60 / 68
番外編その1 エリュエール邸にて~4人の謝罪とお詫び~ 俯瞰視点(6)
しおりを挟む
「エレーヌ様の中には……。前世の…………二人分の記憶が、ある……!?」
「はい、そうなのです。体調不良による後頭部の強打によって、前世の記憶が覚醒しました。かつての自分という別人目線でも見られるようになったため、『今の自分は異常』だと気が付けたのです」
「ルナリーファル…………。こことは異なる世界にある国の、侯爵夫人ノエル様……」
「あり得ないお話ですが……」
「全ての辻褄が合う理由は、それしかありませんわね……」
体調不良以降の、これまでとは正反対の言動。ついさっきの言動。それらを目の当たりにしているため、4人は戸惑いながらも頷きました。
「強い感情を抱いたり慌ててしまったりした時は、あのようについ『前世』の部分が出てしまうことがあるのですよ。先ほどは失礼致しました」
「いえ、エレーヌ様。わたくしは――わたくしたちは、とても幸せでした」
「私達に、あんなふうに仰っていただけて……」
「あのように笑って、抱き締めてもくださった。優しく包み込んでくださった……」
「あのお顔と温もりは、一生忘れません」
コレット、イザベル、エステル、ゾエはまだ涙のあとがある目元にそっと触れ、エレーヌは初めて見る――当時の4人からは想像もできない、穏やかな微笑みを浮かべます。そしてそれを目にしたエレーヌも、同様の表情を作りました。
「私自身もノエルと同じ感情を抱いておりまして、お詫びなどは不要だと感じております。……コレット様、イザベル様、エステル様、ゾエ様」
「「「「……はい」」」」
「ですので私も心から、皆様とお友達になりたいと考えておりまして。是非、皆様の輪に加えてください。これからいつまでも、仲良くしてください」
「「「「…………はいっ。はい…………っ。ありがとうございます……! ありがとうございます……っ!」」」」
家族曰く『憑き物が取れた』4人にとって、それは何より嬉しい言葉でした。ですのでコレット達の頬を再び嬉し涙がつたうようになり、
「実は旅行中に、とても美味しい茶葉と出会っているんです。今日はお天気もいいですし、お庭でお茶をしませんか?」
「是非っ、そうさせてください……っ」
「喜んで……っ!」
「お願い致しますわ……!」
「光栄ですっ!」
早速4人は、『友人』として賑やかな時間を過ごすこととなりました。
もちろんそちらは社交辞令ではないため、こういった時間は以後も続いていて――。
そんな関係が後日、コレット達4人にとある素敵な出来事をもたらすのでした――。
「はい、そうなのです。体調不良による後頭部の強打によって、前世の記憶が覚醒しました。かつての自分という別人目線でも見られるようになったため、『今の自分は異常』だと気が付けたのです」
「ルナリーファル…………。こことは異なる世界にある国の、侯爵夫人ノエル様……」
「あり得ないお話ですが……」
「全ての辻褄が合う理由は、それしかありませんわね……」
体調不良以降の、これまでとは正反対の言動。ついさっきの言動。それらを目の当たりにしているため、4人は戸惑いながらも頷きました。
「強い感情を抱いたり慌ててしまったりした時は、あのようについ『前世』の部分が出てしまうことがあるのですよ。先ほどは失礼致しました」
「いえ、エレーヌ様。わたくしは――わたくしたちは、とても幸せでした」
「私達に、あんなふうに仰っていただけて……」
「あのように笑って、抱き締めてもくださった。優しく包み込んでくださった……」
「あのお顔と温もりは、一生忘れません」
コレット、イザベル、エステル、ゾエはまだ涙のあとがある目元にそっと触れ、エレーヌは初めて見る――当時の4人からは想像もできない、穏やかな微笑みを浮かべます。そしてそれを目にしたエレーヌも、同様の表情を作りました。
「私自身もノエルと同じ感情を抱いておりまして、お詫びなどは不要だと感じております。……コレット様、イザベル様、エステル様、ゾエ様」
「「「「……はい」」」」
「ですので私も心から、皆様とお友達になりたいと考えておりまして。是非、皆様の輪に加えてください。これからいつまでも、仲良くしてください」
「「「「…………はいっ。はい…………っ。ありがとうございます……! ありがとうございます……っ!」」」」
家族曰く『憑き物が取れた』4人にとって、それは何より嬉しい言葉でした。ですのでコレット達の頬を再び嬉し涙がつたうようになり、
「実は旅行中に、とても美味しい茶葉と出会っているんです。今日はお天気もいいですし、お庭でお茶をしませんか?」
「是非っ、そうさせてください……っ」
「喜んで……っ!」
「お願い致しますわ……!」
「光栄ですっ!」
早速4人は、『友人』として賑やかな時間を過ごすこととなりました。
もちろんそちらは社交辞令ではないため、こういった時間は以後も続いていて――。
そんな関係が後日、コレット達4人にとある素敵な出来事をもたらすのでした――。
95
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
もう散々泣いて悔やんだから、過去に戻ったら絶対に間違えない
もーりんもも
恋愛
セラフィネは一目惚れで結婚した夫に裏切られ、満足な食事も与えられず自宅に軟禁されていた。
