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第6話 気を取り直して、作戦の準備をスタート! マリィ&俯瞰視点(2)

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「……………………もしかして……。証拠として撮った写真は、わたくしだと見抜かれてしまう……?」

 そんな不安が湧き上がり、あっという間にソレが心の中を埋め尽くしてしまった。
 彼は、0・1%の違いを見抜いた人。その可能性は、大いにあり得ますわ。

「け、けれどっ。それでも、今回は無理ですわっ。不可能ですわっっ!」

 なぜなら写真内にいるのは、お姉様そのものなわたくし。おまけに盗み撮りなため距離もあって、くだんの筆跡のように間近で確認はできない。
 おまけにこのウィッグはわたくしの地毛を集めて作っていて、そのためウィッグには見えないクオリティー。更にわたくし達の髪質はほぼ同じで、実際に触られない限り気付かれませんわっ。

「だから――」

『失礼。その脅迫状を、近くで見せてもらえるかな』

 不安をかき消そうとしていると、またテオ様の言葉が蘇ってくる。
 そしてソレと一緒に、

『聴取の結果、マイリスの動機は『嫉妬』――俺がジュリエットと仲良くしている事が許せなかったそうだ。そこで第2第3のマイリスを生み出さぬよう、ジュリエットが嫉妬されないようにしたのだよ』

 ツインテールと、大きな丸眼鏡。今朝の異様な姿も、蘇ってきた。

「……………………あの方はお姉様が絡むと、様々な面が異常になる。……平然と、不可能を可能にしそうですわ……」

 例えば『月光を受けた髪の毛の光具合が極僅かに違う』とか、軽々と常識を超えてきそうな気がする。
 作戦その3はリスキーで、写真は偽者とバレる=わたくしの仕業とバレてしまう。そうなればお仕舞いで、ソレは絶対に回避しなければなりませんわ。

「…………とはいえ、新たな作戦を立てている余裕はありません。ほんの僅かでも追及されそうな部分に対策を施し、その上で実行しましょう」

 まずは、『髪の毛の光具合が極僅かに違う』対策。これは、帽子をかぶって髪の毛の大半を隠しましょう。
 よくよく考えてみれば、悪事を働く時は堂々とはしていない。むしろ、着帽は自然ですわよね。

「これで、一つ目はよし。二つ目について、考えましょう……」

 改めて鏡に映っている自分を熟視して、指摘されそうなポイントを探し始める。
 相手は、お姉様限定の驚異的な鑑定眼の持ち主。徹底的に、やりましょう……!


   〇〇

 そうして意気込み、詰めの作業をスタートさせたマリィ。
 その時の彼女は、知る由もありません。この行動がその後、大きな大きなショックをもたらす羽目になってしまう事を。

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