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第6話 昨日の出来事その2~妹達が急変した理由~ ロレッタ視点(2)

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「ジョシュア様は、ステファニーに飽きたり嫌気がさしたのではない。そうだろう?」
「ええ、そうね」「そうだね」

 天井を指さしたお父様に、わたし達は揃って頷く。
 あの方はずっと、お姉様を愛していた。だからわたしが割り込めるように、相応しくないってお話を捏造した。

「だからその言い分は嘘だったと明かせば、関係は元通りになる。運よくアイツとジョシュア様の婚約関係は、来週解消となる予定だった――まだ関係は残ったままだしな。なおさらだろう?」
「そ、それはそうだけど……。あなた、そうしたら……」
「そうしたらジョシュア様やランザルス家の方々に、睨まれちゃうよ……?」

 だって、わたしが興味を持ったから全員で嘘ついて閉じ込めてましたって言うんだもん。今度はそっちに関することで大問題になりそう。

「むろん、そこへの対策もちゃんと用意してある。改心して省みているとステファニーに思わせていれば、そういった問題は一切発生しないさ」

 軟禁や横取りについて謝って生活の水準を上げたら、お姉様は本当に心を入れ替えたと思う。そうしたらお姉様の性格なら『許す』と言って、お姉様が許すならジョシュア様も許そうという気持ちになる。
 お父様は、そう続けた。

「ステファニーはジョシュア様の性癖を知らない、ならば我々が慌てているとも思わない。その言葉はすべて本心だと勘違いする。な、完璧だろう?」
「……確かに、そうね。それなら上手くいくわっ」
「わたしもそう思うっ。じゃあ、お父様お母様っ。始めよっ!」

 そうしてわたし達は動き出し、まずはわたしのお芝居がスタート。

「お姉様っ、奪うなんて言ってごめんなさいっ! あれは撤回しますっ! ジョシュア様に相応しいのはやっぱりお姉様だったわっっ!!」

 自分がどれほどのコトをしてたのか、ようやく気付いた――。そんな風を装ってお姉様に接触し、

「ステファニーっ、こんなところに押し込んでおいて済まなかったなっ。明日からは是非登校し、いつも通りの毎日を過ごしてくれっ!」
「ロレッタを想う気持ちが、暴走してしまったわ。お母さん達もやり過ぎたと気付いて、反省したの。今夜からはちゃんと美味しい食事を用意するから、一緒に食べましょうねっ。しっかり栄養をつけましょうねっ」

 お父様とお母様も続く。そうやってお姉様を解放して、そんなお姉様は軟禁のせいで顔や肌に元気がなくなってしまっている。
 そこでお詫びを兼ねて食事を豪華にしたり、高価な美容液とかをあげたり、有名サロンの人を呼んだりして、とりあえず作戦第1段階は完成っ。それが終わったので作戦第2段階を始め、2週間ぶりにお姉様とジョシュア様を会わせたのだった。


 うんうんっ、きっと上手くいってる。この勢いでドンドン進めていって、少しでも早くジョシュア様とお姉様の関係を元に戻すんだからっ!

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