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第5話 放課後(帰宅後)~マリィとジュリエットの部屋で起きていたこと~ 俯瞰視点(2)
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「テオ様。テオ様は、青色と黒がお好きでしたよね?」
「そうだね。青と黒が、好きな色だね」
「でしたら……。こちらか、こちらの髪留めはいかがでしょうか?」
同じくミラ邸の2階にある、ジュリエット・ミラの自室。現在その部屋にはジュリエットとテオがいて、2人はドレッサーの前でテオに似合うヘアアクセサリーを探していました。
『テオ様。私の為に格好を変えてくださり、ありがとうございます……っ。そのお礼によろしければ、私が持っている髪留めを貰ってくださいませんか?』
今日のお昼休みにジュリエットがこう提案をして、
『そちらのゴムもとっても素敵ですが、違うもので結わえると更に魅力的になると思います。いかがでしょうか……っ?』
『ジュリエットがそう言うのなら、そうなのだろうね。ありがとう、いただくよ』
誰がどう見ても悪化してしまう事なのですが、テオは心でビッグバンが起きているため即諾。こうしてこの部屋では、マリィの部屋とは真逆の空気が漂うようになっていたのです。
「まずお奨めしたいのが、青色のシュシュです。試しに、テオ様の髪を結んでも構いませんか……?」
「ありがとう、ジュリエット。よろしく頼むよ」
テオが椅子に座り、その後ろにジュリエットが立ち、甘い甘い時間が流れます。
ポーカーフェイスにシュシュ&ツインテールは異様なのですが、本人達はそうは感じておりません。そのためこの場には、甘い甘い空気が発生しています。
「………………はい、出来ました。いかが、で、しょう、か……?」
「うん、いいと思う。……ところでジュリエット、なぜそんなにも震えているんだい?」
「す、すみません……っ。テオ様があまりに可愛くて、興奮してしまっています……っ」
「そうか、それは嬉しいよ。では、こちらでほぼ決まりかな?」
プレゼントとしてもらうのは、1つのみ。そうなっているため、テオはにこやかに首を傾けてみせます。
ちなみに。複数プレゼントを断った理由は、非常にシンプル。もらった1つをつけ続けるためです。
「私もそう感じておりますが、もう片方も捨てがたいと考えています。もう一度、髪を触らせていただきますね」
そうして今度はゴシックテイストのリボンで銀髪が結わえられ、その結果――
「ちぇおひゃま……。ひゅひぇきでふぅ……!」(訳 テオ様。素敵です……!)
今度はジュリエットの心の中で、ビッグバンが発生。
彼女の中ではポーカーフェイスとツインテールとゴシック調が奇跡のマリアージュを起こしており、興奮のあまり呂律が回らなくなってしまいました。
「よほぅはいへふぅ。ほりらひひはひまふぉう」(訳 予想外です。こちらに致しましょう……!)
「ふむ、なるほど。ジュリエットは、こちらを推すんだね? ならば決まりだ。このリボンを頂くよ」
強い強い愛の力によってテオはあっさりとジュリエット語を理解し、イスから立ち上がって深々と頭を下げ――。そのあと片膝をつき、自身がつけていたゴムをジュリエットに差し出しました。
「お礼のお礼になってしまうが、感謝の気持ちだ。……こちらは俺が、人生で初めて身につけ共に出歩いたヘアゴムです。受け取っては頂けないでしょうか?」
「っっ。よろふぉんでぇ……! あふぃらほぅごふぁいまふゅぅ……っ」(訳 っっ。喜んで……! ありがとうございます……っ)
紳士的に差し出された白のヘアゴムを受け取り、そうして2人は――
「ジュリエット……!」
「ふぇぉはまぁ……!」(訳 テオ様……!)
