大好きな人の幼馴染は、とても酷い人でした

柚木ゆず

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第10話 それは不意に アリア視点(3)

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「……え……? れいおん、様……?」

 帰って来たお言葉。その際の表情。
 それらを見て聞いたわたしの心臓が、激しく脈打ちました。
 まさか……。
 まさか…………。

「ゲインが通したということは、僕が知っている方なのですよね? 申し訳ないのですが、お名前と関係性を教えていただけますでしょうか?」

 違う。
 そんなはずはありません。
 レイオン様に限って、そんなことになるはずがない。
 きっと違う。
 わたしの考えすぎだ。
 酷い勘違いをしてしまっているだけだ。
 何かの間違いだ。
 もっとお話しをすれば、違うと判明する。

 心の中でまるで間欠泉の如く飛び出した否定の意見は、その言葉によって逆に否定をされ始め――

「実を言いますと僕は、記憶喪失になってしまっているみたいなんです。どうやら、3年分くらいの記憶が抜け落ちてしまっているらしいんですよ」

 ――この言葉によって、完全に否定されてしまったのでした。

「……そ、んな……」

『医者の話によると、回復する見込みは少ない。仮に回復したとしても、何かしらの後遺症が残り続ける可能性が高い。90パーセント以上の確率で、どこかしらに問題が発生するそうよ』

 90パーセント以上の確率……。
 あのように祈りを捧げたら、伝承や小説のように元気で戻って来てくださると思っていました。
 でも……。10パーセントにはならず…………90パーセントが、実際に起こってしまっていました……。

「父上達のお話によると、事故で頭を打ってしまったみたいでして。その際のショックで記憶が飛んでしまったそうなんです」
「……………………」

 意識が戻ったことは、本当に嬉しいです。幸せなんです。
 嬉しいですし、幸せなのですが――

「一生目覚めなくてもおかしくはない、それほどの状態だったそうです。でもそんな僕を、僕の幼馴染が救ってくれたんですよ・・・・・・・・・・・・・・・・
「……………………。え……?」

 幼馴染が、救ってくれた……?
 ミータイアス様が、救った……?


 レイオン様は、なにを仰っているのですか……?
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