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第5話 不思議な出来事 ジョゼット視点(3)
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「あれは、ええと、そうそう、そうでした~。先週でしたね。偶然ジョゼット様とルルトス様をお見掛けしたのですが、お二人でいらっしゃる時の雰囲気がとってもふわふわ~っとしたものに変わっていました」
「え? あ、あの。以前は、どのような雰囲気だったのですか?」
「少し前からルルトス様がですね、ジョゼット様を見る目が険しくなっていました~。喧嘩でもされたのかな? と気になっていたものの、さすがに不躾でしてお声をかけられなかったのですよ」
それはきっと、『わたくし』のアリシア様に対する憎悪に気付いた影響。
一番近くにいる『わたくし』が全然気づいていなかったのに……。アリシア様は、この点にもお気づきになられていたのですね。
「ご心配をおかけしてしまいました。はい、そうなのです。誤解、と言いますか……。余計なものがなくなったおかげで、その、わたくしを信じていただけるようになりまして。以前のような――それ以上に、良いお時間を過ごせるようになりました」
「まぁ、まあまあ。ルルトス様も、楽しまれているのですか~?」
「そのように仰っていただけております。わたくし自身も日に日に心の距離の縮まりを感じておりまして、幸せに包まれております」
この方と婚約できて、よかった――。何度も何度も、そう感じています。
「なるほどなるほど~。婚約を解消するのではと気が気でなかったのですが、そのご様子なら、絶対に大丈夫そうですね~」
「今後もずっと、同じペースで一緒に進んでいけると信じております。アリシア様とローズタル様のように」
アリシア様はローズタル伯爵家の嫡男・グエン様と婚約をされており、お二人は幼馴染ゆえに仲の良さはとても有名。息もピッタリでして、多くの人が憧れを抱いているんです。
「うふふ、お褒めに預かり光栄でございます。……………………」
「? アリシア様?」
急に、周りをキョロキョロ見回し始めました。どうされたのでしょうか?
「ごめんなさい、不思議な音が聞こえた気がしたんです~。でも周りに何もなくって、気のせいだったみたいです」
わたしも――護衛のみんな、ラズエルア家の護衛の方々にも、そういったものは聞こえませんでした。アリシア様が仰られていたように、勘違いのようですね。
「あまりにものどかで、釣られて森の妖精さんでも来てくれのかと思いまして――ぁ、妖精で思い出しました。ちょうど馬車に面白いものがありまして、お見せしてもよろしいでしょうか~?」
「もちろんでございます」
「ありがとうございます~。では、急いで取ってまいりますね」
淑やかにカーテシーを行い、アリシア様は移動を始められ――
「あれ? ジョゼット様? ラズエルア様?」
――3歩ほど進まれたタイミングでした。わたし達の背後から、大好きな方のお声が聞こえてきたのでした。
「え? あ、あの。以前は、どのような雰囲気だったのですか?」
「少し前からルルトス様がですね、ジョゼット様を見る目が険しくなっていました~。喧嘩でもされたのかな? と気になっていたものの、さすがに不躾でしてお声をかけられなかったのですよ」
それはきっと、『わたくし』のアリシア様に対する憎悪に気付いた影響。
一番近くにいる『わたくし』が全然気づいていなかったのに……。アリシア様は、この点にもお気づきになられていたのですね。
「ご心配をおかけしてしまいました。はい、そうなのです。誤解、と言いますか……。余計なものがなくなったおかげで、その、わたくしを信じていただけるようになりまして。以前のような――それ以上に、良いお時間を過ごせるようになりました」
「まぁ、まあまあ。ルルトス様も、楽しまれているのですか~?」
「そのように仰っていただけております。わたくし自身も日に日に心の距離の縮まりを感じておりまして、幸せに包まれております」
この方と婚約できて、よかった――。何度も何度も、そう感じています。
「なるほどなるほど~。婚約を解消するのではと気が気でなかったのですが、そのご様子なら、絶対に大丈夫そうですね~」
「今後もずっと、同じペースで一緒に進んでいけると信じております。アリシア様とローズタル様のように」
アリシア様はローズタル伯爵家の嫡男・グエン様と婚約をされており、お二人は幼馴染ゆえに仲の良さはとても有名。息もピッタリでして、多くの人が憧れを抱いているんです。
「うふふ、お褒めに預かり光栄でございます。……………………」
「? アリシア様?」
急に、周りをキョロキョロ見回し始めました。どうされたのでしょうか?
「ごめんなさい、不思議な音が聞こえた気がしたんです~。でも周りに何もなくって、気のせいだったみたいです」
わたしも――護衛のみんな、ラズエルア家の護衛の方々にも、そういったものは聞こえませんでした。アリシア様が仰られていたように、勘違いのようですね。
「あまりにものどかで、釣られて森の妖精さんでも来てくれのかと思いまして――ぁ、妖精で思い出しました。ちょうど馬車に面白いものがありまして、お見せしてもよろしいでしょうか~?」
「もちろんでございます」
「ありがとうございます~。では、急いで取ってまいりますね」
淑やかにカーテシーを行い、アリシア様は移動を始められ――
「あれ? ジョゼット様? ラズエルア様?」
――3歩ほど進まれたタイミングでした。わたし達の背後から、大好きな方のお声が聞こえてきたのでした。
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