30 / 33
第17話 その後~レリアSide~ 俯瞰視点(2)
しおりを挟む
サースルク子爵家の新米使用人となった、レリア達。その後2人は――
「ミア様っ、お待たせいたしましたっ! 御所望のアールグレイでございますっ!」
「は? アールグレイ? 私、ダージリンを頼んだのだけれど?」
「えっ⁉ そ、そんな……。確かに、さきほどアールグレイと――」
「なに? それじゃあ私が、嘘をついていると言いたいの?」
「ぇ、そ、それ、は……。その……。とても……申し上げにくい、ことなのですが……。間違いなく、アールグレイと――」
「ふ~ん、私が嘘をついていると言いたいのね? 分かったわ。そんなウソつきに仕えるのは嫌よね? どうぞ辞めてもらって構いませんわ」
「っっ、とっ、とんでもございませんっ!! わっ、わたくしが聞き間違いをしていたみたいですっっ! 失礼致しました!! まことに申し訳ございません!! ただちに作り直してまいりますっ!!」
こんな風に嫌がらせをされたり、
「ねえ見て、レリア。夫様に、指輪を買っていただいたのよ」
「わ、わぁ。お、お綺麗ですねぇ」
「合計2・5カラットもあるのよ。うふふ、いいでしょう? 貴方はもう、絶対に手に出来ないものを持っている。羨ましいでしょう?」
「…………。………………」
「あら? お返事を待っているのだけれど? 貴方はどう感じているのかしら?」
「は、はい。そう、感じておりますっ。羨ましく、感じておりますっっ!」
「そうでしょうそうでしょう。おほほほほっ。おほほほほほほほほっ!」
たっぷりと、自慢をされたり。
レリアは――父ヤニクもストレスが大量に溜まる生活を強いられており、心の中ではいつも感情が爆発していました。
((この……っ。この……っ! この……っっ!!))
ですがこういったものを外に出してしまえばクビになるため、表情や声に出すことはできません。
そのため彼女達は今後もずっと、生涯――。かつて自分が行ったことを、目の前でされ続ける羽目となったのでした――。
※明日の投稿分はベルティーユのその後を描くお話となり、時間が三十数年巻き戻ることとなります。
「ミア様っ、お待たせいたしましたっ! 御所望のアールグレイでございますっ!」
「は? アールグレイ? 私、ダージリンを頼んだのだけれど?」
「えっ⁉ そ、そんな……。確かに、さきほどアールグレイと――」
「なに? それじゃあ私が、嘘をついていると言いたいの?」
「ぇ、そ、それ、は……。その……。とても……申し上げにくい、ことなのですが……。間違いなく、アールグレイと――」
「ふ~ん、私が嘘をついていると言いたいのね? 分かったわ。そんなウソつきに仕えるのは嫌よね? どうぞ辞めてもらって構いませんわ」
「っっ、とっ、とんでもございませんっ!! わっ、わたくしが聞き間違いをしていたみたいですっっ! 失礼致しました!! まことに申し訳ございません!! ただちに作り直してまいりますっ!!」
こんな風に嫌がらせをされたり、
「ねえ見て、レリア。夫様に、指輪を買っていただいたのよ」
「わ、わぁ。お、お綺麗ですねぇ」
「合計2・5カラットもあるのよ。うふふ、いいでしょう? 貴方はもう、絶対に手に出来ないものを持っている。羨ましいでしょう?」
「…………。………………」
「あら? お返事を待っているのだけれど? 貴方はどう感じているのかしら?」
「は、はい。そう、感じておりますっ。羨ましく、感じておりますっっ!」
「そうでしょうそうでしょう。おほほほほっ。おほほほほほほほほっ!」
たっぷりと、自慢をされたり。
レリアは――父ヤニクもストレスが大量に溜まる生活を強いられており、心の中ではいつも感情が爆発していました。
((この……っ。この……っ! この……っっ!!))
ですがこういったものを外に出してしまえばクビになるため、表情や声に出すことはできません。
そのため彼女達は今後もずっと、生涯――。かつて自分が行ったことを、目の前でされ続ける羽目となったのでした――。
※明日の投稿分はベルティーユのその後を描くお話となり、時間が三十数年巻き戻ることとなります。
188
あなたにおすすめの小説
幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ
猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。
そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。
たった一つボタンを掛け違えてしまったために、
最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。
主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?
