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補完編その4 貴重品を盗んだ作戦(作戦その2)、失敗の裏側 俯瞰視点(2)完全版
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「…………よし、できたぞ。今回はポンパドールというものにして、ウェリントンタイプの眼鏡にしてみた。これはどうだ?」
「これも、テオ様ならそれなりに似合っています。もっと、欲しいですね」
「そうか……。では、これはどうだ?」
次にテオが採用した組み合わせは、メッシーバン×モノクル。ただしモノクルは2つ、左右に1つずつ付いています。
「ハッキリ言って、かなり気持ち悪くなりました。ですが、モノクロ2つはやり過ぎです。たとえジュリエット様が意図を理解されていたとしても、不安になってしまいますよ」
「酷すぎては、ジュリエットに迷惑がかかってしまうな。仕方がない、別のものにしよう」
テオは再び、本――母親から借りたものを見つめ、テキパキと頭と顔にアレンジを施します。
2人での追及が始まって、3つ目の組み合わせ。それは、フィッシュボーン×大きめのバタフライタイプの眼鏡(父親がその昔、仮装用に購入)となりました。
「ライアンス。これは、どうかな?」
「背中が、ぞわっとしますね。先程とは別のベクトルで不安になります」
「ならば、ボツだな。だとしたら………………………これはどうだろうか?」
今度の組み合わせは、オールバック+お団子×フォックスタイプの眼鏡。今回は髪の毛に、複数のアレンジを取り入れてみたようです。
「……今度は逆に、インパクトがグッとなくなってしまいましたね。この組み合わせよりは、もっと欲しいです」
「なるほど……。では――」
「あえて、シンプルに。これはどうだ?」
「今一つですね。普通の三つ編みは、むしろテオ様のお顔を引き立ててしまいます」
「…………。もっと、攻めないといけないな」
「ライアンス。こちらは、どうだ?」
「だからモノクル2つは駄目ですってば! 小さければいいって事ではありませんからねっっ!?」
「こうなったら……。スキンヘッドと鼻眼鏡も、ありか……?」
「絶対になしです。他の髪型を考えてください」
こんな感じで色々なことがあり、追求が始まって約1時間半後。2人は食事を後回しにして相談を続け、ついに――
「ツインテールと、丸眼鏡。これは、絶妙なバランスじゃないか?」
「そう、ですね。これまでで最も、絶妙な組み合わせだと思います」
銀髪ツインテール、似合っておらず程よく気持ち悪い。大きめの丸眼鏡、似合っておらず良い感じに気持ち悪い。
ついに――。テオとライアンスは、納得のいく組み合わせに辿り着いたのです。
「これでしたら周囲の興味は消失しますし、ジュリエット様も耐えられると思います。ツインテールは盲点でしたね」
「こういうシンプルは、武器になってくれるのだな。これでようやく、登校できる。ライアンス、協力してくれてありがとう」
そうして2人は大急ぎで朝食を摂り、出発。その結果ニナを唖然とさせて彼女の作戦を台無しにして、
「素敵です……っ。テオ様の良さが引き立てられていて、その……っ。とっても、お似合いですよ……っ」
愛しの人・ジュリエットが、大喜びする事になるのでした。
「これも、テオ様ならそれなりに似合っています。もっと、欲しいですね」
「そうか……。では、これはどうだ?」
次にテオが採用した組み合わせは、メッシーバン×モノクル。ただしモノクルは2つ、左右に1つずつ付いています。
「ハッキリ言って、かなり気持ち悪くなりました。ですが、モノクロ2つはやり過ぎです。たとえジュリエット様が意図を理解されていたとしても、不安になってしまいますよ」
「酷すぎては、ジュリエットに迷惑がかかってしまうな。仕方がない、別のものにしよう」
テオは再び、本――母親から借りたものを見つめ、テキパキと頭と顔にアレンジを施します。
2人での追及が始まって、3つ目の組み合わせ。それは、フィッシュボーン×大きめのバタフライタイプの眼鏡(父親がその昔、仮装用に購入)となりました。
「ライアンス。これは、どうかな?」
「背中が、ぞわっとしますね。先程とは別のベクトルで不安になります」
「ならば、ボツだな。だとしたら………………………これはどうだろうか?」
今度の組み合わせは、オールバック+お団子×フォックスタイプの眼鏡。今回は髪の毛に、複数のアレンジを取り入れてみたようです。
「……今度は逆に、インパクトがグッとなくなってしまいましたね。この組み合わせよりは、もっと欲しいです」
「なるほど……。では――」
「あえて、シンプルに。これはどうだ?」
「今一つですね。普通の三つ編みは、むしろテオ様のお顔を引き立ててしまいます」
「…………。もっと、攻めないといけないな」
「ライアンス。こちらは、どうだ?」
「だからモノクル2つは駄目ですってば! 小さければいいって事ではありませんからねっっ!?」
「こうなったら……。スキンヘッドと鼻眼鏡も、ありか……?」
「絶対になしです。他の髪型を考えてください」
こんな感じで色々なことがあり、追求が始まって約1時間半後。2人は食事を後回しにして相談を続け、ついに――
「ツインテールと、丸眼鏡。これは、絶妙なバランスじゃないか?」
「そう、ですね。これまでで最も、絶妙な組み合わせだと思います」
銀髪ツインテール、似合っておらず程よく気持ち悪い。大きめの丸眼鏡、似合っておらず良い感じに気持ち悪い。
ついに――。テオとライアンスは、納得のいく組み合わせに辿り着いたのです。
「これでしたら周囲の興味は消失しますし、ジュリエット様も耐えられると思います。ツインテールは盲点でしたね」
「こういうシンプルは、武器になってくれるのだな。これでようやく、登校できる。ライアンス、協力してくれてありがとう」
そうして2人は大急ぎで朝食を摂り、出発。その結果ニナを唖然とさせて彼女の作戦を台無しにして、
「素敵です……っ。テオ様の良さが引き立てられていて、その……っ。とっても、お似合いですよ……っ」
愛しの人・ジュリエットが、大喜びする事になるのでした。
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みんなの感想(181件)
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設定や展開はザマァ系なのに、俯瞰視点とかナレーション部分が おとぎ話風で、悪夢のグロさはホラーで、なんて多彩なギャップ。。。(笑)
こういう話には珍しく、両家の両親、ほぼ空気だし。。。(笑)
補完編、中断に伴う削除予定分が2話、残ったままになってますよ~。
seraia様。わざわざ感想をくださり、ありがとうございます。
そうなのですよね。
こちらはちょっと、色んな要素を入れすぎてしまいました(笑)。
改めて見返してみましたら……。詰め込んでるなと、自分でも思います(笑)。
補完編なのですが。
こちらに栞を挟んでくださっている方が、実はかなりいらっしゃいまして。
そのため、現在もまだ、ストップしている状態となっております。
消してしまうと、栞も消えてしまいますので……。難しいところですね……。
退会済ユーザのコメントです
平沢美月様。通知を見落としてしまっており、お返事が遅くなってしまい申し訳ございません。
笑っていただけて、嬉しいです……っ。
彼は素で、ああいったことをする人になっておりますので。周りの人は、大変ですよね(笑)。
普段いる分には、気づきませんが。
中身は、ああなっております……っ。
テオさんの努力が報われた(〃´o`)=3
ジュリエット大喜び💖
鍋様。わざわざ感想をくださり、ありがとうございます。
ジュリエットは、大喜びでしたね(笑)。
もしかすると……。今回試したもの全てに、喜ぶのかもしれませんね。
彼女も、テオとそっくり、ですので(笑)。