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第12話 その後~ピエール達の場合~ 俯瞰視点(3)
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「父上。意外と、この生活も悪くないな」
「うむ、そうだな。最悪な出来事ではあったが、最低ではなかったようだ」
小さな山小屋が住居となってから、6日後。あんなに怯えていたピエールとダニエルには、すっかり余裕が生まれていました。
逃走などを監視する目は山の麓にしかなく、普段は自由に過ごせること。
ノルマなどはなく、適当に働くだけでOKなこと。
食べ物や水などは、隔日で用意されること。
それらの『安定』『安泰』によって恐怖心はなくなり、それによって――。2人の中には、ある企みが生まれていました。
「……適当に働き、食料や衣類を提供させる。つまりそれは?」
「あちらが損をしている、ということだな!」
自分達が用意するものより、ベンジャミンが用意するものの方が金や労力がかかる。2人はそこに目をつけ、こういった形で反撃をしようと決めたのでした。
「僕達を苦しめているつもりが、実はそうとは言い切れない状況だった。実際は作業以上の見返りを与えてしまっていて、一種の奉仕をしてしまっていた!」
「滑稽だっ! 最高だっ! 哀れ極まりない! 真の勝者は、我々だったということだ!」
それに気付かず、今頃は満足しているのだろう――。間抜けめ――。
ピエールとダニエルは、パンと干し肉――配給されたものを食べながら大笑いをして、水が入ったコップで乾杯を行います。そうして2人は長い間大笑いをして、
「父上。明日も」
「たっぷりと、もらってやろうじゃないか」
この生活になって初めて、上機嫌で眠りにつきました。そして彼らは同じく初めて、最高の気分で目を覚ますのですが――。
いつものようにやって来た7名の男性に収穫を渡し、支給品を受け取る際のことです。不意に、2人の精神状態が180度変更するものを告げられてしまったのでした。
「「な!? 今日からノルマがある!? 達成できなかったら、殺される!?」」
「うむ、そうだな。最悪な出来事ではあったが、最低ではなかったようだ」
小さな山小屋が住居となってから、6日後。あんなに怯えていたピエールとダニエルには、すっかり余裕が生まれていました。
逃走などを監視する目は山の麓にしかなく、普段は自由に過ごせること。
ノルマなどはなく、適当に働くだけでOKなこと。
食べ物や水などは、隔日で用意されること。
それらの『安定』『安泰』によって恐怖心はなくなり、それによって――。2人の中には、ある企みが生まれていました。
「……適当に働き、食料や衣類を提供させる。つまりそれは?」
「あちらが損をしている、ということだな!」
自分達が用意するものより、ベンジャミンが用意するものの方が金や労力がかかる。2人はそこに目をつけ、こういった形で反撃をしようと決めたのでした。
「僕達を苦しめているつもりが、実はそうとは言い切れない状況だった。実際は作業以上の見返りを与えてしまっていて、一種の奉仕をしてしまっていた!」
「滑稽だっ! 最高だっ! 哀れ極まりない! 真の勝者は、我々だったということだ!」
それに気付かず、今頃は満足しているのだろう――。間抜けめ――。
ピエールとダニエルは、パンと干し肉――配給されたものを食べながら大笑いをして、水が入ったコップで乾杯を行います。そうして2人は長い間大笑いをして、
「父上。明日も」
「たっぷりと、もらってやろうじゃないか」
この生活になって初めて、上機嫌で眠りにつきました。そして彼らは同じく初めて、最高の気分で目を覚ますのですが――。
いつものようにやって来た7名の男性に収穫を渡し、支給品を受け取る際のことです。不意に、2人の精神状態が180度変更するものを告げられてしまったのでした。
「「な!? 今日からノルマがある!? 達成できなかったら、殺される!?」」
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