短編 一人目の婚約者を姉に、二人目の婚約者を妹に取られたので、猫と余生を過ごすことに決めました
朝陽千早
恋愛
二度の婚約破棄を経験し、すべてに疲れ果てた貴族令嬢ミゼリアは、山奥の屋敷に一人籠もることを決める。唯一の話し相手は、偶然出会った傷ついた猫・シエラル。静かな日々の中で、ミゼリアの凍った心は少しずつほぐれていった。
ある日、負傷した青年・セスを屋敷に迎え入れたことから、彼女の生活は少しずつ変化していく。過去に傷ついた二人と一匹の、不器用で温かな共同生活。しかし、セスはある日、何も告げず姿を消す──
「また、大切な人に置いていかれた」
残された手紙と金貨。揺れる感情と決意の中、ミゼリアはもう一度、失ったものを取り戻すため立ち上がる。
これは、孤独と再生、そして静かな愛を描いた物語。
夫の妹に財産を勝手に使われているらしいので、第三王子に全財産を寄付してみた
今川幸乃
恋愛
ローザン公爵家の跡継ぎオリバーの元に嫁いだレイラは若くして父が死んだため、実家の財産をすでにある程度相続していた。
レイラとオリバーは穏やかな新婚生活を送っていたが、なぜかオリバーは妹のエミリーが欲しがるものを何でも買ってあげている。
不審に思ったレイラが調べてみると、何とオリバーはレイラの財産を勝手に売り払ってそのお金でエミリーの欲しいものを買っていた。
レイラは実家を継いだ兄に相談し、自分に敵対する者には容赦しない”冷血王子”と恐れられるクルス第三王子に全財産を寄付することにする。
それでもオリバーはレイラの財産でエミリーに物を買い与え続けたが、自分に寄付された財産を勝手に売り払われたクルスは激怒し……
※短め
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
あなたに嘘を一つ、つきました
小蝶
恋愛
ユカリナは夫ディランと政略結婚して5年がたつ。まだまだ戦乱の世にあるこの国の騎士である夫は、今日も戦地で命をかけて戦っているはずだった。彼が戦地に赴いて3年。まだ戦争は終わっていないが、勝利と言う戦況が見えてきたと噂される頃、夫は帰って来た。隣に可愛らしい女性をつれて。そして私には何も告げぬまま、3日後には結婚式を挙げた。第2夫人となったシェリーを寵愛する夫。だから、私は愛するあなたに嘘を一つ、つきました…
最後の方にしか主人公目線がない迷作となりました。読みづらかったらご指摘ください。今さらどうにもなりませんが、努力します(`・ω・́)ゞ
【完結】私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね
江崎美彩
恋愛
王太子殿下の婚約者候補を探すために開かれていると噂されるお茶会に招待された、伯爵令嬢のミンディ・ハーミング。
幼馴染のブライアンが好きなのに、当のブライアンは「ミンディみたいなじゃじゃ馬がお茶会に出ても恥をかくだけだ」なんて揶揄うばかり。
「私が王太子殿下のお茶会に誘われたからって、今更あわてても遅いんだからね! 王太子殿下に見染められても知らないんだから!」
ミンディはブライアンに告げ、お茶会に向かう……
〜登場人物〜
ミンディ・ハーミング
元気が取り柄の伯爵令嬢。
幼馴染のブライアンに揶揄われてばかりだが、ブライアンが自分にだけ向けるクシャクシャな笑顔が大好き。
ブライアン・ケイリー
ミンディの幼馴染の伯爵家嫡男。
天邪鬼な性格で、ミンディの事を揶揄ってばかりいる。
ベリンダ・ケイリー
ブライアンの年子の妹。
ミンディとブライアンの良き理解者。
王太子殿下
婚約者が決まらない事に対して色々な噂を立てられている。
『小説家になろう』にも投稿しています
居場所を失った令嬢と結婚することになった男の葛藤
しゃーりん
恋愛
侯爵令嬢ロレーヌは悪女扱いされて婚約破棄された。
父親は怒り、修道院に入れようとする。
そんな彼女を助けてほしいと妻を亡くした28歳の子爵ドリューに声がかかった。
学園も退学させられた、まだ16歳の令嬢との結婚。
ロレーヌとの初夜を少し先に見送ったせいで彼女に触れたくなるドリューのお話です。
今更「結婚しよう」と言われましても…10年以上会っていない人の顔は覚えていません。
ゆずこしょう
恋愛
「5年で帰ってくるから待っていて欲しい。」
書き置きだけを残していなくなった婚約者のニコラウス・イグナ。
今までも何度かいなくなることがあり、今回もその延長だと思っていたが、
5年経っても帰ってくることはなかった。
そして、10年後…
「結婚しよう!」と帰ってきたニコラウスに…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる