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第13話 大事な日、真実を知る日 ロレッタ視点(4)
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「どっ、どうしのお父様お母様っ!? どうしちゃったの!?」
「反撃を行うための金がなかった。ようやくそれに気づいたから、お二人はそうなっているのさ」
何度も何度も顔を左右に往復させていたら、正面からまた笑い声が聞こえてきた。
お金が、ない……?
「攻撃をするには、それに長けた人を雇う必要がある。雇うには金がいる。しかもこの手の行動は治安機関にクライアントを悟られないようにする必要があり、費用は更にかさむ。使役に必要な額を、工面できないんだよ」
「そっ、そんなはずない! うちにはちゃんとっ、お金があったんだもん! できないはずなんてない!!」
「そうだね、確かにお金はあった。でもそれは、過去の話。あの9か月間を過ごしたことによって、大半を失ってしまっているのさ」
「9か月!? なんの話をして――……。ぁ……」
やっと、気が付いた。
最上級のエステに、頻繁に通わせていた。高価な服やアクセサリーを、糸目をつけず買っていた。プラチナチケットなどを何度も手に入れて、そのために何度も動き回ってた。
そのせいで、どんどん減ったんだ……。
『もちろんだとも。今日だけは特別だ! 好きな物を買ってあげようっ』
違和感を覚えいた、あの言葉は……。そういう意味、だったんだ……。
「君の両親は、次女のためなら必死になる。だからそこも、狙い通りになった。イメージ通りに動いてくれて、どうもありがとう」
「おっ、お父様お母様っっ!! 言われっぱなしでいいの!? よくないでしょっ!? どうにかならないのっ!?」
「どうにかならないから、この2人はそうなっているのさ。ロレッタちゃん、残念でした。君達の負けだよ」
っっ!! またコイツはわたし達を嘲笑う……!!
「こ、この……っ!! 最低男!! 卑怯者!! クズ男!! 死ねっ! 死ねぇっ!! 惨たらしい死に方をしろぉぉぉぉぉ!!」
「これがかの有名な、捨て台詞。負けを認めた証を耳にするのは、なかなかに良いものだね。もっと続けて、もっと僕を楽しませてよ」
「っっっ!! おっ、お父様お母様っ!! こんな場所にこれ以上居たくない!! もう帰るわよっ!!」
何を言ってもコイツを喜ばせるコトになるんだもん……っ。納得できるはずがないけどっ、もうお仕舞にする! 帰る!!
「おや、お帰りですか。ブロン卿――ああいえ、一応は身内でしたね。親愛なるブロンお義父様、サラサお義母様、義妹のロレッタちゃん、さようなら。僕はそのトマトみたいな顔をまた見たいので、いつでも遊びに来てくださいね」
「っ、ジョシュアぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 攻撃が無理でもっ、違う形で絶対に復讐をしてやるんだからっ!! 必ず、わたしが上に立ってやるんだから!!」
「なるほど、僕の上に立つ。ということは、何かしらで上回る、ということでしょうか? だとすると……客観的に見て最も実現しやすいのは、『資産』ですかね。ああでも、皆さんの懐事情は真冬でした。これはこれは失礼致しました。うっかり、一番実現できないものを口にして――」
「いいわっ、決めたわ!! それにするわ!! 資産で上回ってやるわよ!!」
ここまでコケにされたら、引き下がれない。お父様とお母様も頷いていて、同じ気持ちを抱いてるんだもん! 全員で力を合わせて、そこを超えてやるんだから!!
「見てなさいよ、ジョシュア……!! わたし達は、不可能を可能にする……!!」
「反撃を行うための金がなかった。ようやくそれに気づいたから、お二人はそうなっているのさ」
何度も何度も顔を左右に往復させていたら、正面からまた笑い声が聞こえてきた。
お金が、ない……?
「攻撃をするには、それに長けた人を雇う必要がある。雇うには金がいる。しかもこの手の行動は治安機関にクライアントを悟られないようにする必要があり、費用は更にかさむ。使役に必要な額を、工面できないんだよ」
「そっ、そんなはずない! うちにはちゃんとっ、お金があったんだもん! できないはずなんてない!!」
「そうだね、確かにお金はあった。でもそれは、過去の話。あの9か月間を過ごしたことによって、大半を失ってしまっているのさ」
「9か月!? なんの話をして――……。ぁ……」
やっと、気が付いた。
最上級のエステに、頻繁に通わせていた。高価な服やアクセサリーを、糸目をつけず買っていた。プラチナチケットなどを何度も手に入れて、そのために何度も動き回ってた。
そのせいで、どんどん減ったんだ……。
『もちろんだとも。今日だけは特別だ! 好きな物を買ってあげようっ』
違和感を覚えいた、あの言葉は……。そういう意味、だったんだ……。
「君の両親は、次女のためなら必死になる。だからそこも、狙い通りになった。イメージ通りに動いてくれて、どうもありがとう」
「おっ、お父様お母様っっ!! 言われっぱなしでいいの!? よくないでしょっ!? どうにかならないのっ!?」
「どうにかならないから、この2人はそうなっているのさ。ロレッタちゃん、残念でした。君達の負けだよ」
っっ!! またコイツはわたし達を嘲笑う……!!
「こ、この……っ!! 最低男!! 卑怯者!! クズ男!! 死ねっ! 死ねぇっ!! 惨たらしい死に方をしろぉぉぉぉぉ!!」
「これがかの有名な、捨て台詞。負けを認めた証を耳にするのは、なかなかに良いものだね。もっと続けて、もっと僕を楽しませてよ」
「っっっ!! おっ、お父様お母様っ!! こんな場所にこれ以上居たくない!! もう帰るわよっ!!」
何を言ってもコイツを喜ばせるコトになるんだもん……っ。納得できるはずがないけどっ、もうお仕舞にする! 帰る!!
「おや、お帰りですか。ブロン卿――ああいえ、一応は身内でしたね。親愛なるブロンお義父様、サラサお義母様、義妹のロレッタちゃん、さようなら。僕はそのトマトみたいな顔をまた見たいので、いつでも遊びに来てくださいね」
「っ、ジョシュアぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 攻撃が無理でもっ、違う形で絶対に復讐をしてやるんだからっ!! 必ず、わたしが上に立ってやるんだから!!」
「なるほど、僕の上に立つ。ということは、何かしらで上回る、ということでしょうか? だとすると……客観的に見て最も実現しやすいのは、『資産』ですかね。ああでも、皆さんの懐事情は真冬でした。これはこれは失礼致しました。うっかり、一番実現できないものを口にして――」
「いいわっ、決めたわ!! それにするわ!! 資産で上回ってやるわよ!!」
ここまでコケにされたら、引き下がれない。お父様とお母様も頷いていて、同じ気持ちを抱いてるんだもん! 全員で力を合わせて、そこを超えてやるんだから!!
「見てなさいよ、ジョシュア……!! わたし達は、不可能を可能にする……!!」
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