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エピローグ
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――これは、ジェナとナイラに伝わる有名なお話――。
この世界にある国の一つ、ジェナ。この国ではかつて起きた王族内の醜い争いが原因となり、生まれたばかりの第一王女は隣国・ナイラで伯爵家の令嬢として生きてゆくことになりました。
その少女の名前は、リーズ。彼女は義理の両親によって大事に育てられ、美しく成長したリーズはナイラの王太子フィルマンと婚約を結びます。
ところがフィルマンは、程なく心変わり。邪魔な存在となったリーズは無実の罪を着せられ、投獄されてしまいした。
全く非がないリーズは薄暗い牢屋で嘆き悲しみ、絶望します。
ですが、そんな時でした。滅多に会う事ができなかった、兄のユーグが――ジェナの王太子ディオンが現れ、たった二日間で事件を解決してしまったのです。
国民の前で罪を晒され無様に取り乱し、国王や共犯者のマリー・レーヴァと共に処刑されたフィルマン。
悲劇の少女リーズの人生はそんな彼らのものとは異なり、その出来事を起点として大きく良い方向へと変わってゆきました。
解決後リーズは兄と共に、王・ライノスが待つジェナを生まれて初めて訪問。身内の争いによって引き裂かれた家族は、十七年ぶりの再会を果たしたのでした。
この頃にはすでに、現体制への移行準備が始まっていた――王制の廃止が始まっていたためリーズが王女だった期間は極僅かでしたが、彼女の人生はその後更に輝きます。
国政が安定するまで引き続き国を牽引していた元(もと)王と王太子は、移行して2年後に政界を引退。その後はリーズが生まれ育ったナイラに身を移し、育ての親を含めた6人での生活が始まりました。
生みの親と育ての親は、旧知の間柄。
従者のサーシャは代々ライヤル家を支えてきた、家族同然の存在。
リーズとディオンは、長年お互いを求めていた。
そのため新たな生活は幸せに満ちたものとなり、笑顔が絶えない家と評判になりました。
特に兄のディオンと妹のリーズは、いつも一緒。別々に行動している姿が目撃された事はないほどで、二人は生涯共に隣を歩き続けました。
春はピクニック。夏は海水浴。秋は紅葉狩り。冬は雪見。
どの季節でも、どんな場所でも、ディオンとリーズは仲良し。
二人は血の繋がりがあるため生涯関係性は変わりませんでしたが、その姿を見た人は兄妹であり夫婦と感じていたようです。
悲劇によって長年当たり前のことすらできずにいた、リーズとディオン。しかし二人はすぐに空白を埋め、その後は自他ともに認める素敵な時間を過ごせたのでした。
――これは、ジェナとナイラに伝わる有名なお話――。
両国に建つ、『平和と希望と愛の象徴』となっている兄妹の銅像にまつわるお話――。
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ですが、そんな時でした。滅多に会う事ができなかった、兄のユーグが――ジェナの王太子ディオンが現れ、たった二日間で事件を解決してしまったのです。
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