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エピローグ ワガママ令嬢の末路 俯瞰視点
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「どいつもこいつもバカばかり……! 頭がおかしいんじゃないの!!」
父ハルスが用意した家。その中では、送り返されたばかりのコリーヌが目を吊り上げていました。
「わたくしを戻したら大騒ぎになる!? どこまで頭が悪いのよ!!」
長女が戻って来たら、今回発生した悪影響以上にプラスがあるのに――。長い目で見ると、受け入れないことこそが愚策なのに――。
なんとコリーヌは、元凶とは思えない考えで怒っていたのです。
「そもそもよ!! いくら貴族として育ったからといって、17歳の女の子なのだから間違いだって犯すでしょう!! それなのにネチネチと……!! 自分達は一度も間違わなかったの!? 一度も間違ったことのない人間だけ文句を言いなさいよ!!」
傍にあるテーブルにあったお皿を掴み、壁に投げつける。なんの罪もない食器に八つ当たりをして、しかしながら、まだまだ気は収まりません。
「それにっ!! 育て方を後悔するならもっとちゃんと育てなさいよ!! こんな風に育ったのはアンタ達のせいでしょう!!」
子どもは善悪が分からないもので、妹のレアンは特別。自分があんな風に言ってしまうのは仕方がないことで、それをちゃんと導かないといけなかったんだ――。
ここでもコリーヌは責任転嫁をし、今度はグラスを壁に叩きつけて壊しました。
「わたくしは悪いけどっ、そこまで悪くはないのに……! どいつもこいつも、ゴミゴミゴミ……!! こんなヤツらに人生を滅茶苦茶にされるだなんて……!! 腹が立つ……!! 絶対に、認めない……!!」
そんなゴミにもらった家に住み、ゴミからもらった服を着ていることにも気付けない彼女は、玄関の方向を――ルフトート子爵邸を、ぎろりと睨みつけました。
「このままでは終わらない、絶対に見返してやる……!! お前達より良い人生にしてやるんだから……!!」
そう言うやコリーヌは別室にある金庫へと走り、扉を開けて札束を取り出しました。
見返してやる相手であるゴミからもらったお金を、手に取りました。
「この金を増やして、ルフトート子爵家以上の存在になってやる……!! わたくしのご機嫌を取らないといけないように、してやるんだから……!!」
地位権力で上回れないのなら、金で屈服させる。コリーヌは野望を抱き、早速そのための策を練り始め――
「わたくしは貴族として高等な教育を受けてきた……! わたくしの頭と知識があれば、不可能だって可能になるわ……!!」
――と自信満々に笑いますが、残念ながらそんな未来はやって来ません。
あの時も今も、そう。
止めておけば幸せな日常が保証されていたのに、コリーヌは嬉々として暴走をして、何もかもを失ってしまう羽目になるのでした――。
父ハルスが用意した家。その中では、送り返されたばかりのコリーヌが目を吊り上げていました。
「わたくしを戻したら大騒ぎになる!? どこまで頭が悪いのよ!!」
長女が戻って来たら、今回発生した悪影響以上にプラスがあるのに――。長い目で見ると、受け入れないことこそが愚策なのに――。
なんとコリーヌは、元凶とは思えない考えで怒っていたのです。
「そもそもよ!! いくら貴族として育ったからといって、17歳の女の子なのだから間違いだって犯すでしょう!! それなのにネチネチと……!! 自分達は一度も間違わなかったの!? 一度も間違ったことのない人間だけ文句を言いなさいよ!!」
傍にあるテーブルにあったお皿を掴み、壁に投げつける。なんの罪もない食器に八つ当たりをして、しかしながら、まだまだ気は収まりません。
「それにっ!! 育て方を後悔するならもっとちゃんと育てなさいよ!! こんな風に育ったのはアンタ達のせいでしょう!!」
子どもは善悪が分からないもので、妹のレアンは特別。自分があんな風に言ってしまうのは仕方がないことで、それをちゃんと導かないといけなかったんだ――。
ここでもコリーヌは責任転嫁をし、今度はグラスを壁に叩きつけて壊しました。
「わたくしは悪いけどっ、そこまで悪くはないのに……! どいつもこいつも、ゴミゴミゴミ……!! こんなヤツらに人生を滅茶苦茶にされるだなんて……!! 腹が立つ……!! 絶対に、認めない……!!」
そんなゴミにもらった家に住み、ゴミからもらった服を着ていることにも気付けない彼女は、玄関の方向を――ルフトート子爵邸を、ぎろりと睨みつけました。
「このままでは終わらない、絶対に見返してやる……!! お前達より良い人生にしてやるんだから……!!」
そう言うやコリーヌは別室にある金庫へと走り、扉を開けて札束を取り出しました。
見返してやる相手であるゴミからもらったお金を、手に取りました。
「この金を増やして、ルフトート子爵家以上の存在になってやる……!! わたくしのご機嫌を取らないといけないように、してやるんだから……!!」
地位権力で上回れないのなら、金で屈服させる。コリーヌは野望を抱き、早速そのための策を練り始め――
「わたくしは貴族として高等な教育を受けてきた……! わたくしの頭と知識があれば、不可能だって可能になるわ……!!」
――と自信満々に笑いますが、残念ながらそんな未来はやって来ません。
あの時も今も、そう。
止めておけば幸せな日常が保証されていたのに、コリーヌは嬉々として暴走をして、何もかもを失ってしまう羽目になるのでした――。
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