婚約者マウントを取ってくる幼馴染の話をしぶしぶ聞いていたら、あることに気が付いてしまいました 

柚木ゆず

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第17話 その後~レリアSide~ 俯瞰視点(2)

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 サースルク子爵家の新米使用人となった、レリア達。その後2人は――

「ミア様っ、お待たせいたしましたっ! 御所望のアールグレイでございますっ!」
「は? アールグレイ? 私、ダージリンを頼んだのだけれど?」
「えっ⁉ そ、そんな……。確かに、さきほどアールグレイと――」
「なに? それじゃあ私が、嘘をついていると言いたいの?」
「ぇ、そ、それ、は……。その……。とても……申し上げにくい、ことなのですが……。間違いなく、アールグレイと――」
「ふ~ん、私が嘘をついていると言いたいのね? 分かったわ。そんなウソつきに仕えるのは嫌よね? どうぞ辞めてもらって構いませんわ」
「っっ、とっ、とんでもございませんっ!! わっ、わたくしが聞き間違いをしていたみたいですっっ! 失礼致しました!! まことに申し訳ございません!! ただちに作り直してまいりますっ!!」

 こんな風に嫌がらせをされたり、

「ねえ見て、レリア。ラフェール様に、指輪を買っていただいたのよ」
「わ、わぁ。お、お綺麗ですねぇ」
「合計2・5カラットもあるのよ。うふふ、いいでしょう? 貴方はもう、絶対に手に出来ないものを持っている。羨ましいでしょう?」
「…………。………………」
「あら? お返事を待っているのだけれど? 貴方はどう感じているのかしら?」
「は、はい。そう、感じておりますっ。羨ましく、感じておりますっっ!」
「そうでしょうそうでしょう。おほほほほっ。おほほほほほほほほっ!」

 たっぷりと、自慢をされたり。
 レリアは――父ヤニクもストレスが大量に溜まる生活を強いられており、心の中ではいつも感情が爆発していました。

((この……っ。この……っ! この……っっ!!))

 ですがこういったものを外に出してしまえばクビになるため、表情や声に出すことはできません。
 そのため彼女達は今後もずっと、生涯――。かつて自分が行ったことを、目の前でされ続ける羽目となったのでした――。





 ※明日の投稿分はベルティーユのその後を描くお話となり、時間が三十数年巻き戻ることとなります。

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