お姉様。ずっと隠していたことをお伝えしますね ~私は不幸ではなく幸せですよ~

柚木ゆず

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エピローグその1 その後のマルグリット~トドメの事実~ 俯瞰視点(1)

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「……クロード、ティナ、認めるわ。わたし達の負けだとね」

 裁判にかけられ懲役27年の刑が宣告され、収監されてから1か月後。マルグリットは消沈、してはいませんでした。
 狭く薄暗い牢屋の中には、にやりと不気味な薄笑いを浮かべる元子爵令嬢の姿がありました。

「でも――くふふ、完全に負けてはいない。6対4で、わたし達の負けよ」

 それは、強がりではありません。マルグリットは心からそう思っていました。
 なぜならば――

 ティナとクロードに、特大のダメージを与えられると確定しているから。

 騙されていると知らずに事業の準備をしていたことと、件の監禁と脅迫の計画を進めたこと。それによりハーオット子爵家の財はマイナス、借金まで発生していました。
 更には作戦が大失敗となったことで当主が突如不在となり、ハーオット子爵家はあまりにも不安定な状態となりました。

「借金と、内部の酷いゴタゴタ。そんなものが合わさったら、もっともっと滅茶苦茶になる。ティナが大切にしていた領民も、様々な形でおっきなダメージを受けることになるのよねぇ」

 ラファオール家の力を借りたとしても、今回空いた『穴』は簡単には防げない。今から対処していても手遅れで、それを痛感してティナはショックを受ける。
 ショックを受けたティナを見て、クロードもショックを受ける。

 だから、6対4。
 だから、完全なる負けじゃない。

 そんな考えがあるため――しっかりとお返しできると確信しているため、マルグリットはこのような表情を作っていたのです。

「お前たちのせいで家や領地や領民が大変なことになってしまった!! クロード? ティナ? それとも、ラファオール家の関係者かしら? 誰かしらの怒りが耳に入る日が、楽しみだわ」

 そうしてマルグリットは今日も腹黒く笑い、その時の訪れを心待ちにしていたのですが――。そんな表情は、僅か十七分後に一変することとなりました。
 なぜならば、突如看守によって面会室へと移動させられ――

「久しぶりだね元お義姉様。今日は君に、報告をしに来たんだ。君が気にかけている・・・・・・・領民たちは、以前よりも幸せに暮らしている。という報告をしにね」

 ガラスの向こうで、クロードが信じられないことを口にしたからです。
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