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番外編その2 想定外と、両親4人のその後 俯瞰視点(2)
しおりを挟む「ばっ、バカな事を言うな!! そんな行動認められるか!!」
「貴方達はこれから、両家のために動かないといけないのよ!! 認められないわ!!」
「リュカ殿、ルイーズ!! いい加減にしないか!!」
「却下よ!! こんなワガママ認められないわ!!」
リュカの言い分を聞いた瞬間、4人から再度大声が上がります。
リュカの父オスカーは鋭く睨みつけ、母スザンヌはヒステリックに絶叫。ルイーズの父ヴィクトーは目を剥き、母ミエラは腰かけているイスを乱暴に叩きました。
「「「「却下だ(却下よ)!! 許さない(許さないわ)!!」」」」
「この手の行動は本人の意思が尊重される為、皆様に止める権利はありませんよ。これは『提案』ではなく、『報告』なのです」
「「「「ぐ……っ」」」」
「――とはいえ。これでは相手を利用するだけ利用するという、貴方達と同類の生き物になってしまいます。そこで今回、こちらを用意いたしました」
リュカは足元に置いていた2つのアタッシュケースを、広いテーブルに載せて両方開けます。そうするとその中には、札束がぎっしりと詰まっていました。
「「「「!? これは……!?」」」」
「これまでお世話になった事へのお返しとして、1人に対して1000万――合計4000万をご用意しました。どうぞこれらを、両家の維持と発展にご利用ください」
家という鎖から解放されても、しっかりとした生活を送れなければ意味はない。そんな思いでリュカは動き回り、商会を立ち上げていました。
設立間もないためこの4000万には、収益以外のものも――。これまでの貯金や私物などを売却して得たお金も含まれていますが、いずれは大きな組織となると確信がありました。
「各家2000万、維持と発展は充分に可能な額です。……父さん、母さん。ヴィクトー殿、ミエラ殿。改めまして、これまでお世話になりました」
「お父様、お母様、おじ様、おば様。お世話になりました」
「う、うむ。そ、そうか。そんなにも意思が固いのであれば、仕様がないな」
「そうね、あなた。リュカとルイーズさん、2人を笑顔で送り出しましょ」
「我々も、異存はありません。ルイーズ、幸せにな」
「これから苦労する事が沢山あると思うけど、頑張ってね。リュカさん、娘をよろしくお願いします」
予想外の大金を目にした4人の態度は、180度変化。揃ってあっさりと手の平を返し、嬉々として大きく頷いたのでした。
こうして2人は幸せへと歩み始め、反対に――。4人はやがてこの出来事が切っ掛けとなり、悲劇へと向かう事になってしまうのでした。
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