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第5話 予想外、2つ 俯瞰視点(1)
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「そうだなザルース、なにも間違ってはおらん。お前の発言は正しい」
二度目の接触が失敗してから、2日後。ザルースは我が家(や)こと王城に戻っており、玉座にいる父こと王は頷きを返しました。
「アンブルは消してしまおう」
あの様子なら何を積んでも戻って気はしません――。アンブルがいなくなれば別の女が聖女になれます――。殺してしまいましょう――。
帰還した息子はそう訴え、同類である親は――王妃も、第2第3王子も、大臣たちも、一切の逡巡なく賛成したのでした。
「父上、母上達も、同意感謝いたします。……今のアレは、ルーマック男爵家の一員。我々の関与を悟られるわけにはいきません」
「無論だ。ふむ、そうだな……。壁を複数枚挟むとしよう」
この国にはリンダ―侯爵家という、有事の際は王家のために汚れ仕事を行う――自分達が罪を被ることさえも厭わない『密かな使命を帯びた保険の駒』がいます。まずはリンダー家を使って『裏世界の重鎮』と呼ばれる人間にコンタクトを取り、アンブル殺害を依頼する。するとその重鎮は自分が関与した痕跡を消すために、複数の細工を施した上で他者に殺害を命じる。
こうすることで、絶対に尻尾を掴まれないようにするのです。
「相手はただかだ男爵家、我が影を使わんでも上手くいくだろうさ。なあザルース」
「そうですね。念には念をで現地到着後も調べさせましたが、やはり男爵家の中でも中の下。隠している武器もありませんでした。あのレベルの相手なら、問題なくやり遂げるでしょう」
「うむ。……では動くとしよう。リンダ―家に文を送れ」
そうして暗号化された手紙が鳩によって届けられ、リンダ―侯爵家は忠実な駒なため粛々と始動。王に命じられたルートを使って重鎮に接触し、裏世界の住人は自分の以外の命はなんとも思っていないため依頼は受けられ、その3日後――。アンブル殺害を命じられた殺し屋が、隣国ラズオールへと渡りました。
「今日出て明日決行ならば、報告は明後日か。楽しみだなザルース」
「はい父上。パーティーと、新聖女を迎える準備をしておかないといけませんね」
「はっはっは。そうだな」
という風に親子で笑っていましたが、そのどちらも実行することはできなくなってしまいます。
「陛下!」
「!? どうした!?」
「…………暗殺は実行不可能、とのメッセージが届きました……」
『だとすると、また接触を試みるだろうね。ライオ様にお願いをして、近づけないようにしてもらおうか』
『お疲れ様、アンブル。やっと問題が去った――とは、言えないみたいだね』
『はい。何かしら、行うのでしょうね』
『この件も含めてライオ様にお願いをしておくし、僕達もできる限りのことはする。安心してね、アンブル』
ザルースの謝罪は本心ではないととおに見抜かれており、ドファールがラズオールの第三王子に協力を依頼していました。
アンブルの周りは王家が派遣した人間が固めている上に、ルーマック家も細心の注意を払っていた。
たとえザルース達が痕跡を気にせず攻撃を仕掛けたとしても、殺害できない状況が出来上がってしまっていたのです。
「なぜアンブルを王家が……!? ざ、ザルース! どうなっておるのだ!?」
「わ、分かりません! 現地で調査させても、特別な繋がりは見つからなかったのに……。どうなってるんだ!?」
予想外の事態にザルース達は取り乱しますが、そんなザルース達はまだ知りません。その僅か15分後に、もうひとつ――その報告の非にならないほどの予想外に、襲われることを。
「!? なっ、なんだ貴様らは!?」
二度目の接触が失敗してから、2日後。ザルースは我が家(や)こと王城に戻っており、玉座にいる父こと王は頷きを返しました。
「アンブルは消してしまおう」
あの様子なら何を積んでも戻って気はしません――。アンブルがいなくなれば別の女が聖女になれます――。殺してしまいましょう――。
帰還した息子はそう訴え、同類である親は――王妃も、第2第3王子も、大臣たちも、一切の逡巡なく賛成したのでした。
「父上、母上達も、同意感謝いたします。……今のアレは、ルーマック男爵家の一員。我々の関与を悟られるわけにはいきません」
「無論だ。ふむ、そうだな……。壁を複数枚挟むとしよう」
この国にはリンダ―侯爵家という、有事の際は王家のために汚れ仕事を行う――自分達が罪を被ることさえも厭わない『密かな使命を帯びた保険の駒』がいます。まずはリンダー家を使って『裏世界の重鎮』と呼ばれる人間にコンタクトを取り、アンブル殺害を依頼する。するとその重鎮は自分が関与した痕跡を消すために、複数の細工を施した上で他者に殺害を命じる。
こうすることで、絶対に尻尾を掴まれないようにするのです。
「相手はただかだ男爵家、我が影を使わんでも上手くいくだろうさ。なあザルース」
「そうですね。念には念をで現地到着後も調べさせましたが、やはり男爵家の中でも中の下。隠している武器もありませんでした。あのレベルの相手なら、問題なくやり遂げるでしょう」
「うむ。……では動くとしよう。リンダ―家に文を送れ」
そうして暗号化された手紙が鳩によって届けられ、リンダ―侯爵家は忠実な駒なため粛々と始動。王に命じられたルートを使って重鎮に接触し、裏世界の住人は自分の以外の命はなんとも思っていないため依頼は受けられ、その3日後――。アンブル殺害を命じられた殺し屋が、隣国ラズオールへと渡りました。
「今日出て明日決行ならば、報告は明後日か。楽しみだなザルース」
「はい父上。パーティーと、新聖女を迎える準備をしておかないといけませんね」
「はっはっは。そうだな」
という風に親子で笑っていましたが、そのどちらも実行することはできなくなってしまいます。
「陛下!」
「!? どうした!?」
「…………暗殺は実行不可能、とのメッセージが届きました……」
『だとすると、また接触を試みるだろうね。ライオ様にお願いをして、近づけないようにしてもらおうか』
『お疲れ様、アンブル。やっと問題が去った――とは、言えないみたいだね』
『はい。何かしら、行うのでしょうね』
『この件も含めてライオ様にお願いをしておくし、僕達もできる限りのことはする。安心してね、アンブル』
ザルースの謝罪は本心ではないととおに見抜かれており、ドファールがラズオールの第三王子に協力を依頼していました。
アンブルの周りは王家が派遣した人間が固めている上に、ルーマック家も細心の注意を払っていた。
たとえザルース達が痕跡を気にせず攻撃を仕掛けたとしても、殺害できない状況が出来上がってしまっていたのです。
「なぜアンブルを王家が……!? ざ、ザルース! どうなっておるのだ!?」
「わ、分かりません! 現地で調査させても、特別な繋がりは見つからなかったのに……。どうなってるんだ!?」
予想外の事態にザルース達は取り乱しますが、そんなザルース達はまだ知りません。その僅か15分後に、もうひとつ――その報告の非にならないほどの予想外に、襲われることを。
「!? なっ、なんだ貴様らは!?」
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