互いの背中に手を回し、しっかりと抱擁。言葉と身体で、愛を確かめ合ったのでした。
なお。この瞬間は、午後5時9分。
同時刻、隣の部屋では――。「…………………………もう、起きているのも辛いですわ……。とりあえず、今は寝ましょう……。眠って、何もかも忘れましょう……」と、呟かれていたのでした。
「そうだね。青と黒が、好きな色だね」
「でしたら……。こちらか、こちらの髪留めはいかがでしょうか?」
同じくミラ邸の2階にある、ジュリエット・ミラの自室。現在その部屋にはジュリエットとテオがいて、2人はドレッサーの前でテオに似合うヘアアクセサリーを探していました。
『テオ様。私の為に格好を変えてくださり、ありがとうございます……っ。そのお礼によろしければ、私が持っている髪留めを貰ってくださいませんか?』
今日のお昼休みにジュリエットがこう提案をして、
『そちらのゴムもとっても素敵ですが、違うもので結わえると更に魅力的になると思います。いかがでしょうか……っ?』
『ジュリエットがそう言うのなら、そうなのだろうね。ありがとう、いただくよ』
誰がどう見ても悪化してしまう事なのですが、テオは心でビッグバンが起きているため即諾。こうしてこの部屋では、マリィの部屋とは真逆の空気が漂うようになっていたのです。
「まずお奨めしたいのが、青色のシュシュです。試しに、テオ様の髪を結んでも構いませんか……?」
「ありがとう、ジュリエット。よろしく頼むよ」
テオが椅子に座り、その後ろにジュリエットが立ち、甘い甘い時間が流れます。
ポーカーフェイスにシュシュ&ツインテールは異様なのですが、本人達はそうは感じておりません。そのためこの場には、甘い甘い空気が発生しています。
「………………はい、出来ました。いかが、で、しょう、か……?」
「うん、いいと思う。……ところでジュリエット、なぜそんなにも震えているんだい?」
「す、すみません……っ。テオ様があまりに可愛くて、興奮してしまっています……っ」
「そうか、それは嬉しいよ。では、こちらでほぼ決まりかな?」
プレゼントとしてもらうのは、1つのみ。そうなっているため、テオはにこやかに首を傾けてみせます。
ちなみに。複数プレゼントを断った理由は、非常にシンプル。もらった1つをつけ続けるためです。
「私もそう感じておりますが、もう片方も捨てがたいと考えています。もう一度、髪を触らせていただきますね」
そうして今度はゴシックテイストのリボンで銀髪が結わえられ、その結果――
「ちぇおひゃま……。ひゅひぇきでふぅ……!」(訳 テオ様。素敵です……!)
今度はジュリエットの心の中で、ビッグバンが発生。
彼女の中ではポーカーフェイスとツインテールとゴシック調が奇跡のマリアージュを起こしており、興奮のあまり呂律が回らなくなってしまいました。
「よほぅはいへふぅ。ほりらひひはひまふぉう」(訳 予想外です。こちらに致しましょう……!)
「ふむ、なるほど。ジュリエットは、こちらを推すんだね? ならば決まりだ。このリボンを頂くよ」
強い強い愛の力によってテオはあっさりとジュリエット語を理解し、イスから立ち上がって深々と頭を下げ――。そのあと片膝をつき、自身がつけていたゴムをジュリエットに差し出しました。
「お礼のお礼になってしまうが、感謝の気持ちだ。……こちらは俺が、人生で初めて身につけ共に出歩いたヘアゴムです。受け取っては頂けないでしょうか?」
「っっ。よろふぉんでぇ……! あふぃらほぅごふぁいまふゅぅ……っ」(訳 っっ。喜んで……! ありがとうございます……っ)
紳士的に差し出された白のヘアゴムを受け取り、そうして2人は――
「ジュリエット……!」
「ふぇぉはまぁ……!」(訳 テオ様……!)
互いの背中に手を回し、しっかりと抱擁。言葉と身体で、愛を確かめ合ったのでした。
なお。この瞬間は、午後5時9分。
同時刻、隣の部屋では――。「…………………………もう、起きているのも辛いですわ……。とりあえず、今は寝ましょう……。眠って、何もかも忘れましょう……」と、呟かれていたのでした。
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