こちら、あやかし村おこし支援課

柚木ゆず

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第8話 キャンペーン(1)

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「参加の旨をお伝えして、と……。その間に急いで、キャンペーンの賞品として出すものを決めないと」

 キャンペーンはとっくに始まっていて、締め切りは5日後。早くしないとその分だけ認知される時間が減ってしまう。

「こういう時は、あの方に聞くのが一番だね」

 このスマホには村人さん全員のスマホ番号が登録されていて、とある番号にかけて場所を確認。聞いてみると今は作業中とのことで、こちらから伺うようにした。

「おや? またわたくしの出番かな?」
「たびたびすみません。この場所にお願いします」
「喜んで」

 まだ駐車場にいらっしゃったので風切さんの車に乗り込み、安倍さんと共に目的地へと向かう。

「わたくしは乗り物が好きでしてね。運転できる機会があって嬉しいですよ」
「自分で走るのが好きなのは存じ上げていましたが、車でもお好きなんですね?」

 風切さんはそのむかし都を走り回っていて、そのあまりの速さにカマイタチが発生するほどだったそう。今でもそれは変わっていなくて、時間さえあれば昼夜問わず道を全力疾走している(朝起きて窓を開けた時に、『あははははははははー!』と満面の笑みで走っているのをお見掛けした)。

「わたくしはね、風を切り裂く感覚が大好きなのですよ。本気を出したわたくし程ではありませんが、この文明の利器もなかなかの速度を出せるでしょう? 窓を開けながら走る感覚が気に入っているんですよ」
「確かに。独特の気持ちよさがありますね」
「でしょう? 時代が流れていって色々な部分が変化してしまい、嘆く時も多々ありましたが――。失ったものと引き換えに、こういったものも現れた。現代も捨てたものではありませんね」

 風切さんはしみじみと頷き、本当に嬉しそうに車を走らせる。
 F1を走らせてみたいですね――。というか、F1と勝負してみたいですね――。などなど声を弾ませながら語ってくれて、そんな時間が7~8分くらい続いた頃に車が停まりました。

「到着しましたよ。わたくしはここで車のメンテナンスをしています。いってらっしゃいませ」
「ありがとうございます」

 安倍さんと共にお礼を伝えて歩き出し、道を降りていき――

「お待たせしました地栄さん」

 ――畑でせっせと野菜を収穫されていた、この村1番の野菜のプロフェッショナルに挨拶をしたのでした。

「わざわざ悪かったなのさ。ええと、プレゼントのこと、なのさ?」
「はい、そうなんです。地栄さんのご意見を伺いにきました」


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