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第3話 そう、だったのですね ルロア視点
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「そう、だったのですね。……レアンドル様。長期間お心を煩わせてしまうこととなり、申し訳ございませんでした……」
私達を慮り、伏せて我慢をしてくださっていたこと。そちらを理解した私は、即座に身体を折り曲げ謝罪を行わせていただきました。
あの子は私の妹、家族。ずっと同じ建物の中で暮らしている、誰よりも身近な存在でした。なのに、ずっと気付けなかっただなんて……。情けない話です……。
「しかもソフィーは、一線を超えてしまって……。レアンドル様の人生が、滅茶苦茶になってしまうところでした……。……こちらは、謝って済む問題ではございません。すぐさま父に事情を説明し、しっかりとしたお詫びを――」
「ルロア、それは必要ないよ。一線に関しては想定外で、僕も正しく危険視できていなかった。結局はお相子のようなものなのだから、気に病まないで欲しい」
「けっ、けれどっ。それでは――」
「何度も遮ってごめんね」
ぽん、と――。レアンドル様は私の頭に右手を載せ、優しく撫でてくださりました。
「僕は魅了を仕掛けられたことより、貴方のそういった姿を見る方が辛く苦しいんだよ。だから、お願いします。僕のために、自分を責めるのは止めてくれないかな?」
「……レアンドル、さま……」
「実を言うと魅了は恐ろしくて、内心震えていてね。その恐怖から僕を救えるのは、ルロアのスマイルしかないんだ。ですので僕を、助けてくれませんか?」
「…………レアンドル様、ありがとうございます。そうさせて、いただきます」
ここでまで仰ってくださったのですから、お断りする方が失礼です。私は撫でてくださっている手に両手を添え、謝罪ではなく感謝を込めて頷かせていただきました。
「ですが、ソフィーの罪に関する問題は無視できません。どうにかしなければならないのですが……」
あの子の口ぶりからするに、証拠はすでに抹消されています。そして魅了というものは、形がありませんので……。さっきのように『あれは冗談』や『言っていない』と返されてしまえば、それ以上は追及のしようがありません。
「それに失敗していると気付いたら、新しい手を使ってくるかもしれませんし……。とりあえずは成功したお芝居をする、こちらが賢明でしょうか?」
「ああ、そうだね。だけどそれをするつもりはないよ。たとえ嘘であっても、ルロア以外に『愛している』なんて言いたくないからね」
レアンドル様は即座に首を左右に振られ、そのあと顎に手を当てました。
これはこの方が、考え事をする時の姿勢。そうしてレアンドル様は暫く黙考されて、4分ほどが経過した頃でしょうか。顎に添えられていた右手が、離れました。
「良いアイディアが浮かんだ。これならソフィーを罪に問えて、厳しい罰を与えられるはずだ」
「っ、本当ですかっ? 私にできることがありましたら、なんでもお手伝いをさせていただきますのでっ。お教えくださいっ」
「うん。すぐにそうしたいところだけど、ソフィーがやって来ている。今は説明できそうにないから、とりあえず見ていて」
恐らくショックを受けている私を嗤い、目の前で奪い取ろうとしているのだと思います。ソフィーが自信満々に歩いてきて、やがて彼女は――
私達を慮り、伏せて我慢をしてくださっていたこと。そちらを理解した私は、即座に身体を折り曲げ謝罪を行わせていただきました。
あの子は私の妹、家族。ずっと同じ建物の中で暮らしている、誰よりも身近な存在でした。なのに、ずっと気付けなかっただなんて……。情けない話です……。
「しかもソフィーは、一線を超えてしまって……。レアンドル様の人生が、滅茶苦茶になってしまうところでした……。……こちらは、謝って済む問題ではございません。すぐさま父に事情を説明し、しっかりとしたお詫びを――」
「ルロア、それは必要ないよ。一線に関しては想定外で、僕も正しく危険視できていなかった。結局はお相子のようなものなのだから、気に病まないで欲しい」
「けっ、けれどっ。それでは――」
「何度も遮ってごめんね」
ぽん、と――。レアンドル様は私の頭に右手を載せ、優しく撫でてくださりました。
「僕は魅了を仕掛けられたことより、貴方のそういった姿を見る方が辛く苦しいんだよ。だから、お願いします。僕のために、自分を責めるのは止めてくれないかな?」
「……レアンドル、さま……」
「実を言うと魅了は恐ろしくて、内心震えていてね。その恐怖から僕を救えるのは、ルロアのスマイルしかないんだ。ですので僕を、助けてくれませんか?」
「…………レアンドル様、ありがとうございます。そうさせて、いただきます」
ここでまで仰ってくださったのですから、お断りする方が失礼です。私は撫でてくださっている手に両手を添え、謝罪ではなく感謝を込めて頷かせていただきました。
「ですが、ソフィーの罪に関する問題は無視できません。どうにかしなければならないのですが……」
あの子の口ぶりからするに、証拠はすでに抹消されています。そして魅了というものは、形がありませんので……。さっきのように『あれは冗談』や『言っていない』と返されてしまえば、それ以上は追及のしようがありません。
「それに失敗していると気付いたら、新しい手を使ってくるかもしれませんし……。とりあえずは成功したお芝居をする、こちらが賢明でしょうか?」
「ああ、そうだね。だけどそれをするつもりはないよ。たとえ嘘であっても、ルロア以外に『愛している』なんて言いたくないからね」
レアンドル様は即座に首を左右に振られ、そのあと顎に手を当てました。
これはこの方が、考え事をする時の姿勢。そうしてレアンドル様は暫く黙考されて、4分ほどが経過した頃でしょうか。顎に添えられていた右手が、離れました。
「良いアイディアが浮かんだ。これならソフィーを罪に問えて、厳しい罰を与えられるはずだ」
「っ、本当ですかっ? 私にできることがありましたら、なんでもお手伝いをさせていただきますのでっ。お教えくださいっ」
「うん。すぐにそうしたいところだけど、ソフィーがやって来ている。今は説明できそうにないから、とりあえず見ていて」
恐らくショックを受けている私を嗤い、目の前で奪い取ろうとしているのだと思います。ソフィーが自信満々に歩いてきて、やがて彼女は――
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