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第9話 2人目の『敵』たち アデライド視点(3)
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「え? は、はい。いかがなさ」
「貴方に質問がありますの。正直に答えてくださいまし」
振り返りながら口にしていたわたしの言葉は遮られ、怖い顔したネリー・アメロルスがずいっと距離を詰めて来た。
「しょ、承知いたしました。ど、どんな質問、なのでしょうか……?」
「…………貴方……。アンリとどういう関係ですの?」
もしも視線に破壊力があるのなら、即死してしまいそうなほど。そのくらい鋭い視線がわたしに注がれる。
「わたくしのアンリと、どういう関係ですの?」
「ど、どう……? 普通の、関係、です。先ほどのように、お会いした時にお話しさせていただく関係です」
「……本当に……?」
ぎろり。ただでさえ鋭かった視線が、更に鋭利になった。
「わたくしには、そうは思えないんですのよねぇ?」
「そ、それは、どういった理由で……?」
「わたくし、ちゃぁ~んと聞いてましたのよ。アンリが、貴方を名前で呼ぼうとしていたのをね」
『あでら――失礼。ルーヴァローテ様とこうしてお会いするのは、久しぶりですね。一か月半ぶり、でしょうか?』
確かにあの時、アンリはアデライドと言いかけて止めた。
「……アンリはねぇ、親しい人間しか名前で呼びませんのよぉ? そんなアンリが、名前呼びをした。しようとした。そして!!」
「そ、そして……?」
「それを、慌てて撤回した。隠した。だからねぇ、わたくし、問いただしにきましたの。アンリと貴方は、わたくしの知らないところで繋がっているんじゃないかって? 不埒な関係になっているんじゃないかって? ね」
ネリー・アメロルス。彼女は普段はとても優しい淑女なのだけれど、婚約者アンリが関わると――自分以外の女性を見ていると感じると、豹変して凶暴化する。
その結果――
浮気相手と勘違いして、アデライドを殺害してしまう。
今言及していることなどで怒りが溜まっている上に、この人は『アンリは自分から浮気なんてしない! 浮気したのは誘惑されたからだ!! よくも誘惑したな!!』という思考回路の持ち主。そういった性質を元凶に利用されてしまい、アデライドを刺殺してしまうのだ。
「どうなの? 教えて頂戴。正直に教えて頂戴。ねえ。ねえ? どうなの?」
「そういった関係はございません。わたしには最愛の人がおりまして、他の方に興味はございませんし、そのような不貞は働きません」
「へぇ~。じゃあどうして、さっきアンリは貴方を名前で呼ぼうとして慌ててやめたのかしらねぇ?」
その答えは、彼女の婚約者アンリ・フォムイエは元凶に金で雇われた『駒』だから。
――ネリーがアデライトとの浮気を疑うような素振りを見せろ――。
今回のようにしばらく前から『仕込み』を行われていて、ネリーの脳内はすっかり疑惑だらけになっている。
なので、いくらこの場で否定しても信用しない。質問をしているものの、結論ありきで動く人間になってしまっているのです。
「貴方に質問がありますの。正直に答えてくださいまし」
振り返りながら口にしていたわたしの言葉は遮られ、怖い顔したネリー・アメロルスがずいっと距離を詰めて来た。
「しょ、承知いたしました。ど、どんな質問、なのでしょうか……?」
「…………貴方……。アンリとどういう関係ですの?」
もしも視線に破壊力があるのなら、即死してしまいそうなほど。そのくらい鋭い視線がわたしに注がれる。
「わたくしのアンリと、どういう関係ですの?」
「ど、どう……? 普通の、関係、です。先ほどのように、お会いした時にお話しさせていただく関係です」
「……本当に……?」
ぎろり。ただでさえ鋭かった視線が、更に鋭利になった。
「わたくしには、そうは思えないんですのよねぇ?」
「そ、それは、どういった理由で……?」
「わたくし、ちゃぁ~んと聞いてましたのよ。アンリが、貴方を名前で呼ぼうとしていたのをね」
『あでら――失礼。ルーヴァローテ様とこうしてお会いするのは、久しぶりですね。一か月半ぶり、でしょうか?』
確かにあの時、アンリはアデライドと言いかけて止めた。
「……アンリはねぇ、親しい人間しか名前で呼びませんのよぉ? そんなアンリが、名前呼びをした。しようとした。そして!!」
「そ、そして……?」
「それを、慌てて撤回した。隠した。だからねぇ、わたくし、問いただしにきましたの。アンリと貴方は、わたくしの知らないところで繋がっているんじゃないかって? 不埒な関係になっているんじゃないかって? ね」
ネリー・アメロルス。彼女は普段はとても優しい淑女なのだけれど、婚約者アンリが関わると――自分以外の女性を見ていると感じると、豹変して凶暴化する。
その結果――
浮気相手と勘違いして、アデライドを殺害してしまう。
今言及していることなどで怒りが溜まっている上に、この人は『アンリは自分から浮気なんてしない! 浮気したのは誘惑されたからだ!! よくも誘惑したな!!』という思考回路の持ち主。そういった性質を元凶に利用されてしまい、アデライドを刺殺してしまうのだ。
「どうなの? 教えて頂戴。正直に教えて頂戴。ねえ。ねえ? どうなの?」
「そういった関係はございません。わたしには最愛の人がおりまして、他の方に興味はございませんし、そのような不貞は働きません」
「へぇ~。じゃあどうして、さっきアンリは貴方を名前で呼ぼうとして慌ててやめたのかしらねぇ?」
その答えは、彼女の婚約者アンリ・フォムイエは元凶に金で雇われた『駒』だから。
――ネリーがアデライトとの浮気を疑うような素振りを見せろ――。
今回のようにしばらく前から『仕込み』を行われていて、ネリーの脳内はすっかり疑惑だらけになっている。
なので、いくらこの場で否定しても信用しない。質問をしているものの、結論ありきで動く人間になってしまっているのです。
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