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第12話 その後~ピエール達の場合~ 俯瞰視点(1)
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「ひぃぃぃぃぃぃぃ……! ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……!!」
「ぁぁぁぁぁぁぁぁ……! ぁぁあああああああああ……!!」
ピエールとダニエルが、乱暴に馬車に放り込まれてから12時間後。2人は引き続き後ろ手に拘束をされ、車内で全身を激しく震わせていました。
「なっ、なあっ! なあ! 教えておくれよっ! ぼくらはっ、どこに連れていかれるんだぁっ!?」
「頼むっ! 何も知らないのは、怖いのだ!! そっ、それくらいは構わないだろうっ!? 教えてくれっっ……!!」
2人は歯をガタガタと言わせながら、同じく車内にいる仮面の男達に訴えます。ですが――
「「「「「………………」」」」」
――彼らが口を開くことは、ありません。2人が何を言っても、何を叫んでも、反応すら一切なく、いつまでもピエールとダニエルの不安が消えることはありませんでした。
それどころか――。
時間に比例して恐怖は増してゆき、彼らはまるで極寒にいるかの如き寒さを感じるようになっていました。
「おっ、お願いだっ! 知りたいんだっ! お願いしますっ!! どうかっ、どうかぁぁぁっ!」
「ひっ、ヒントだけでも! 教えてっ、くださいっ!! 怖くてっ、こわいんですぅぅぅぅううう!!」
「「「「「………………」」」」」
その後も何十回も訴えましたが、反応はなし。恐怖のあまり2人は合わせて計5回も失禁してしまいましたが、それでも反応なし。
「こ、こわいこわこわいこわいこわいぃ……!!」
「こわいっ、こわいこわいこわいこわいこわい……!!」
「「「「「………………」」」」」
何をやっても、駄目。そんな辛い辛い時間が更に5時間ほど過ぎ、合わせて17時間が経った頃でした――。
「着いたぞ。降りろ」
ようやく馬車が停まり、ようやく男は喋ってくれました。ですので、
「よかった……! よかった……っ」
「よかった……っ。よかった……!」
2人はおもわず安堵の笑みを零しますが、彼らはすっかり忘れてしまっていました。まだ本当の恐怖は、始まってすらいなかったことを。
「ぁぁぁぁぁぁぁぁ……! ぁぁあああああああああ……!!」
ピエールとダニエルが、乱暴に馬車に放り込まれてから12時間後。2人は引き続き後ろ手に拘束をされ、車内で全身を激しく震わせていました。
「なっ、なあっ! なあ! 教えておくれよっ! ぼくらはっ、どこに連れていかれるんだぁっ!?」
「頼むっ! 何も知らないのは、怖いのだ!! そっ、それくらいは構わないだろうっ!? 教えてくれっっ……!!」
2人は歯をガタガタと言わせながら、同じく車内にいる仮面の男達に訴えます。ですが――
「「「「「………………」」」」」
――彼らが口を開くことは、ありません。2人が何を言っても、何を叫んでも、反応すら一切なく、いつまでもピエールとダニエルの不安が消えることはありませんでした。
それどころか――。
時間に比例して恐怖は増してゆき、彼らはまるで極寒にいるかの如き寒さを感じるようになっていました。
「おっ、お願いだっ! 知りたいんだっ! お願いしますっ!! どうかっ、どうかぁぁぁっ!」
「ひっ、ヒントだけでも! 教えてっ、くださいっ!! 怖くてっ、こわいんですぅぅぅぅううう!!」
「「「「「………………」」」」」
その後も何十回も訴えましたが、反応はなし。恐怖のあまり2人は合わせて計5回も失禁してしまいましたが、それでも反応なし。
「こ、こわいこわこわいこわいこわいぃ……!!」
「こわいっ、こわいこわいこわいこわいこわい……!!」
「「「「「………………」」」」」
何をやっても、駄目。そんな辛い辛い時間が更に5時間ほど過ぎ、合わせて17時間が経った頃でした――。
「着いたぞ。降りろ」
ようやく馬車が停まり、ようやく男は喋ってくれました。ですので、
「よかった……! よかった……っ」
「よかった……っ。よかった……!」
2人はおもわず安堵の笑みを零しますが、彼らはすっかり忘れてしまっていました。まだ本当の恐怖は、始まってすらいなかったことを。
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