こちら、あやかし村おこし支援課

柚木ゆず

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第13話 賑 賑?(1)

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「…………明彦。夢じゃ、ないんだよね……?」
「…………清香ちゃん。夢じゃあないんだよね?」
「ええ、夢ではありませんよ」
「はい。夢ではありませんよ」

 放送の翌日。おもわず唖然となっている村長さんと副村長さんに、安倍さんとわたしは同時に頷きをお返しした。
 お二人が、わたしが見ている光景は、紛れもない現実。

『うわ~、ここが天地村かぁ』
『初めて来た~!』

『ほんと。空気がきれ~!』
『全然違うよな?』

『ここ! オープニングで出てたところだ!』
『ね、パパっ。写真撮って~』

 目の前には実際に、多くの観光客の方々がいらっしゃります。

「これまでの積み重ねが、ぞくぞくと形になってきていますね」
「そうですね、安倍さん」

 SNSを再始動させて。試食会を重ねて。プレゼント企画に参加させてもらって。お取り寄せを始めて。テレビ出演をして。
 色々な角度から、興味を集められるようにして。
 ついに、実際に足を運びたい、そう多くの方に思ってもらえるようになった。

「今までもよう、写真を撮影しにきてくれた人はいた。だがよ、ほんの一握りだった」
「一度にこんなに……。しかもあちこちが賑わっているのは、初めてだよ……」

 満席で大忙しだよ――。天地食堂からは、食楽さんの嬉しい悲鳴が届いている。
 ごったがえしていますよ――。天地屋からは、薄光さんの嬉しい悲鳴が届いている。
 写真を撮ってる人が沢山いる――。役場からは、引下さんの嬉しい悲鳴が届いている。
 ここだけじゃない。村のあちこちに、村外の人がいる。

「……アヤ」
「……なんだいシン」
「こりゃあよ。ますますやる気が出るな……!」
「年甲斐もなくはしゃぐんじゃないよ。でもまあ、今日は私も同じ気分だね」

 お二人は心からの笑みを浮かべて各所の応援に向かい、わたし達も続く。

「食楽さん、援軍に参りました」

「薄光さん、こちらはわたしが担当します」

「ようこそ天地村へ。お困りですか?」

「大丈夫だよ。すぐお父さんとお母さんに会えるから、安心してね」

 天地食堂で配膳をしたり、天地屋で補充をしたり、ガイドをしたり、迷子の案内をしたり。自分が出来ることを精一杯行い――そんな慌ただしい時間は、各施設が閉店を迎える午後7時まで続いたのでした。


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