前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします

柚木ゆず

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エピローグその2 1年後~約束~ 俯瞰視点(4)

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「……けれどアタシは、そういった影が見えるだけ。その運命を変えることは、できんのじゃ……」

 これは冗談でもなければ、タチの悪い脅しでもない。紛れもない事実、確実にやってきてしまう未来だ。
 それを暗に伝えたメリーは、力なく首を左右に振りました。

「こういった力があるのなら、見えた者を救うことだって出来るのではないか? そう思い、これまで幾度となく、あらゆる可能性を模索したのじゃよ……。だが、何をやっても無意味じゃった……。アタシは無力なんじゃ……」
「「……………………」」
「じゃからアタシに出来るのは、知らせることのみ。…………確定し逃れられないのならば、せめて残された時を楽しんで欲しい――。悔いのないように過ごして欲しい――。そんな思いでアタシは今、こうしているのじゃよ……」
「「……………………」」
「この宣告がもたらす悪影響は、重々承知しておる……。じゃがな……。それでも、寸前で気付いてしまうよりはマシなのじゃよ……」
「…………ええ、そうですね」「…………はい、そうですね」

 リアムとノエルの別れ。前世の別れ。

 もっと〇〇したかった、もっと〇〇な時間を過ごしたかった、などなど。多くの後悔を知っている二人は、神妙に頷きました。

「……お兄さんもお姉さんも、つらいじゃろう……。終わりを、最愛の人との別れを知って過ごすのは、ほんに苦しいじゃろう……」
「「……………………」」
「じゃが…………それでもどうか、精一杯生きて欲しい。二人で思い出を作って欲しい。…………かけがえのない記憶を、できるだけ多く魂へと刻み込んで――お、お兄さんや? ど、どうしたのじゃ……? 何をしておるんじゃ……!?」

 重い口調で言葉を紡いでいたメリーは、突如戸惑うこととなりました。
 その理由は――

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