前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします

柚木ゆず

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エピローグその2 1年後~約束~ 俯瞰視点(5)

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「なんじゃ……!? おぬしは、何を探しておるんじゃ……?」

 占い師メリーが、戸惑い始めた理由。それは突然、リュドヴィックが辺りを見回し始めたから。
 空。大地。前。後ろ。右。左。あらゆる場所へと首を巡らせ始めたため、おもわず目を瞬かせてしまっていたのでした。

「も、もしや……。発狂……!? アタシが……正気を失わせてしまったのか……⁉」
「いえ、そうではありません。黒い影はどこにあるのだろうか? 未来を意識をするようになれば僕にも見えるのかな? と思い、確かめていただけなのですよ」

 お騒がして申し訳ございません――。僕も彼女も、正気を保っていますよ――。リュドヴィックは引き続きにこやかに、落ち着いた状態で返事を行いました。

「現実を認識しても、やはり特別な力がないと目視はできないようですね。占い殿、黒い影はどの辺りに見えている――どの辺りに存在しているのですか?」

「え? あ、ええと、じゃな……。お兄さんの背後、両肩に載っているような形で存在しておるよ」

 まるで、掻き付いているかのように。しっかりとどす黒い影は密着していて、メリーはその場所を人差し指でさしました。

「そう、なのですね。この辺り、ですか……」
「? ??? お兄さんや……。おぬしは一体、何をしておるのじゃ……?」
「失礼。少々お返事ができないことを、お許しください」

 表情と声音は、一変。にこやかさは鳴りを潜め、真剣さしかない状態で――。リュドヴィックは、メリーが指す場所を両手で探り始めました。

「? ?? ???」
「………………………………」

 そしてメリーとエレーヌが見守る中、黙々とその作業が行われてゆき――。3分ほどの時が経過した時でした。

(――――――。――――――――)

 不意にリュドヴィックは周りには少しも聞こえない声量で何かを呟き、それを合図にして、宙を探っていた両手が突如力強く握り締められました。
 そうすると――

「ひょぇええええ!?」

 直後、その場にメリーの大音声が響き渡りました。
 なぜならば――


「く、くくく!! 黒の影が、消えた!?」

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