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第44話 最後のひとりの、その後 俯瞰視点
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「………………………」
史上初となる外国籍生徒会長の、除籍と強制送還。ラドラロンド学院で大きな騒ぎが起きてから、一年後。
その原因の一端となった侯爵令嬢マリレーヌは、小さな部屋の窓から呆然と外を眺めていました。
『みんなぁ聞いてくれええええ!! 俺がカンニングをしたのはっ、マリレーヌ様に関係を絶たれなくなったからなんだぁああああああああああああああああああ!!』
『実は急に婚約を解消したのはっ、マリレーヌ様に婚約話を持ち掛けられたからなんだよおおお!!』
『主席と生徒会就任を買われたけどっ、成績の急降下などでっ、力の差を使って婚約をなかったことにされそうになっていてええっ! そうされないようにっ、しぶしぶっ、悪事に手を染めたんだ!!』
『そうさ! みんなが言うようにっ、俺は元婚約者を裏切ったのかもしれない!! でもっ、それはマリレーヌ様にも原因があるんだよおおおおおおおおおおおお!!』
強制送還をされる際に、破れかぶれになったラウルが行った激白。当初ソレには明確な証拠がなく、マリレーヌの必死の工作もあって、生徒達は『密かに恨んでいた人間を道連れにしようとしていただけ』と思い込んでいました。
しかしながらその一か月後に、どこからか工作の証拠が出回ってしまう。
ずっとマレリーヌの言動が気に食わなかった同格かつ同性の生徒が入手し、蹴落とすためにばら撒いていたのです。
そのため退学こそさせられなかったものの、学院どころか社交界でも居場所を失ってしまう。更には『コダヴァルア侯爵家』の評判を著しく下げたとして父親と共にコダヴァルア家を追い出されてしまい、ひっそりと暮らさないといけなくなってしまっていたのです。
「…………………………」
追い出された直後は怒り狂い、毎日毎日叫んでいたマレリーヌ。ですが時間の経過とともに怒る気力もなくなってしまい、今ではこんな調子。
まるで、抜け殻のように。
マレリーヌはこの先もずっと、生きてゆくのでした――。
史上初となる外国籍生徒会長の、除籍と強制送還。ラドラロンド学院で大きな騒ぎが起きてから、一年後。
その原因の一端となった侯爵令嬢マリレーヌは、小さな部屋の窓から呆然と外を眺めていました。
『みんなぁ聞いてくれええええ!! 俺がカンニングをしたのはっ、マリレーヌ様に関係を絶たれなくなったからなんだぁああああああああああああああああああ!!』
『実は急に婚約を解消したのはっ、マリレーヌ様に婚約話を持ち掛けられたからなんだよおおお!!』
『主席と生徒会就任を買われたけどっ、成績の急降下などでっ、力の差を使って婚約をなかったことにされそうになっていてええっ! そうされないようにっ、しぶしぶっ、悪事に手を染めたんだ!!』
『そうさ! みんなが言うようにっ、俺は元婚約者を裏切ったのかもしれない!! でもっ、それはマリレーヌ様にも原因があるんだよおおおおおおおおおおおお!!』
強制送還をされる際に、破れかぶれになったラウルが行った激白。当初ソレには明確な証拠がなく、マリレーヌの必死の工作もあって、生徒達は『密かに恨んでいた人間を道連れにしようとしていただけ』と思い込んでいました。
しかしながらその一か月後に、どこからか工作の証拠が出回ってしまう。
ずっとマレリーヌの言動が気に食わなかった同格かつ同性の生徒が入手し、蹴落とすためにばら撒いていたのです。
そのため退学こそさせられなかったものの、学院どころか社交界でも居場所を失ってしまう。更には『コダヴァルア侯爵家』の評判を著しく下げたとして父親と共にコダヴァルア家を追い出されてしまい、ひっそりと暮らさないといけなくなってしまっていたのです。
「…………………………」
追い出された直後は怒り狂い、毎日毎日叫んでいたマレリーヌ。ですが時間の経過とともに怒る気力もなくなってしまい、今ではこんな調子。
まるで、抜け殻のように。
マレリーヌはこの先もずっと、生きてゆくのでした――。
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