を向ける。
(実行者が見つかったのなら、すぐ動かしなさい。いいわね?)
(………………)
(い・い・わ・ね?)
(………………承知いたしました)
(返事が遅い。分かればいいのよ)
これ以上、こんなバカと話すことはない。バカを置いて早歩きで部屋に戻り、爆発しそうな感情を紅茶で鎮めたのだった。
((…………まあ、いいわ。過程でとにかく不愉快があったものの、計画は順調に進んでいるんだもの。明日の夜には、吉報が届くんだもの。落ち着きましょう、ソリーヌ))
(……承知いたしました)
まただわ。ライナスはごくりと、大きく唾を飲み込み――
(本当に、実行してもよろしいのですね?)
――妙なことを言い出した。
(実行って。アリアンの顔に大怪我をさせていいのか、よね? なぜそんな確認をするのよ)
(……お嬢様は、嫌な思いをされました。重々承知しております。ですが、そのですね……。アリアン・ファザーナに悪意はなかったみたいですし……。悪意のなかった人間に仕返しをするというのは……。その……よろしくないこと、だと思うのですよ……)
(はあ!? なんですって!?)
一瞬で血圧が跳ね上がったのが分かった。
こいつ……。なにを言って……!
(今し方申し上げましたように、お嬢様が傷ついたと重々承知しております。ですが、ですが! 一度冷静になって、振り返っていただきたく思います)
(………………)
(アリアン・ファザーナは現状を言えと言われてありのままを伝えただけですし、羨ましいかと聞かれて正直に答えただけ。最初は、お嬢様が傷つかないように最大限の配慮をしていました。そのような相手に復讐をするというのは……。言葉を選ばずに申し上げますと……。人道を離れている、のではないかと感じます……)
(………………。ライナス)
(は、はいっ!)
(自我を出すな)
淡々と、ぴしゃりと一蹴した。
(お前は歯車、与えられたことを唯々諾々としていればいい。ご主人様の命令に黙って従っていればいい。余計なことを考えるな)
(……お嬢様……)
(ここに居続けたいなら心を外に出すな。……二度目はないわよ)
腹が立ち過ぎて、逆に怒る気がなくなった。
改めて冷たい目で真っすぐ睨みつけ、生意気な下僕に背を向ける。
(実行者が見つかったのなら、すぐ動かしなさい。いいわね?)
(………………)
(い・い・わ・ね?)
(………………承知いたしました)
(返事が遅い。分かればいいのよ)
これ以上、こんなバカと話すことはない。バカを置いて早歩きで部屋に戻り、爆発しそうな感情を紅茶で鎮めたのだった。
((…………まあ、いいわ。過程でとにかく不愉快があったものの、計画は順調に進んでいるんだもの。明日の夜には、吉報が届くんだもの。落ち着きましょう、ソリーヌ))
268
あなたにおすすめの小説
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
わたくしを追い出した王太子殿下が、一年後に謝罪に来ました
柚木ゆず
ファンタジー
より優秀な力を持つ聖女が現れたことによってお払い箱と言われ、その結果すべてを失ってしまった元聖女アンブル。そんな彼女は古い友人である男爵令息ドファールに救われ隣国で幸せに暮らしていたのですが、ある日突然祖国の王太子ザルースが――アンブルを邪険にした人間のひとりが、アンブルの目の前に現れたのでした。
「アンブル、あの時は本当にすまなかった。謝罪とお詫びをさせて欲しいんだ」
現在体調の影響でしっかりとしたお礼(お返事)ができないため、最新の投稿作以外の感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
教養が足りない、ですって
たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。
お姉様は嘘つきです! ~信じてくれない毒親に期待するのをやめて、私は新しい場所で生きていく! と思ったら、黒の王太子様がお呼びです?
朱音ゆうひ@11/5受賞作が発売されます
恋愛
男爵家の令嬢アリシアは、姉ルーミアに「悪魔憑き」のレッテルをはられて家を追い出されようとしていた。
何を言っても信じてくれない毒親には、もう期待しない。私は家族のいない新しい場所で生きていく!
と思ったら、黒の王太子様からの招待状が届いたのだけど?
別サイトにも投稿してます(https://ncode.syosetu.com/n0606ip/)
わざわざ証拠まで用意してくれたみたいなのですが、それ、私じゃないですよね?
ここあ
恋愛
「ヴァレリアン!この場をもって、宣言しようではないか!俺はお前と婚約破棄をさせていただく!」
ダンスパーティの途中、伯爵令嬢の私・ヴァレリアンは、侯爵家のオランジェレス様に婚約破棄を言い渡されてしまった。
一体どういう理由でなのかしらね?
あるいは、きちんと証拠もお揃いなのかしら。
そう思っていたヴァレリアンだが…。
※誤字脱字等あるかもしれません!
※設定はゆるふわです。
※題名やサブタイトルの言葉がそのまま出てくるとは限りません。
※現代の文明のようなものが混じっていますが、ファンタジーの物語なのでご了承ください。
私の婚約者とキスする妹を見た時、婚約破棄されるのだと分かっていました
あねもね
恋愛
妹は私と違って美貌の持ち主で、親の愛情をふんだんに受けて育った結果、傲慢になりました。
自分には手に入らないものは何もないくせに、私のものを欲しがり、果てには私の婚約者まで奪いました。
その時分かりました。婚約破棄されるのだと……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる