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第8話 決定と、2度目の大問題発生 ルーラルト視点
「父上。どう思いますか?」
「わたしも同意見だ。これが最も効果的な案だと、考えている」
「…………では、決まりですね。これから実行する作戦は、プランBとする!」
3つのアイディアが出てから、およそ27時間後の午前11時過ぎ。ようやく結論が出た。
ミゲイル考案の、プランB。その内容は――
身を挺してステラスを窮地から救う。
――というもの。
忌々しく、かつ、腹立たしいことだが、ステラスが提示した証拠の否定は不可能だった。そこで大きく方針を変え、『再び強い好意を抱かせる』という方向で話を進めることにしたのだ。
そうしてウチのブレインどもに必死で考えさせ、出てきたのはコレ。
ステップ1。ステラスの大成功を嫉妬した同業者が、逆上してステラスの手を切りつけようと襲い掛かる。
ステップ2。その際傍にいた俺が咄嗟に盾になり、ナイフが当たって負傷するもステラスを守り切る。
ステップ3。その姿を目にしたステラスは俺を恩人だと感じ、再び強い感情が芽生える。
こいつが全容で、今回のものはかつて成功したモノの強化版のような策。信憑性を出すため実際に怪我をしてしまう大きなデメリットがありはするが、あの状態のステラスを――。俺に強い不信感を抱いているアイツと復縁するには、これくらいしなければならないと判断した。
「父上。そうと決まれば」
「うむっ。条件に合う協力者を、急いで探そうではないか」
この作戦の完遂には、『嫉妬しそうな同業者』であり『言うことを聞く同業者』が必要だ。そのため父上はすぐ臣下を呼び、その捜索を命じた。
「ははははっ。どの業界にも、嫉妬深く金にがめついヤツはいる。ピッタリな者を見つけられれば、もうこちらものだな」
そういう輩は、決まって甘い囁きに弱い。結局は捨て駒なのだから――報酬を渡しはしないのだから、破格の条件を提示すれば飛びついてくる。
万一ソレができなければ嫉妬心を煽って襲わせてもいいし、ウチの力で脅して動かしてもいい。どの道行動は口封じをする『捨て駒』なのだから、こっちに関してもどうとでもできる。
「る、ルーラルト様。ルーラルト様に喜んでいただけて、何よりでございますっ!」
「ミゲイルよ、昨日は怒鳴って悪かったな。クビの件はなしで、今後も俺達のために役立ってくれ――ん? なんだ?」
大笑いしながらミゲイルの肩を叩いていたら、作戦会議室に家令が飛び込んできた。
ヤツはマナーを弁えていて、普段こんな真似はしない。今度はいったい、何があったんだ……!?
「わたしも同意見だ。これが最も効果的な案だと、考えている」
「…………では、決まりですね。これから実行する作戦は、プランBとする!」
3つのアイディアが出てから、およそ27時間後の午前11時過ぎ。ようやく結論が出た。
ミゲイル考案の、プランB。その内容は――
身を挺してステラスを窮地から救う。
――というもの。
忌々しく、かつ、腹立たしいことだが、ステラスが提示した証拠の否定は不可能だった。そこで大きく方針を変え、『再び強い好意を抱かせる』という方向で話を進めることにしたのだ。
そうしてウチのブレインどもに必死で考えさせ、出てきたのはコレ。
ステップ1。ステラスの大成功を嫉妬した同業者が、逆上してステラスの手を切りつけようと襲い掛かる。
ステップ2。その際傍にいた俺が咄嗟に盾になり、ナイフが当たって負傷するもステラスを守り切る。
ステップ3。その姿を目にしたステラスは俺を恩人だと感じ、再び強い感情が芽生える。
こいつが全容で、今回のものはかつて成功したモノの強化版のような策。信憑性を出すため実際に怪我をしてしまう大きなデメリットがありはするが、あの状態のステラスを――。俺に強い不信感を抱いているアイツと復縁するには、これくらいしなければならないと判断した。
「父上。そうと決まれば」
「うむっ。条件に合う協力者を、急いで探そうではないか」
この作戦の完遂には、『嫉妬しそうな同業者』であり『言うことを聞く同業者』が必要だ。そのため父上はすぐ臣下を呼び、その捜索を命じた。
「ははははっ。どの業界にも、嫉妬深く金にがめついヤツはいる。ピッタリな者を見つけられれば、もうこちらものだな」
そういう輩は、決まって甘い囁きに弱い。結局は捨て駒なのだから――報酬を渡しはしないのだから、破格の条件を提示すれば飛びついてくる。
万一ソレができなければ嫉妬心を煽って襲わせてもいいし、ウチの力で脅して動かしてもいい。どの道行動は口封じをする『捨て駒』なのだから、こっちに関してもどうとでもできる。
「る、ルーラルト様。ルーラルト様に喜んでいただけて、何よりでございますっ!」
「ミゲイルよ、昨日は怒鳴って悪かったな。クビの件はなしで、今後も俺達のために役立ってくれ――ん? なんだ?」
大笑いしながらミゲイルの肩を叩いていたら、作戦会議室に家令が飛び込んできた。
ヤツはマナーを弁えていて、普段こんな真似はしない。今度はいったい、何があったんだ……!?
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