14 / 14
第8話 悪しき者達のその後~マルク達の場合~ 俯瞰視点
しおりを挟む
「こらお前達。そこで何をしているんだ」
「子爵令嬢3人が男爵令嬢を取り込んでいて、男爵令嬢は泣きそうになっている。楽しいことが起きている、のではなさそうですわね?」
あれから半年後。かつて『サンドリーヌ陥れ計画』を企てていたマルクとジョルジェットは、イジメを行っていた3人の前に現れ叱責していました。
――勘違いにより勝手に作り出して勝手に怯えた、サンドリーヌの恐怖――。
それによって彼らはその後長い間怯え続けることになり、毎晩サンドリーヌによって裁かれる悪夢に襲われました。
そんな経験がマルクとジョルジェットを改心させ、ふたりはすっかり『真面目な人間』となっていたのです。
「いいかお前達。悪事は必ず露見し、その報いを受ける羽目になるんだぞ」
「こんなことを続けていたら、必ずや破滅するわよ」
「「「……………………」」」
「破滅したいのならば、続けるといい。……お前達は、どうする?」
「「「…………も、もう致しません……」」」」
格上に注意されたからだけではなく、マルクとジョルジェットの言葉と表情には重みがあった。確実にそうなってしまうという、確信を感じる重みがありました。
そのため3人は男爵令嬢に謝罪を行い、俯きながらその場を去っていったのでした。
「……かつての俺達がそうだったように、貴族の大半は格下には偉そうにする。俺達で護っていかないといけないな」
「そうですわね。護ってゆきましょう――あっ」
「ん? どうした――あ! ごきげんよう、サンドリーヌ様!」
「ごきげんよう。また、よいことをされていたようですね」
「いえいえ、当然の行動ですよ。ね、ジョルジェット」
「ええ。当たり前のことを当たり前にしただけですわ」
「そうですか。影ながら応援していますね」
「「はいっ! ありがとうございます!!」」
もしあの夜中庭に行かなければ、サンドリーヌは退学する羽目になっていたかもしれません。ですが彼らが企んだおかげで、窮地を脱することができた。
意図していないとはいえ功労者となっていたこともあってサンドリーヌは不問に付しており、今では良い友人となっていました。
「「では、パトロールを続けますので失礼致します!」」
マルクとジョルジェット。
悪事を試みるも勘違いによりサンドリーヌを助け改心したふたりは、その後もそのままであり続けた。だから、なのかもしれませんね。
以降もふたりは、船の上にいる人達とは、正反対の人生を歩むこととなるのでした――。
「子爵令嬢3人が男爵令嬢を取り込んでいて、男爵令嬢は泣きそうになっている。楽しいことが起きている、のではなさそうですわね?」
あれから半年後。かつて『サンドリーヌ陥れ計画』を企てていたマルクとジョルジェットは、イジメを行っていた3人の前に現れ叱責していました。
――勘違いにより勝手に作り出して勝手に怯えた、サンドリーヌの恐怖――。
それによって彼らはその後長い間怯え続けることになり、毎晩サンドリーヌによって裁かれる悪夢に襲われました。
そんな経験がマルクとジョルジェットを改心させ、ふたりはすっかり『真面目な人間』となっていたのです。
「いいかお前達。悪事は必ず露見し、その報いを受ける羽目になるんだぞ」
「こんなことを続けていたら、必ずや破滅するわよ」
「「「……………………」」」
「破滅したいのならば、続けるといい。……お前達は、どうする?」
「「「…………も、もう致しません……」」」」
格上に注意されたからだけではなく、マルクとジョルジェットの言葉と表情には重みがあった。確実にそうなってしまうという、確信を感じる重みがありました。
そのため3人は男爵令嬢に謝罪を行い、俯きながらその場を去っていったのでした。
「……かつての俺達がそうだったように、貴族の大半は格下には偉そうにする。俺達で護っていかないといけないな」
「そうですわね。護ってゆきましょう――あっ」
「ん? どうした――あ! ごきげんよう、サンドリーヌ様!」
「ごきげんよう。また、よいことをされていたようですね」
「いえいえ、当然の行動ですよ。ね、ジョルジェット」
「ええ。当たり前のことを当たり前にしただけですわ」
「そうですか。影ながら応援していますね」
「「はいっ! ありがとうございます!!」」
もしあの夜中庭に行かなければ、サンドリーヌは退学する羽目になっていたかもしれません。ですが彼らが企んだおかげで、窮地を脱することができた。
意図していないとはいえ功労者となっていたこともあってサンドリーヌは不問に付しており、今では良い友人となっていました。
「「では、パトロールを続けますので失礼致します!」」
マルクとジョルジェット。
悪事を試みるも勘違いによりサンドリーヌを助け改心したふたりは、その後もそのままであり続けた。だから、なのかもしれませんね。
以降もふたりは、船の上にいる人達とは、正反対の人生を歩むこととなるのでした――。
44
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
ある愚かな婚約破棄の結末
オレンジ方解石
恋愛
セドリック王子から婚約破棄を宣言されたアデライド。
王子の愚かさに頭を抱えるが、周囲は一斉に「アデライドが悪い」と王子の味方をして…………。
※一応ジャンルを『恋愛』に設定してありますが、甘さ控えめです。
絵姿
金峯蓮華
恋愛
お飾りの妻になるなんて思わなかった。貴族の娘なのだから政略結婚は仕方ないと思っていた。でも、きっと、お互いに歩み寄り、母のように幸せになれると信じていた。
それなのに……。
独自の異世界の緩いお話です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
嘘つきと呼ばれた精霊使いの私
ゆるぽ
ファンタジー
私の村には精霊の愛し子がいた、私にも精霊使いとしての才能があったのに誰も信じてくれなかった。愛し子についている精霊王さえも。真実を述べたのに信じてもらえず嘘つきと呼ばれた少女が幸せになるまでの物語。
あなた方の愛が「真実の愛」だと、証明してください
こじまき
恋愛
【全3話】公爵令嬢ツェツィーリアは、婚約者である公爵令息レオポルドから「真実の愛を見つけたから婚約破棄してほしい」と言われてしまう。「そう言われては、私は身を引くしかありませんわね。ただし最低限の礼儀として、あなた方の愛が本当に真実の愛だと証明していただけますか?」
初恋のひとに告白を言いふらされて学園中の笑い者にされましたが、大人のつまはじきの方が遥かに恐ろしいことを彼が教えてくれました
3333(トリささみ)
恋愛
「あなたのことが、あの時からずっと好きでした。よろしければわたくしと、お付き合いしていただけませんか?」
男爵令嬢だが何不自由なく平和に暮らしていたアリサの日常は、その告白により崩れ去った。
初恋の相手であるレオナルドは、彼女の告白を陰湿になじるだけでなく、通っていた貴族学園に言いふらした。
その結果、全校生徒の笑い者にされたアリサは悲嘆し、絶望の底に突き落とされた。
しかしそれからすぐ『本物のつまはじき』を知ることになる。
社会的な孤立をメインに書いているので読む人によっては抵抗があるかもしれません。
一人称視点と三人称視点が交じっていて読みにくいところがあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる