姉の婚約者を奪おうとする妹は、魅了が失敗する理由にまだ気付かない

柚木ゆず

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第13話 助けを求めたら ソフィー視点(1)

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「…………。……………………」

 お母様から逃げて高速でノックをして、執務室に飛び込んだ直後。わたしはおもわず、立ち尽くしてしまっていた。
 だって……。扉を閉めて、事情を説明しようとしたら……。

「シュヴァリエ様を対象とした魅了の儀式が、失敗。カーペットに落ちていた別人の毛髪を使ってしまったことによって、傍に居たセリニアにかかってしまった。その結果、お前を愛するようになったのだろう?」

 と、お父様が仰られたのだから……。

「その様子だと、酷い方向に誤算が発生したのだろうな。……悪しき心、行為は、周囲は勿論のこと自身にも悲劇をもたらす。故に、幼少期より正しく導いてきたつもりだったが…………わたしの言葉はすべて、耳を通り抜けてしまっていたようだ」
「…………。………………」
「そしてわたしは一切、そんな事実に――お前の本性、妻の悪行に気付けなかった。今日ほど自分を情けないと感じた日はない」
「…………。………………お、お父様……。どう、して……。そんなところまで……。ご存じ、なんですか…………?」

 やっと動揺が多少収まって、ある程度は喋れるようになった。だから唇と声を震わせながら、目を瞬かせた。
 わたしは長年擬態していて、お父様はアレを確かに冗談だと思っていた!
 なのに今は確信してしまっていて、カーペットに落ちた別人の毛髪、なんて的確に言い当ててもいるっ! どう、なってるの……!?

「それは、とある方が教えてくださったのだよ。お前がよく知っている、あの御方がな」
「っっ! とある方って……!! まさか――」
「ああ、そのまさかだ。……残念だったな、ソフィー。お前は――お前達は終始、この方の手のひらの上だったのだよ」

 その台詞が終わると、執務室の扉が開いて…………。
 ぁ、ぁぁ……。
 お姉ちゃんと……。シュヴァリエ様が、入ってきた…………。





 すみません。ご報告になります。
 先日からの体調不良が、まだ続いておりまして……。その影響により数日間、投稿時間が数時間いつもよりも遅れてしまう可能性があることを、お許しくださいませ(投稿できない日がある、そういった状況にはならないと思いますので、ご安心くださいませ)。
 
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