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第8話 予想外の出会い 真鈴視点(1)
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「これから向かう場所にいる幽霊は、大人の男性の声を出していました。内容は、『僕の代わりに息子に謝って欲しい』『最後にもう一度、妻と息子の顔を見たい』と言っていました」
今通っている道はお店が少なくて、特に紹介できるところはないみたい。そこでスタスタトコトコ歩きながら、4人目の幽霊の情報を聞く。
「交差点の、横断歩道――歩行者用の信号機の下に、いるっぽいんだよね? もし本物だとしたら、事故で亡くなった人の幽霊かな?」
「その可能性が高いと思います。調べてみたら1年前に、その地点で交通事故が起きていました」
朝の7時3分。アクセルとブレーキの踏み間違いで、当時37歳の男性が車に惹かれて亡くなっていたそう。
「インターネットにある情報ではありますが、事故の場合は特に幽霊として残りやすいようです。今のところは、かなり本物寄りだと思います」
「だね」
その場所で実際に事故が起きていて、被害者さんの性別も声の年齢も一致してる。今のところは、かなり本物っぽい。
「そういうことなら本物は絶対に助けたいし、偽物だったら存在を消し去りたくなるよね」
「なりますね。許せません」
亡くなった人を利用するのは、特に許せない。幽霊に罰を与えられる力もあったらよかったのになって、思う。
「そんなことを平気でできてしまえるのですから、余計に恐ろしいですよね。いくら――……。? いま……?」
「? 水前寺くん? どうしたの?」
急に立ち止まって、キョロキョロ周りを見回し始めた。
「……………………気のせい、みたいですね。僕を呼ぶ声がしたような気がしたのですが、周りにそんな人はいませんでしたし、新しい声も聞こえてきません」
「この辺りに…………うん、幽霊はいない。そうみたいだね」
私も見回してみたら周りには人間しかいなくって、水前寺くんに声をかけてそうな人もいなかった。
二回目の呼ぶ声もないって言ってるし、勘違いだね。
「もしかしたら、同じ名前の人がいたのかもね。水前寺は珍しいけど、良平って割と多いし」
「確かに。前の中学校では全校で同名が2人いましたし、小学校の頃は字が違う名前を含めると6人もいました」
「そんなにいたんだ。逆に私の『真鈴』は、今まで一回も会ったことないな。漢字違いもいなくって――…………」
「? 市川さん?」
「………………水前寺くん。さっきの声は、勘違いじゃないみたいだよ」
横を見ていたせいで、気付かなかった。
今私達がいるところから、15メートルくらいかな。そこに――
「私達が一昨日助けた、美緒(みお)ちゃんがいる」
今通っている道はお店が少なくて、特に紹介できるところはないみたい。そこでスタスタトコトコ歩きながら、4人目の幽霊の情報を聞く。
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「………………水前寺くん。さっきの声は、勘違いじゃないみたいだよ」
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今私達がいるところから、15メートルくらいかな。そこに――
「私達が一昨日助けた、美緒(みお)ちゃんがいる」
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