前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします

柚木ゆず

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番外編その1 エリュエール邸にて~4人の謝罪とお詫び~ 俯瞰視点(6)

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「エレーヌ様の中には……。前世の…………二人分の記憶が、ある……!?」
「はい、そうなのです。体調不良による後頭部の強打によって、前世の記憶が覚醒しました。かつての自分という別人目線でも見られるようになったため、『今の自分は異常』だと気が付けたのです」
「ルナリーファル…………。こことは異なる世界にある国の、侯爵夫人ノエル様……」
「あり得ないお話ですが……」
「全ての辻褄が合う理由は、それしかありませんわね……」

 体調不良以降の、これまでとは正反対の言動。ついさっきの言動。それらを目の当たりにしているため、4人は戸惑いながらも頷きました。

「強い感情を抱いたり慌ててしまったりした時は、あのようについ『前世』の部分が出てしまうことがあるのですよ。先ほどは失礼致しました」
「いえ、エレーヌ様。わたくしは――わたくしたちは、とても幸せでした」
「私達に、あんなふうに仰っていただけて……」
「あのように笑って、抱き締めてもくださった。優しく包み込んでくださった……」
「あのお顔と温もりは、一生忘れません」

 コレット、イザベル、エステル、ゾエはまだ涙のあとがある目元にそっと触れ、エレーヌは初めて見る――当時の4人からは想像もできない、穏やかな微笑みを浮かべます。そしてそれを目にしたエレーヌも、同様の表情を作りました。

「私自身もノエルと同じ感情を抱いておりまして、お詫びなどは不要だと感じております。……コレット様、イザベル様、エステル様、ゾエ様」
「「「「……はい」」」」
「ですので私も心から、皆様とお友達になりたいと考えておりまして。是非、皆様の輪に加えてください。これからいつまでも、仲良くしてください」
「「「「…………はいっ。はい…………っ。ありがとうございます……! ありがとうございます……っ!」」」」

 家族曰く『憑き物が取れた』4人にとって、それは何より嬉しい言葉でした。ですのでコレット達の頬を再び嬉し涙がつたうようになり、

「実は旅行中に、とても美味しい茶葉と出会っているんです。今日はお天気もいいですし、お庭でお茶をしませんか?」
「是非っ、そうさせてください……っ」
「喜んで……っ!」
「お願い致しますわ……!」
「光栄ですっ!」

 早速4人は、『友人』として賑やかな時間を過ごすこととなりました。
 もちろんそちらは社交辞令ではないため、こういった時間は以後も続いていて――。


 そんな関係が後日、コレット達4人にとある素敵な出来事をもたらすのでした――。

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