前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします

柚木ゆず

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第5話 翌日~旅行をしましょう~ エレーヌ視点(2)

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「エレーヌ。この『ラーデッサル』という街は、海と近くで獲れる新鮮な魚介類が売りだそうだぞ」
「そこにある海は澄みきった青がとても綺麗で、日中以外も格別。サンセットは一生の思い出となるみたいよ。食べ物は――魚やエビ、ホタテの炭火焼が有名で、いつも多くの観光客で賑わっているそうよ」
「青い海と、新鮮な魚介類を使った炭火焼。この辺りにはないものばかりで、楽しそうですね」

「こっちの『ヴァレイス』は、山とキノコ類が人気のようだな。……ぉぉ、これはすごいぞ。木漏れ日を身体いっぱいに浴びると、エネルギーが湧いてきて肌艶も別人のようになるそうだ」
「食べ物は……この辺りは、キノコ鍋と薬草のフリッターが人気みたいね。美味しい上に身体を内側から綺麗にしてくれる効果があるって、評判なんですって」
「……力をいただける木漏れ日や、綺麗になれるキノコたち。こちらも、興味があります」

 マイクお父様とミリアお母様が、一生懸命集めてくださった資料。そちらを仲良く眺め、順番にチェックをしてゆきます。

「……ところでお父様、お母様。お二人のご意見も窺いたいです。お父様達はどのような場所を選びたいですか?」
「う~む、そうだなぁ。3つ前に出た、『リーダニック』だったか。あそこのビーフシチューが気になっているな」
「わたしは、5つ前に出た『レミテフェルズ』ね。ミュージカルの街で、思う存分『本場』に浸りたいわ」

 お食事が一番の趣味であるお父様。ミュージカルが大好きなお母様。お二人は『らしさ』のある場所をセレクトされ、「「でも」」――。と、左右でゆっくりと目尻が下がりました。

「さっきも言ったが、この旅の主役はエレーヌだ。エレーヌが行きたい場所にのみ行こうじゃないか」
「今回は最初から最後まで、エレーヌセレクションよ。い~い、エレーヌ。わたしたちに遠慮したら、あとでお仕置きをしちゃうわよ~っ」

 そうしてマイクお父様とミリアお母様は、また幸せにしなってしまうことを仰ってくださり、新たな資料を手に取られました。

「次の候補地は、あら……? 『ルナリーフ』? この地名は初耳ね……?」
「周辺国な上に秘境らしいからな、この国の者にとってはかなりマニアックな場所、穴場だそうだ。距離はかなり遠いが、訪れる価値はあると言っている者がいてな――ん? エレーヌ? どうしたのだ?」

 ルナリーフ。
 その名前を聞いて、どうしても確認しておきたいことが生まれました。ですので私は、お父様とお母様を交互に見つめてから――


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