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エピローグその2 その後のティナとクロード~あの時、出来なかったこと~ 俯瞰視点(2)
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「……わたしクロードは、最愛の人ティナを生涯愛すると誓います」
「……わたしティナは、最愛の人クロードを生涯愛すると誓います」
純白のタキシードとドレスを纏った二人が向かった場所、それはラファオール伯爵領内にある教会。クロードとティナはかつて式を挙げた場所を訪れ、改めて二人だけの結婚式を行っていたのです。
『昨日素敵な式が終わり、今日から貴方は完全にラファオール伯爵家の一員となるのよね。おめでとう。お優しくって、美しくて、しかも大きな商会の次期会頭。あんなにも素晴らしい方と夫婦になれるだなんて、わたし羨ましいわぁ』
この国の伝統、『翌日新郎が新婦を迎えに行く』。それがあるため――迎えに行くまでに危害を加えられる可能性があったため、式でも演技をしておく必要がありました。
時折、暗い顔をしなくてはなりませんでした。
そのため二人は偽りのない本物の式を挙げ直したいと考えており、今日――ちょうど1年後のこの日に、実行することにしていたのです。
「…………クロード様。私の姉や両親は、あのような方々で……。ありがたいお言葉をいただいた時は、いくつもの不安要素がありました」
「そうだね。あの時は、たくさんあったね」
「ですがそれらは全て、クロード様が取り除いてくださりました」
安全に婚約と結婚を行う、アイディアを出してくれたこと。その後も先手を打ち続けて、領民たちの日常をも守ってくれたこと。
ティナは一つ一つを振り返り、その一つ一つに対し感謝の言葉を告げました。
「今こうして私が安心して幸せを感じられているのは、貴方様が居てくださったからです。……クロード様、ありがとうございます」
「どういたしまして。……ティナ。こちらこそ、ありがとう」
柔らかく目尻を下げていたクロードは、自身の頬に左手を、自身の胸元に右手を添えました。
「今こんな表情をできているのは、心の中がこんなにも幸福で満たされているのは、目の前に君が居てくれて、笑ってくれているから。たくさんの幸せを、ありがとう」
彼もまた同じように最愛の人に感謝を告げ、それが終わると――
「………………」
「………………」
――二人は穏やかに微笑み合い、そんな二つの顔は静かに、ゆっくりと近づいてゆきます。そうして顔と顔の距離は縮まってゆき、やがて0となって――
「大好きだよ、ティナ」
「大好きです、クロード様」
二人は確かな真実を告げながら、キス。あの時とは異なり『本物の口づけ』を交わし、愛情を全面に表しながらそっと、強く、抱き締め合ったのでした――。
こうしてティナとクロードは真の結婚式を終え、『二人で行いたかったこと』は全てが実現しました。ですがソレは終わりではなく、新たな『始まり』を告げる合図となります。
二人で行いたいこと。
最愛の人が傍にいるため、二人にはどんどんと『これから一緒に行いたいこと』が湧いてきます。ですのでこれからもティナとクロードは沢山の思い出を作ってゆき、沢山の幸せに包まれてゆくことになるのでした――。
「……わたしティナは、最愛の人クロードを生涯愛すると誓います」
純白のタキシードとドレスを纏った二人が向かった場所、それはラファオール伯爵領内にある教会。クロードとティナはかつて式を挙げた場所を訪れ、改めて二人だけの結婚式を行っていたのです。
『昨日素敵な式が終わり、今日から貴方は完全にラファオール伯爵家の一員となるのよね。おめでとう。お優しくって、美しくて、しかも大きな商会の次期会頭。あんなにも素晴らしい方と夫婦になれるだなんて、わたし羨ましいわぁ』
この国の伝統、『翌日新郎が新婦を迎えに行く』。それがあるため――迎えに行くまでに危害を加えられる可能性があったため、式でも演技をしておく必要がありました。
時折、暗い顔をしなくてはなりませんでした。
そのため二人は偽りのない本物の式を挙げ直したいと考えており、今日――ちょうど1年後のこの日に、実行することにしていたのです。
「…………クロード様。私の姉や両親は、あのような方々で……。ありがたいお言葉をいただいた時は、いくつもの不安要素がありました」
「そうだね。あの時は、たくさんあったね」
「ですがそれらは全て、クロード様が取り除いてくださりました」
安全に婚約と結婚を行う、アイディアを出してくれたこと。その後も先手を打ち続けて、領民たちの日常をも守ってくれたこと。
ティナは一つ一つを振り返り、その一つ一つに対し感謝の言葉を告げました。
「今こうして私が安心して幸せを感じられているのは、貴方様が居てくださったからです。……クロード様、ありがとうございます」
「どういたしまして。……ティナ。こちらこそ、ありがとう」
柔らかく目尻を下げていたクロードは、自身の頬に左手を、自身の胸元に右手を添えました。
「今こんな表情をできているのは、心の中がこんなにも幸福で満たされているのは、目の前に君が居てくれて、笑ってくれているから。たくさんの幸せを、ありがとう」
彼もまた同じように最愛の人に感謝を告げ、それが終わると――
「………………」
「………………」
――二人は穏やかに微笑み合い、そんな二つの顔は静かに、ゆっくりと近づいてゆきます。そうして顔と顔の距離は縮まってゆき、やがて0となって――
「大好きだよ、ティナ」
「大好きです、クロード様」
二人は確かな真実を告げながら、キス。あの時とは異なり『本物の口づけ』を交わし、愛情を全面に表しながらそっと、強く、抱き締め合ったのでした――。
こうしてティナとクロードは真の結婚式を終え、『二人で行いたかったこと』は全てが実現しました。ですがソレは終わりではなく、新たな『始まり』を告げる合図となります。
二人で行いたいこと。
最愛の人が傍にいるため、二人にはどんどんと『これから一緒に行いたいこと』が湧いてきます。ですのでこれからもティナとクロードは沢山の思い出を作ってゆき、沢山の幸せに包まれてゆくことになるのでした――。
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完結おめでとうございます!
マルグリットちゃん、逞しかった……
だけどクロード様の方が役者が一枚上でしたね(笑)
毎日の投稿、本当にありがとうございました☆彡
くろいゆき様。わざわざ感想をくださり、ありがとうございます。
おっしゃる通りでして。もっといい方向に生かせていれば、結末は大きく変わっていたと思います。
ですが妹からの忠告には、一切耳を貸さず。そのうえ、あのようなことをして。さんざん、傷つけてきましたので。
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こういったことに、なってしまいました。
くろいゆき様。お返事が遅くなってしまい、申し訳ございません。わざわざ感想をくださり、ありがとうございます。
姉。彼女は、ああいった性格ですので。何度も何度も、しつこく立ち上がってきました。
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やはり、こういった状況ですので。今度の一撃は、相当効いたようですね。
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