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第3話 飛んで火に入るなんとか リュシエンヌ視点(2)
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「な!? なにを言って――」
「残念、時間切れよ。逆に、痛くて辛い思いをする羽目になっちゃったわね?」
ヴァランティーヌの右手首を掴んでいる左手を、勢いよく手前に引く。そうすると、
「きゃあ!?」
ヴァランティーヌは前方に引っ張られて、前のめりになる。そんな動きに合わせてあたしは半身になり、肩を当てるようにしながらヴァランティーヌの懐に身体をねじ込んでゆく。
その体勢が出来上がると次は更に身体を捩じり、その勢いとそれまでの流れを活かして、ヴァランティーヌを背負うようにして――
「きゃぁああ!? きゃああああかはぁっ!?」
――投げ、彼女は背中から地面に叩きつけられたのだった。
「ぁぎ!? ぁび!? か、はぁ……! ぁ、ぇ……?」
「『何が起きたの!?』って顔をしてるから、教えてあげる。アンタは『背負い投げ』っていう、とある国の武道の技をかけられたのよ」
『なんであの時自分の避けられなかったの――!? せっかく柔道剣道合気道を習ってたのに、なんであの場面で発揮できなかったの――!?』。
あたしは祖父の影響で幼い頃から様々な武道を学んでいて、警察官になってからも技術を磨き続けた。
この身体では生まれてから今日まで1度も使ったことがなかったけど、前世の記憶が戻ったことで当時の感覚が全部戻っている。この肉体は鍛えていないから100パーセント当時のようにはいかないけど、それでもこのくらいは余裕でできるのよね。
「じゅ、う……!? そ、なの……。しら、な、い……」
「でしょうね。まあ詳しく知る必要はないわ。アンタは『今までのリュシエンヌと今のリュシエンヌは違う』とだけ理解してるといいわ」
「さ……き……から……なに、いって……る、の……? な、ん、な――ぁ、ぁぁ……」
「安心しなさい、そのまま死にはしないわ。身体を強く打ち付けてしまった影響で、しばらく意識を失うだけよ」
「……よ、よか……た……。よか――」
「ったとも、言い切れないわよ? あたしは今までのお礼をしたくて、アンタ達は――アンタもずっと、色々なことをしてくれたんですもの。これで終わると思ったら大間違いよ」
そう告げながらさっきのヴァランティーヌを真似て口元を緩めて見せると、意識が朦朧としていたヴァランティーヌの顔が恐怖で染まった。
「ひ……。なに……。する、つも…………なの……?」
「それは目覚めてからのお楽しみ。とりあえず、夢の世界へいってらっしゃい」
「……い、いや……。い、や……。ぁ、ぁぁぁぁぁ――ぁ………………」
どうにか逃げようとしていたものの、それは叶わず気を失ってしまった。
なのであたしは、沈黙してしまった彼女へと手を伸ばし――。とあることを行い、忍ばせていたリボンを使って後ろ手に拘束した上で、目覚めを待つことにしたのでした。
「残念、時間切れよ。逆に、痛くて辛い思いをする羽目になっちゃったわね?」
ヴァランティーヌの右手首を掴んでいる左手を、勢いよく手前に引く。そうすると、
「きゃあ!?」
ヴァランティーヌは前方に引っ張られて、前のめりになる。そんな動きに合わせてあたしは半身になり、肩を当てるようにしながらヴァランティーヌの懐に身体をねじ込んでゆく。
その体勢が出来上がると次は更に身体を捩じり、その勢いとそれまでの流れを活かして、ヴァランティーヌを背負うようにして――
「きゃぁああ!? きゃああああかはぁっ!?」
――投げ、彼女は背中から地面に叩きつけられたのだった。
「ぁぎ!? ぁび!? か、はぁ……! ぁ、ぇ……?」
「『何が起きたの!?』って顔をしてるから、教えてあげる。アンタは『背負い投げ』っていう、とある国の武道の技をかけられたのよ」
『なんであの時自分の避けられなかったの――!? せっかく柔道剣道合気道を習ってたのに、なんであの場面で発揮できなかったの――!?』。
あたしは祖父の影響で幼い頃から様々な武道を学んでいて、警察官になってからも技術を磨き続けた。
この身体では生まれてから今日まで1度も使ったことがなかったけど、前世の記憶が戻ったことで当時の感覚が全部戻っている。この肉体は鍛えていないから100パーセント当時のようにはいかないけど、それでもこのくらいは余裕でできるのよね。
「じゅ、う……!? そ、なの……。しら、な、い……」
「でしょうね。まあ詳しく知る必要はないわ。アンタは『今までのリュシエンヌと今のリュシエンヌは違う』とだけ理解してるといいわ」
「さ……き……から……なに、いって……る、の……? な、ん、な――ぁ、ぁぁ……」
「安心しなさい、そのまま死にはしないわ。身体を強く打ち付けてしまった影響で、しばらく意識を失うだけよ」
「……よ、よか……た……。よか――」
「ったとも、言い切れないわよ? あたしは今までのお礼をしたくて、アンタ達は――アンタもずっと、色々なことをしてくれたんですもの。これで終わると思ったら大間違いよ」
そう告げながらさっきのヴァランティーヌを真似て口元を緩めて見せると、意識が朦朧としていたヴァランティーヌの顔が恐怖で染まった。
「ひ……。なに……。する、つも…………なの……?」
「それは目覚めてからのお楽しみ。とりあえず、夢の世界へいってらっしゃい」
「……い、いや……。い、や……。ぁ、ぁぁぁぁぁ――ぁ………………」
どうにか逃げようとしていたものの、それは叶わず気を失ってしまった。
なのであたしは、沈黙してしまった彼女へと手を伸ばし――。とあることを行い、忍ばせていたリボンを使って後ろ手に拘束した上で、目覚めを待つことにしたのでした。
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