行き倒れていた人達を助けたら、8年前にわたしを追い出した元家族でした

柚木ゆず

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第11話 気が付くと 俯瞰視点(2)

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「貴方達は、知っても構わない人間となりました。したがってお教えしましょう。ここホライザは、ただの宿ではないんですよ」

 始まりは遥か前だった――。その驚きを完全に実感しきれていないうちに、三人を更なる驚きが襲いました。

「「「ただの宿じゃない……!?」」」
「ホライザは、三つの目的を実行するための場所として誕生しているのですよ。一つ目は、『路頭に迷ってしまった善人の居場所となるため』」

 何かしらの理由によって、家族や家や身分を失い行き場をなくしてしまった人。そんな人を従業員として迎え入れ、新たな生活の場を提供するという意図がありました。

『お祭りの最中とはいえ、こんな時間に女性の一人歩きは危険ですよ? 僕はこの先にある宿――一応この街で最も歴史のある宿の支配人の息子で、危険な者ではありません。何か御力になれることはありませんか?』

 あの夜レアナが声をかけられたのは、偶然であり必然。ヴァランタンは――父と母を含めた『ノルエット家』の人間は該当する者の発見と保護を目的として、交代で毎晩夜の街を歩いていたのです。

「二つ目は、『改心した者の居場所を作るため』」

 前科持ちはこの国でも、職に就きにくくなります。そこで、過去に窃盗などを犯し逮捕された者――殺人など『人身』に危害を加えていない、かつ、行いを心から反省した者を職員として迎え入れ、第二の人生となる場を提供するという意図がありました。

『あの人達って内心自分達の以外の人を徹底的に見下してて、逆に自分達は雲の上の存在だと思ってるんすよ。だから教わることも注意されることも不愉快でたまらなくて、ちょっとでも発散したかったんでしょうねぇ、オレや注意してくれた人に唾入りのコーヒーを渡そうとしてました。ありゃあ集団行動ができるタイプじゃないし、昔のオレと違うベクトルで厄介。平然と恩を仇で返していくタイプっスよ』

『なんのなんのっス。旦那、姉さん、ホライザには、一生かかっても返せない御恩がありますからねぇ。どんどん使ってくださいっスよ!』

 オズアは10代の頃、泥棒に手を染めてしまう。彼はその後愚行を猛省するも前科者であるため世間から敬遠され、残飯を漁る生活を送っていました。
 そんなオズアのもとにヴァランタンが現れ、面談などの結果問題なしと判断。ホライザのスタッフとなり、給料の半分を孤児院などに寄付しながら第二の人生を歩んでいたのです。

「そして、三つ目。『危険因子を選別するため』です」

 国内には『罪は犯していないものの、今後犯罪に手を染めそうな可能性がある者』や『刑期を終えたものの再犯の可能性がある者』や『犯罪として扱われていないものの罪を犯している者』など危険な人間が未知数おり、この国に流れてくる者の中にも同様の危険人物が未知数存在しています。
 そこで街を捜索して発見し、ホライザへと招いて見極める。
 従業員として雇ってみて労働する姿を監視し、問題が発見された場合は一か月間の言動を鑑みて5段階に振り分ける。更にその後その段階に応じて『更に見極めるための何か』を意図的に発生させ、ソレに対する行動で更に5段階に振り分け――相応の処置を取る。
 こうすることでこれまでホライザは、200人以上もの危険因子の排除に成功していたのです。


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