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第11話 真実を知らない アリシア(佐伯美花)視点(2)
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((さようなら、ジョゼット。死になさい!!))
バグが発生しなければ、表舞台に立てなくなるだけで済んでいたのにねぇ。
ベルナール様とイチャイチャしすぎた罰よ。その命――
「待て!!」
――!?
あとちょっとのところで……。ベルナール様が、あたしの手を掴んだ……。
「べ――ルルトス様!? ど、どうされたのですか!?」
「べ、ベルナール様……!?」
「ルルトス、さま……?」
な、なに? 怖い顔をして、どうしたの……?
「……このまま握手させてはいけない……。ラズエルア様の手を、ジョゼット様に添えさせてはいけない……。突然、そう感じたんです」
「わ、私の手……!? な、なにもありませんよ~」
「……………………」
「ほ、ほら~、ご覧ください~。私、危険なものはなにも持っていませんよ~」
「……………………」
「あ、あらら~? で、では~。握手は、やめましょうか~」
ベルナール様はなぜが怪しんでいる。マズイ!
毒殺は中止だ。
「感謝のお気持ちは、別の形でお伝えさせていただきますね~。ジョゼット様、ルルトス様、モニカ様。ウチのお屋敷に――」
「ラズエルア様、お待ちください。その前に、左手を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
なっ!? まだ疑うの!?
「え? えっと~……。そのぉ~……。その、ですねぇ~……」
早く言い訳を考えなさいあたし! このままだと針が見つかっちゃうわよ!?
「なんでしょうか?」
「ええっと~……。あのぉ~……。その~……。その~…………」
早く! 早く!! 早く!!
「……僕に見せるだけ、ですよ? 難しいことでしょうか?」
「む、難しくは、ありませんよ~……。た、ただ~……」
「ただ?」
「……………………じ、実は~……。私、左手の内側に古傷があるのですよ~……。そちらは、できれば人にマジマジ見て欲しくないのですよ~……」
どうにか言い訳を絞り出せたっ。
だ、大丈夫よね? 大丈夫よね!? これなら、チェックされずに済むわよね!?
「申し訳ありません、事情が事情です。何事もなければ貴方様が望むお詫びをさせていただきます。お見せください」
「で、ですからぁ~。ど、どうしても、無理、なんですよぉ……。トラウマが、蘇ってしまうんです……」
「…………承知しました。でしたら、そちらのリングを外してお見せください」
リング!?
「何かを隠し持てるとしたら、そこにしかありません。リングでしたら、古傷は関係ありませんよね? お見せください」
「…………あ、えと……。あ……。あ~……。このリング、は……。とある約束をしていて、外せなくって……」
「以前お見掛けした際には、別のリングをされていたと記憶しています」
「え!? き、気のせいでは……?」
「気のせいではありませんよ、アリシア様。わたくしも覚えております」
もにかぁああああ!! 余計なことを!!
「ち、ちが……。ちがっていて……」
「外せますよね? お見せください」
「る、ルルトス様……。お、お待ちください……。おまちを――きゃあ!?」
しまった!! 腕を抑えつけられてっ!
指輪を抜き取られた!!
「かっ、返してくださいっ! 返してくださいっ!! そのリングにはなにも――」
「なにもなくはありませんよ。針を発見しました」
ぁ、ぁぁ……。
見つかっ…………ちゃった……。
バグが発生しなければ、表舞台に立てなくなるだけで済んでいたのにねぇ。
ベルナール様とイチャイチャしすぎた罰よ。その命――
「待て!!」
――!?
あとちょっとのところで……。ベルナール様が、あたしの手を掴んだ……。
「べ――ルルトス様!? ど、どうされたのですか!?」
「べ、ベルナール様……!?」
「ルルトス、さま……?」
な、なに? 怖い顔をして、どうしたの……?
「……このまま握手させてはいけない……。ラズエルア様の手を、ジョゼット様に添えさせてはいけない……。突然、そう感じたんです」
「わ、私の手……!? な、なにもありませんよ~」
「……………………」
「ほ、ほら~、ご覧ください~。私、危険なものはなにも持っていませんよ~」
「……………………」
「あ、あらら~? で、では~。握手は、やめましょうか~」
ベルナール様はなぜが怪しんでいる。マズイ!
毒殺は中止だ。
「感謝のお気持ちは、別の形でお伝えさせていただきますね~。ジョゼット様、ルルトス様、モニカ様。ウチのお屋敷に――」
「ラズエルア様、お待ちください。その前に、左手を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」
なっ!? まだ疑うの!?
「え? えっと~……。そのぉ~……。その、ですねぇ~……」
早く言い訳を考えなさいあたし! このままだと針が見つかっちゃうわよ!?
「なんでしょうか?」
「ええっと~……。あのぉ~……。その~……。その~…………」
早く! 早く!! 早く!!
「……僕に見せるだけ、ですよ? 難しいことでしょうか?」
「む、難しくは、ありませんよ~……。た、ただ~……」
「ただ?」
「……………………じ、実は~……。私、左手の内側に古傷があるのですよ~……。そちらは、できれば人にマジマジ見て欲しくないのですよ~……」
どうにか言い訳を絞り出せたっ。
だ、大丈夫よね? 大丈夫よね!? これなら、チェックされずに済むわよね!?
「申し訳ありません、事情が事情です。何事もなければ貴方様が望むお詫びをさせていただきます。お見せください」
「で、ですからぁ~。ど、どうしても、無理、なんですよぉ……。トラウマが、蘇ってしまうんです……」
「…………承知しました。でしたら、そちらのリングを外してお見せください」
リング!?
「何かを隠し持てるとしたら、そこにしかありません。リングでしたら、古傷は関係ありませんよね? お見せください」
「…………あ、えと……。あ……。あ~……。このリング、は……。とある約束をしていて、外せなくって……」
「以前お見掛けした際には、別のリングをされていたと記憶しています」
「え!? き、気のせいでは……?」
「気のせいではありませんよ、アリシア様。わたくしも覚えております」
もにかぁああああ!! 余計なことを!!
「ち、ちが……。ちがっていて……」
「外せますよね? お見せください」
「る、ルルトス様……。お、お待ちください……。おまちを――きゃあ!?」
しまった!! 腕を抑えつけられてっ!
指輪を抜き取られた!!
「かっ、返してくださいっ! 返してくださいっ!! そのリングにはなにも――」
「なにもなくはありませんよ。針を発見しました」
ぁ、ぁぁ……。
見つかっ…………ちゃった……。
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