……私が馬鹿だった。それは分かっているけど悔しい。夫と出会う前からやり直したい。 そのチャンスを手に入れたセラフィネは復讐を誓う――。
公爵令嬢は逃げ出すことにした【完結済】
佐原香奈
恋愛
公爵家の跡取りとして厳しい教育を受けるエリー。
異母妹のアリーはエリーとは逆に甘やかされて育てられていた。
幼い頃からの婚約者であるヘンリーはアリーに惚れている。
その事実を1番隣でいつも見ていた。
一度目の人生と同じ光景をまた繰り返す。
25歳の冬、たった1人で終わらせた人生の繰り返しに嫌気がさし、エリーは逃げ出すことにした。
これからもずっと続く苦痛を知っているのに、耐えることはできなかった。
何も持たず公爵家の門をくぐるエリーが向かった先にいたのは…
完結済ですが、気が向いた時に話を追加しています。
酒の席での戯言ですのよ。
ぽんぽこ狸
恋愛
成人前の令嬢であるリディアは、婚約者であるオーウェンの部屋から聞こえてくる自分の悪口にただ耳を澄ませていた。
何度もやめてほしいと言っていて、両親にも訴えているのに彼らは総じて酒の席での戯言だから流せばいいと口にする。
そんな彼らに、リディアは成人を迎えた日の晩餐会で、仕返しをするのだった。
成人したのであなたから卒業させていただきます。
ぽんぽこ狸
恋愛
フィオナはデビュタント用に仕立てた可愛いドレスを婚約者であるメルヴィンに見せた。
すると彼は、とても怒った顔をしてフィオナのドレスを引き裂いた。
メルヴィンは自由に仕立てていいとは言ったが、それは流行にのっとった範囲でなのだから、こんなドレスは着させられないという事を言う。
しかしフィオナから見れば若い令嬢たちは皆愛らしい色合いのドレスに身を包んでいるし、彼の言葉に正当性を感じない。
それでも子供なのだから言う事を聞けと年上の彼に言われてしまうとこれ以上文句も言えない、そんな鬱屈とした気持ちを抱えていた。
そんな中、ある日、王宮でのお茶会で変わり者の王子に出会い、その素直な言葉に、フィオナの価値観はがらりと変わっていくのだった。
変わり者の王子と大人になりたい主人公のお話です。
運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。
ぽんぽこ狸
恋愛
気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。
その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。
だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。
しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。
五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。
私は側妃なんかにはなりません!どうか王女様とお幸せに
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のキャリーヌは、婚約者で王太子のジェイデンから、婚約を解消して欲しいと告げられた。聞けば視察で来ていたディステル王国の王女、ラミアを好きになり、彼女と結婚したいとの事。
ラミアは非常に美しく、お色気むんむんの女性。ジェイデンが彼女の美しさの虜になっている事を薄々気が付いていたキャリーヌは、素直に婚約解消に応じた。
しかし、ジェイデンの要求はそれだけでは終わらなかったのだ。なんとキャリーヌに、自分の側妃になれと言い出したのだ。そもそも側妃は非常に問題のある制度だったことから、随分昔に廃止されていた。
もちろん、キャリーヌは側妃を拒否したのだが…
そんなキャリーヌをジェイデンは権力を使い、地下牢に閉じ込めてしまう。薄暗い地下牢で、食べ物すら与えられないキャリーヌ。
“側妃になるくらいなら、この場で息絶えた方がマシだ”
死を覚悟したキャリーヌだったが、なぜか地下牢から出され、そのまま家族が見守る中馬車に乗せられた。
向かった先は、実の姉の嫁ぎ先、大国カリアン王国だった。
深い傷を負ったキャリーヌを、カリアン王国で待っていたのは…
※恋愛要素よりも、友情要素が強く出てしまった作品です。
他サイトでも同時投稿しています。
どうぞよろしくお願いしますm(__)m
政略結婚だからと諦めていましたが、離縁を決めさせていただきました
あおくん
恋愛
父が決めた結婚。
顔を会わせたこともない相手との結婚を言い渡された私は、反論することもせず政略結婚を受け入れた。
これから私の家となるディオダ侯爵で働く使用人たちとの関係も良好で、旦那様となる義両親ともいい関係を築けた私は今後上手くいくことを悟った。
だが婚姻後、初めての初夜で旦那様から言い渡されたのは「白い結婚」だった。
政略結婚だから最悪愛を求めることは考えてはいなかったけれど、旦那様がそのつもりなら私にも考えがあります。
どうか最後まで、その強気な態度を変えることがないことを、祈っておりますわ。
※いつものゆるふわ設定です。拙い文章がちりばめられています。
最後はハッピーエンドで終えます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる