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第2章
4話(1)
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『ソーラさん、レイルさん、成功です! 祖父が隠していた手紙を見つけ、父に勇者様の実像を理解してもらえましたっ!』
あれから2日後の、午後3時過ぎ。お昼ご飯を食べて部屋で休憩していると、レルマさんから『テレパシー』が届いた。
『留守中に祖父の書斎に忍び込んでみたら、辞書の間に挟み込まれていたんです。1か月間は保管しておかないといけない決まりが、私達に光をくれました』
何かあった時に備えて、各国の王から来た手紙およびその手紙を受け取った証は暫く残しておかないといけない。
ここなら大丈夫だと思ってたんでしょうけど、残念だったわね。こっちはアンタが犯人だと分かってるから、普通は調べないところもくまなく探すのよねぇ。
『おかげで勇者様との婚約は破棄が決まり、謝罪をしたあとテオとの結婚を再び認めてくれました。お二人の助言の力で、全て元通りになりましたっ』
「レルマさん、よかったですねっ。それならテオさんの悪評も消えて、お店に関しても安心ですね」
『妨害も認めて金輪際しないと約束してくれましたから、もう心配は要りません。ただ……。その妨害に関して、どうにも理解できない点があるのですよ』
明るかった声音が、戸惑いだけを含むようになった。
『実はですね……。一昨日お二人のお命を狙った、騎士団の方々のあの行動。あれは父は勿論の事、祖父も指示をしていないようなのですよ』
「…………ふむ、そうでしたか。その結論に至った事由をお教えください」
隣で一緒に『テレパシー』を聞いていたティルが、顎に左手を添えつつ会話に参加した。
怪しい人が誰も命令してないって……。どういうこと……?
あれから2日後の、午後3時過ぎ。お昼ご飯を食べて部屋で休憩していると、レルマさんから『テレパシー』が届いた。
『留守中に祖父の書斎に忍び込んでみたら、辞書の間に挟み込まれていたんです。1か月間は保管しておかないといけない決まりが、私達に光をくれました』
何かあった時に備えて、各国の王から来た手紙およびその手紙を受け取った証は暫く残しておかないといけない。
ここなら大丈夫だと思ってたんでしょうけど、残念だったわね。こっちはアンタが犯人だと分かってるから、普通は調べないところもくまなく探すのよねぇ。
『おかげで勇者様との婚約は破棄が決まり、謝罪をしたあとテオとの結婚を再び認めてくれました。お二人の助言の力で、全て元通りになりましたっ』
「レルマさん、よかったですねっ。それならテオさんの悪評も消えて、お店に関しても安心ですね」
『妨害も認めて金輪際しないと約束してくれましたから、もう心配は要りません。ただ……。その妨害に関して、どうにも理解できない点があるのですよ』
明るかった声音が、戸惑いだけを含むようになった。
『実はですね……。一昨日お二人のお命を狙った、騎士団の方々のあの行動。あれは父は勿論の事、祖父も指示をしていないようなのですよ』
「…………ふむ、そうでしたか。その結論に至った事由をお教えください」
隣で一緒に『テレパシー』を聞いていたティルが、顎に左手を添えつつ会話に参加した。
怪しい人が誰も命令してないって……。どういうこと……?
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